概要
基本的に、各作品のリンクとゼルダは異なる素性を持つ別人であり、外見も性格も関係性も異なるため、色々なバリエーションがある。ただし、一緒に協力して魔王と戦う姫と勇者であるという関係なのは一貫しており、服装や外見も似ている。ゼルダは知恵のトライフォースと封印の力を宿す姫で、リンクは勇気のトライフォースを持つ勇者である事が多い。
『ゼルダの伝説』シリーズの中でも人気のあるカップリングだが、それぞれの作品ごとに別人で性格も関係性も変わるため、好みが分かれやすい組み合わせでもある。どの作品でもこの二人がいいという人もいれば、一部の作品での二人がいいという人もいる。
上述のように名前が同じで外見も似ていても、各作品ごとに別人同士の別物とも言える特殊なカップリングでもあるので、どの作品の二人なのか分かるように作品タグを併用したり明記するのが望ましい。
二人の関係は作品ごとに実に様々で、パートナーとしてずっと一緒にいたり、お互いかけがえのない存在である作品から、仲間として少し関わるだけだったり、ゼルダが全く出てこない作品まである。
最初からゼルダ姫だと分かっている作品もあれば、姿や名前が違っていて終盤になって初めてゼルダ姫だと分かる場合もある。
容姿も共通点は多いものの、顔つきや服装や髪形など、リンクもゼルダも各作品でかなり違っている場合も多い。
それぞれ別人ではあるものの、作品によってはリンクは過去の勇者の生まれ変わりだと言われていたり、子孫だと明言されているものもある。
ゼルダ姫も王家の姫の中で一番女神の力を濃く発現する者がゼルダと名付けられるという設定もあるが、はっきりとは決まっていない。
ゼルダの伝説自体がゲーム性を優先して作られキャラ設定やストーリーはほとんど後付けでどんどん変更されていると公言されているのもあり、リンクとゼルダは魂が転生した生まれ変わりなのか子孫なのか全くの他人なのか、その辺りは曖昧できちんと設定されていないため、プレイヤーの解釈に委ねられている。
また別人であったとしても、古代に魔王からかけられた呪いにより、女神の血を引く者と勇者の魂を持つ者は繰り返し邪悪な魔王と戦う宿命をかせられているため、時代を越えて繰り返し共に戦う運命共同体的な二人だと言える。
各作品の二人
※内容にはネタバレが含まれます。
ふしぎのぼうし・4つの剣+・スカイウォードソード
いずれも幼馴染の関係にある。特にスカウォゼルダはリンクへの好意がはっきりしている。
リンクの冒険
最後に初代ゼルダからのキスシーンがある。直前に顔だけ幕に隠されるため詳細を見ることはできないが、顔の向きと動きやわざわざ隠す演出から口にしていると思われる。
時のオカリナ
子供の頃にお互い相手と出会う予知夢を見て、運命に導かれて出会う。二人でガノンドロフの野望を阻止するために協力し、ゼルダは命運をかけて秘宝のオカリナをリンクに託す。リンクが大人の姿で目覚めた後は、ゼルダはガノンドロフの目から逃れるために魔法で男装してシークと名乗り、正体を隠しながら何かとリンクの冒険をサポートする。正体を明らかにしたゼルダがガノンドロフに見つかり水晶に捕らわれるとリンクは駆け寄り必死に助けようとするが、ゼルダはさらわれてしまい、リンクはゼルダを助けるために城へ行き戦う。ガノンドロフを倒して一緒に城を脱出した後はつかの間お互いに笑顔で見つめ合い喜びをかみしめるが、直後にガノンドロフが復活して即座にリンクがゼルダをかばう。エンディングではゼルダがリンクの手を握りながらとても悲しそうな表情で別れの時を告げ、オカリナを吹いてリンクを元の過去の時代に帰す。リンクが吹いていたオカリナをゼルダが吹くのでなにげに間接キスである。その後、時の扉が閉ざされたため、この大人時代のゼルダとリンクは二度と会えなくなる。シリーズで一番一切ない二人かもしれない。しかしラストでは時が戻った過去で再び子供の姿の二人が出会うという印象的な場面で閉じられている。
ムジュラの仮面
『時のオカリナ』の続編であり、リンクは過去に戻った後で未来で起きる事を全てゼルダに話すことによってガノンドロフの野望を未然に阻止し、新たな旅に出ていたことが判明。ゼルダは未来での出来事を経験していないもののリンクの話を信じ、短い間でもリンクと共に過ごした日々の事は決して忘れず、またいつの日か再び出会える日が来ると信じている、その時までこれを託すと言ってリンクに時のオカリナを託し、旅立つリンクを見送っている。ちなみにこの時もゼルダが目の前で吹いたオカリナを受け取ったリンクも吹いているので間接キスである。リンクはオカリナを取り戻した時にこの出来事を思い出し、ゼルダとの思い出のメロディを吹く事で窮地を脱した。ムジュラは異世界が舞台であるのでゼルダはこの回想でしか登場しない。ラストではリンクは元の世界に帰る事ができたが、その後の消息は明かされておらず、ゼルダと再び会えたのかは不明。しかし後の時代であるトワイライトプリンセスでは主人公がこのリンクの子孫で、リンク本人は未練を残したため亡霊となっていたという衝撃の事実が明かされている。
