概要
宿敵である朧の罠に嵌って捕らえられた井河アサギと、彼女を救うために敵の拠点に潜入するも捕まったその妹:さくらが、魔界の医師:桐生佐馬斗の手により、肉体を遺伝子レベルで改造された結果、3000倍の感度を持つ肉体へと変えられてしまったことに由来する。
改造の手順としては先ず触手から分泌される薬液によって躰の内部の神経を作り直し、次にアサギが監禁されている部屋を薬液で満たす事で躰の表面の神経を内部と同じ様に遺伝子レベルで作り直すというもの。一週間ほど薬液に付けると神経が改造されて全身が性感帯になる。
誤解している人も多いが、この“感度3000倍”という状態は人間の感覚すべてを3000倍にしているわけではなく、全身を性感帯に変えられた上でその感度を3000倍にされている状態であり、それ以外の感覚(視覚・聴覚・味覚・痛覚・嗅覚など)の感度に関しては特段強化は施されていない(もっとも、視覚や聴覚をいたずらに強化してしまうと、万が一正気を取り戻して反逆された時にこちらが殲滅させられる危険性が高まるため、ある意味当然とも言える)。ただ、痛みが快楽に変わるように神経を操作された描写はある。
原作ゲームやその小説版などで描写されている具体的な症状としては、
「水が喉を流れる感覚で恍惚とする」
「風に揺れる衣服が躯を撫でる感触で発情」
「敏感な部分を触られると瞬時に発情する」
「微風に肌を撫でられて絶頂」
「食事が喉をくぐって絶頂」
「トイレで排泄物に粘膜を擦られて絶頂」
「眠っている最中にシーツが肌に擦れて絶頂」
「その喘ぎ声のせいで目を覚ましてしまう」
など、どれも日常生活に深刻な悪影響を与えるものばかりであり、常人ならば発狂、最悪死亡する可能性まであり得る。
朧を倒し脱出した後もアサギとさくらの肉体は元には戻らず、アサギは持ち前の強い精神力と体内の氣を練って操作することでこの状態を強引に抑え込み、さくらは症状を抑制する薬を摂取することで抑えていた
しかし二人とも油断すると上記の症状が現れ、『対魔忍アサギ3』において捕虜にした桐生に治療されるまで10年間にも渡りこの身体で過ごさざるを得なくなった。
さらなる高みへ
アサギ発売後の2006年12月、同ブランドから発売された戦乙女スヴィアには桁が上がった感度20,000倍が登場(ちなみにアサギ発売前となる2004年7月にはライバル社であるAnimが発売したアダルトゲーム「虐襲」には既に感度2万倍という設定が登場していた)。
インパクト的には3000倍を上回っているがあまり普及せずに終わっており、近年言及されることも稀である。やはり3000倍というのは「やりすぎ」でありながらギリギリ現実味のある絶妙なラインだったのかもしれない。
なお後述のAnimというメーカーは感度2万倍がデフォルトとされるほどこの手の表現が散見され、姉妹作の「特命戦隊ユズレンジャー」では5万倍まで登場した。
まさかのトレンド入り
良くも悪くも『対魔忍アサギ』を象徴する用語の1つであり、一部のファンの間では(主にエロ方面のネタとして)有名であったが、2019年9月中旬にこのフレーズが一般層にまで広く知れ渡るという珍事が発生することとなった。
事の発端は、東京ゲームショウで対魔忍シリーズの新作『アクション対魔忍』の詳細が発表されたこと。
硬派なエロゲーであった本作がまさかの全年齢向け作品へと転身したことで「あの対魔忍が全年齢か~」「前は“感度3000倍”とかあったのにね」といった話題がファンの間で持ち上がるようになった。
その結果、TwitterのトレンドやYahoo!の検索ワードランキングに“感度3000倍”が浮上するという事態が発生、対魔忍シリーズを知らなかった者たちにもいつの間にかこの“感度3000倍”が独り歩きして広まっていくことになった。
ちなみに同日の午後にはtwitterのトレンドのトップになり、午後3時頃には遂に世界トレンドのトップにまで躍り出てしまった。
エロゲ発祥の用語が遂に世界を制したのである。
その後、2019年12月24日のクリスマスイブに『アクション対魔忍』の配信が開始されると、またしてもTwitterのトレンドにこの「感度3000倍」が急浮上し、長時間に渡ってトレンド上位に居座り続けるという事態が発生した(何度も言うが、『アクション対魔忍』は全年齢向けのゲームである)。
なお、余談ながら同日のトレンドには他に「へんたいふしんしゃさんTシャツ」「SchoolDays」と錚々たるワードが並んでいた。クリスマスイブなのに……
その2年後の2021年12月17日には、アイドル対魔忍の結成&活動開始が発表されたことで、またしてもTwitterのトレンドに「感度3000倍」がランクインした。
…だけではなく、当日配信されたアイドル対魔忍チャンネルの配信でもネタにされていた。
「BANされてもええ覚悟で、感度3000倍な企画、いっぱいやったろうやないかい!」
「あ~、感度3000倍はいいんだけどね……BANはダメだな。」
…皆さん、アイドル対魔忍は“普通の”活動をしている方々なんですよ…?