ふしぎの木の実
『大地の章』と『時空の章』を両方クリアをした後に見ることができる真のエンディングで、ゼルダがリンクの頬にキスをしてリンクが照れてゼルダが恥ずかしがるという場面がある。
風のタクト
リンクはガノンドロフから『時のオカリナ』の主人公だったリンクの生まれ変わりだと言われているが、ハイラル王からは時の勇者とは無縁の者であると否定されており、どちらかなのかは不明。ゼルダは自分がかつてのハイラル王家の血を引く姫であるとは知らずに、男勝りな海賊団の頭のテトラとしてリンクと出会い、冒険に協力する。ゼルダ姫として覚醒した後は姿が変わりガノンドロフにさらわれるが、助けに来たリンクと共にガノンドロフと戦う。なおこの戦いの時にリンクがカギづめロープをゼルダに向かって使うと、ゼルダのハートを奪って回復できるという小ネタがある。エンディングではゼルダは再びテトラの姿に戻り、リンクと一緒に新たなハイラル王国を作るため、新天地を探して旅に出る。
スカイウォードソード
同じ学校に通っている幼なじみの関係であり、歴代シリーズの中で最も公式カップリング色が強い作品と言っていいほど、かなり仲が良い。
寝坊するリンクをいつもゼルダが起こしに行く、二人だけで会う約束をする、密着してからかう、至近距離に顔を近づける、応援して優勝したリンクの元にゼルダが飛び込みお姫様抱っこで受け止める、二人きりの儀式でいい感じになりデートをする、手作りの品を渡して喜ぶ、再会したゼルダをリンクが抱きとめる、笑顔で手をつなぎ歩く、などなど。
あまりの仲の良さに嫉妬した同級生から「いつもいつもゼルダに構われてチャラチャライチャラと毎日毎日みせつけやがって」「僕ゼルダちゃんと仲良しです幼なじみのお似合いカップルですって自慢か?」と言われたりする。
ゼルダがリンクに好意がある事は周りからもほぼ公認状態で、使命を果たすため長い眠りにつく際には、本当はただの女の子としてずっとリンクと一緒にいたかったのだと告白している。
リンクの方も今作はかなり表情が豊かで、ゼルダと一緒に平和に過ごしている時は終始笑顔、ゼルダがいなくなってからは常に必死で探し回り、彼女を思い出したり、再会するととても嬉しそうにし、全力で助け出す事を約束し、全力で守ろうとするなど、台詞がなくともゼルダがとても大切な存在だという事が分かる。
最後も恐らくその後は二人で一緒に生きていったのだろう事がうかがえる。
大地の汽笛
ゼルダ姫がリンクのサポートとして終始一緒に冒険を続ける。
ダンジョン攻略でもリンクとゼルダ姫(の入ったファントム)両方を操作しなければならないので、文字通りずっと一緒。
まったくの赤の他人同士からスタートし、序盤こそ巻き込まれたリンクがお転婆なゼルダ姫に振り回される描写も多かったが、ストーリーが進むほどに絆が深っていく。
ラスボス撃破直後のムービーでは隣に立ち、二人で手をつなぐシーンがある。
リンクがゼルダに抱き着かれて赤面するシーンもある。
また、ラスボス戦前のゼルダ姫とのやり取りでエンディング後のムービーに少々変化があるが、どれを選んでも二人の交流が続いていることがうかがい知れる。
ブレスオブザワイルド
姫とお付きの近衛騎士という主従関係にあり、常に二人で行動し、色々な場所へ一緒に行っていた。
リンクが各地を巡りながらゼルダとの記憶を取り戻す事がメインストーリーの一つとなっており、一緒に調査をしたり、悩みを聞いたり、ゼルダを命がけで守るリンクや、リンクの腕で泣くゼルダ、リンクを想う事で覚醒するゼルダなど、様々な思い出を見ることができる。全ての思い出を取り戻すと二人の後日談のムービーも追加される。
また、作中でゼルダが近衛の騎士に想いを寄せるようになっていたと歌われている。ゼルダの日記を見ると、最初はコンプレックスから快く思っていなかったリンクが自分と同じように悩みを抱えていた事を知り、もっと話をして想いを聞きたいと思うようになった事が綴られている。
ゼルダとの記憶をすべて取り戻したリンクの手記にも「一刻も早くゼルダ姫を救い出して彼女の笑顔をもう一度この目で見たい」と書かれており、二人の内面心理に関しては歴代作品の中で最も描写されていると言える。
また、ゼルダとの記憶を一つも取り戻していない状態でテバから「何のために戦うのか?」と問われた場合には「ゼルダを救うため」という選択肢は出てこないため、リンクは単にハイラル王から頼まれたからではなく、記憶を思い出した上で自分の意思でゼルダを救いたいと思っていることが分かる。