そして2022年北京オリンピック(2022年)のカミラ・ワリエワのドーピング疑惑の際に
「ワリエワの尿サンプルから検出されたトリメタジジンの濃度は1ミリリットルあたり2.1ナノグラムと分析された。これはサンプル汚染と判明した他のスポーツ選手のサンプルと比較して約200倍多い量」
と発表された。この数値によりどういうわけか対魔忍を思い浮かべる人が多発し、まさかのトレンド入りを果たした。
更に該当選手がその時点では世界最高峰と名高い選手で金メダルの最有力候補だったのが、五輪種目当日に4位となる凄惨な結果となった。その結果「200倍の薬物で悲惨な結果になるのに、感度3000倍の改造をされた上で真面目に任務をこなせる対魔忍って実は凄くね?」と奇妙な評価が起きる事態となった。
2022年には通算2作目となる全年齢向け作品『対魔忍GOGO!』の発表を受け、またしてもトレンド入り。しかも、前日に発覚した某野球選手のスキャンダルにまつわる「けつあな確定」というフレーズと並んでしまったことで、トレンドがこれまで以上に卑猥なものになるという合体事故まで発生してしまった。
2023年には『対魔忍RPG』のグローバル版『対魔忍RPGExtasy』が配信となったのだが、それに関連したX(Twitter)での外国人ファン同士による投稿の様子では、感度3000倍を英訳した「Sensitivity x3000」なる文面が…
また他にも「Yes,Taimanin」というワード(?)
も確認できる。
公式化
現在ではファンだけでなく公式もネタにしている節があり、過去に感度3000倍キャップ、感度3000倍マフラータオル、感度3000倍パーカー、感度3000倍Tシャツなるものが発売されたことがある。
というか、こんなもの着るヤツいるのか?
また、コミックマーケット100におけるLiLITHのブース名はズバリ「感度C100倍」であった。
『対魔忍GOGO!』のキャッチコピーの1つは、「感度いい塩梅アクションゲーム!」だったりする。また、作中のメインキャラの1人である田中稲が「わたしだったら、感度3000倍にも耐えてみせますぅ」等と発言している。
あの…本当に全年齢向けの作品なんですよね?
余談
実際に人間の特定の感度だけをいじくろうとすると、神経やそれらを制御する脳の複雑な働きなどを完全に熟知し、なおかつ他の感度に一切影響がないような施術を施さなければならないので、少なくとも現代の医学や科学ではこのようなことをするのは不可能だと思われる。
もっとも、アサギたちを改造した佐馬斗は魔界の医術者であったため、人間よりも優れた魔界の医術(?)を使ったと考えればそこまで不自然な話ではない(具体的な方法等についてはわからず終いだが)。
いずれにせよ、医学や科学のとんでもない無駄遣いをしていることに変わりはないわけだが…。
100倍や1000倍とかではなく、なぜ「3000倍」という中途半端な値を設定したのかは謎。
プレイヤーへのインパクトを狙ったというのもあるのだろうが、実際に口に出して読んだ時の語呂の良さやリズム感なども決め手になったのかもしれない。
なお、Lilithのシナリオライター笹山逸刀斎氏は、「誰がどういった経緯で決めたのか」という質問に対して、「その頃は年に3本は新作のプロットを作るくらい狂っていた時期なんで古代の邪悪な神が宿っていたんだと思います。」と答えており、適当に決めたもので特に深い意味はないことを明かしている。
女性の感度(性感)をアップさせるという展開は、他の様々なアダルト作品において見られるものであるが、『アサギ』はこうしたインパクトの強い演出を行ったこともあり、ある意味でそれらの先駆け的な存在になった…と言えるのかもしれない。
元ネタの映像に関して
当然の事だが元がエロゲの凌辱シーンである為、映像はR-18要素しかない。
そういう物が苦手な方は元ネタのシーンを見る際は閲覧に注意していただきたい。
又、そういう事情もあって一般の動画サイトでは閲覧が不可能なので探す際はアダルトサイトで調べるしか方法は無い。
関連イラスト
元ネタがエロゲであることもあり、イラストも大部分がR-18である。
関連タグ
醒鋭孔 - 相手を痛感神経が剥き出しになった状態に変化させる経絡秘孔の一つ。ある意味“感度3000倍”の先駆けと言える…かもしれない。
メルトリリス - 皮膚感覚をほぼ失っているため「感度3000倍にすればちょうどよくなるんじゃないか」等とネタにされることも。
クウガ・ペガサスフォーム - 「全身の感覚が極限までアップする」という点で、ネット上で話題になった際に連想した特撮クラスタが多数いた模様(ただし、こちらの場合パワーアップしているのは視覚・聴覚等の五感である)。
とは言え「感覚がアップした事によるデメリットが結構デカい」「時間切れになると大幅に弱体化(一定時間変身不能になる)」「ラスボスの殺気を感じただけで戦闘不能になった事が有る」など「感度3000倍」を連想させる要素が多いのも確か。
空想科学読本 - 「感度3000倍になった体が実際にどのようなものなのか、この本で科学的に考察してほしい」という声も一部ある(元ネタが元ネタなので難しいと思われるが…)。
凍京NECROSUICIDEMISSION - コラボの際に、あちらの主人公が感度3000倍になった。あくまでも痛覚ではあるのだが……。それに加えて対魔忍がテレビCMデビューした。
マジカミ - こちらもコラボの際に感度3000倍がネタにされた。それだけではなく、「捕まるまでがテンプレ」(意訳)と別の意味でも言いたい放題な状態である。更に言えばコラボの期間がゴールデンウィークを含む期間というのも……。なお、コラボ期間終了後にはコラボドレスのひとつで感度3000倍というデメリットにも近い能力があっさり治療、能力が変更される事が告知された。あっさりと治療手段を見つけた方も見つけた方だが。
遊戯王シリーズ - 攻撃力3000のモンスターの使い手は何かとネタにされる。