衣装は二人とも伝統の緑の衣とピンクのドレスからロイヤルブルーの服へと一新されたため、ペアルックのようになった。
続編のPVでは、エンディングから引き続き二人で冒険をしている様子がうかがえる。
大乱闘スマッシュブラザーズシリーズ
リンクは『ニンテンドウオールスター!大乱闘スマッシュブラザーズ』(初代スマブラ)から、ゼルダは『大乱闘スマッシュブラザーズDX』から毎回出演している。
デザインは準拠した作品によって異なる。二人の設定等を準拠した作品に寄せている人も居れば、元作品とは別人と捉えている人も居る。
初代『スマブラ』と『DX』では二人とも『時のオカリナ』デザインで登場。『DX』ではリンクのモデルチェンジファイターとしてこどもリンクが、ゼルダと対を成すシークが登場している。
『大乱闘スマッシュブラザーズX』では二人とも『トワイライトプリンセス』のデザインに変更された(シークは『トワプリ』での没デザインが採用されている)。『風のタクト』を元にしたトゥーンリンクも参戦し、その後の作品でも引き続き同じデザインで出ている。
『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U』では二人とも引き続き『トワイライトプリンセス』デザインだが、シークとゼルダは別ファイターという扱いに変更になった。
『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』では、リンクが『ブレスオブザワイルド』のデザイン、ゼルダは『神々のトライフォース』のデザインと、それぞれ別々の作品からのデザインになった。ちなみに、シークは『ブレスオブザワイルド』の忍びスーツをベースにしたオリジナルの衣装になった。
『大乱闘スマッシュブラザーズX』のアドベンチャーモードである「亜空の使者」では、最初にピーチを助けるかゼルダを助けるか選ぶことで二者択一のムービーを見ることができ、マリオとピーチ、リンクとゼルダがそれぞれ対になる形で、どちらを助けるかによってムービーが変わる。
そしてゼルダを助けた場合、途中でゼルダが主人公チームにやられたと勘違いしたリンクが激怒して凄まじい早さで走ってきて切りつけるというムービーを見ることができる。
その後、終盤まで全く絡みはないが、2ステージ目の亜空間内でリンクとゼルダを救出すると、二人でガノンドロフを復活させ、共闘を促すムービーが入る。
『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』の選択画面のムービーのアイコンは、リンクとゼルダが一緒に映画館でポップコーンを食べながらムービーを見ているものになっていたりする。
メディアミックスでは
乱丸のゼルダの伝説・リンクの冒険
当初はリンクが一方的に惚れていたが、エンディングではゼルダと一緒にお城で暮らすようになった。続編リンクの冒険では両想いであることが強調されている。
蜃気楼城の戦い
リンクとゼルダが恋人同士。リンクの方からゼルダにキスをしたり、お転婆のゼルダもリンクの前では淑女になる。
みなづき由宇のリンクの冒険
特に恋愛描写はなかったが、エンディングでは現代のゼルダ姫と初代ゼルダが「あたしがリンクのお嫁さんになるんです!」とリンクを取り合う。
未将崎雄のゼルダの伝説・リンクの冒険
リンクとゼルダが10歳くらいのショタロリになっている。リンクの方がゼルダに惚れている。
3年後を描いた続編リンクの冒険では、リンクがドジを発揮してゼルダを押し倒したりしている。ゼルダの方もリンクには好意的なのだが、二人にはある事情があり……。
かぢばあたるの神々のトライフォース
残念ながら両想いにはならない。しかし当初はリンクを嫌っていたゼルダ姫が彼に手を引かれて赤面したり、彼のことを見直したり、最後の戦いでは声援を送るイベントがある。
姫川明の時のオカリナ
城下町に来たばかりのこどもリンクが城を抜け出したこどもゼルダと出会い、デートをするシーンがある。その後、正体を明かしたゼルダがリンクの頬にキスをし、舞い上がったリンクがお城の中を駆け回って迷惑をかけまくる。
姫川明のトワイライトプリンセス
独自設定としてトワプリゼルダは、時オカゼルダ(大人と子供)の記憶を持っており、時の勇者に対する想いを抱いている。これは原作でのトワプリゼルダがサブキャラに置かれていたことを姫川が憂い、ゼルダ姫をのけ者にしたくないという想いから付け加えた設定。
その他
ダークリンクとゼルダのカップリングではダーゼル表記が使われることもある。
上記の大乱闘スマッシュブラザーズシリーズなど外伝作品でクロスオーバーする機会も増えた影響から、違う作品同士の二人の作品なども増えている模様。