ULTRAMAN(映画)
うるとらまん
概要
「銀色の流星…舞い降りる」「高度3万フィート! 6.5G! 極限の一戦!!」
円谷プロによる「ULTRA N PROJECT」で最初に企画され、「NEXT EVOLUTION(次なる進化)」パートを担う作品。
「あの頃少年だったあなたに贈る---」という予告の一文にある通り、子供だけでなく大人も楽しめるウルトラ作品として制作された映画である。
『ウルトラマン』の第1話である「ウルトラ作戦第一号」が現実の世界で起こったとしたら……という想定の下で作られた一種のリメイクであり、従来のシリーズよりもリアリティ溢れる描写やキャラクターデザインが特徴となっている。
ある意味、ウルトラマンの本質に最も迫った作品と言えるかもしれない。
時系列としては『ウルトラマンネクサス』の前日譚にあたり、『ネクサス』の終盤は本作と密接にリンクする設定となっている(一部の雑誌ではネクサス本編より前からそのことが示唆されていた)。
これらの事情のため当初は『ネクサス』の放送開始前に上映予定だったが延期となり、結果的に『ネクサス』放送中に上映することとなった。
宣伝面に恵まれなかったため興行成績こそ振るわなかったが、防衛庁(現防衛省)全面協力のリアルな軍事描写、アニメーターの板野一郎が参加した大迫力の空中戦、リアルさを追及しつつも別所哲也氏演じる渋い主人公とその息子を軸にした王道ストーリーなど光る部分は数多く、現在は映像ソフトで再評価を受けており、今作から18年後の初代ウルトラマンリメイク作の『シン・ウルトラマン』公開後には関連性の高い今作の話題が徐々に増えていきTwitterのトレンドに上がったことでamazonでDVDがベストセラー1位となった。
また、B'zの松本孝弘が音楽監修を担当したことでも大きな話題になった。テーマ曲である「THEME FROM ULTRAMAN」はTAK節全開の熱い曲である。主題歌は松本孝弘が当時のソロ活動の一環でエリック・マーティン(元MR.BIG)達と組んだバンド「TMG」による全英語詞の「NEVER GOOD-BYE」。
なお、当初は続編として『ULTRAMAN 2 requiem』が製作される予定であり、映画公開時にも本編終了後にその旨が大々的に告知される等していたが、本作やネクサスをはじめとする「ULTRA N PROJECT」全体の興行不振等が原因で凍結されてしまい、幻の企画となった。
ちなみに、『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』の舞台は神戸であるが、これは『ULTRAMAN 2』にて協力を仰ぐ予定だった神戸市に対するお詫びの意味も含まれている。
ストーリー
海上自衛隊所属自衛官の有働貴文は調査任務中に謎の青い発光体と激突、身体を乗っ取られ、コードネーム「ザ・ワン」と呼ばれる怪物になってしまう。
それから三か月、近々退官を控えていた航空自衛隊所属のイーグルドライバー真木舜一は任務中に赤い発光体と衝突、墜落してしまう。奇跡的に無事だったものの、ザ・ワンのこともあったためか真木は危険人物とみなされ、対バイオテロ特殊機関BCSTに連れ去られ監視下に置かれてしまう。
真木の留置されている場所をザ・ワンが襲撃した。警備の自衛隊員は次々に倒れ、遂に真木に魔の手が迫った時、彼の体に変化が訪れた。第二の存在、コードネーム「ザ・ネクスト」がその姿を現したのだ。
キャラクター
主人公。航空自衛官でF-15Jのパイロット。
病弱の息子に付き添う為に空自を退官する予定だったが、赤い発光体との接触事故のことを警戒され特殊機関BCSTによって拉致される。ウルトラマンとして覚醒した当初は自分の変化に戸惑っていたものの、愛する家族を守るためにザ・ワンと戦うことを決める。
キャッチコピーの銀色の流星とは、作中で少年時代の真木があこがれた銀色塗装の戦闘機F-104Jの事であり、ウルトラマンの体色とのダブルミーニングである。
水原沙羅
特殊機関BCST監察官。有働の婚約者。
恋人を奪った地球外生命を憎んでおり、同じような存在となった真木を強引に拉致したり、ザ・ワンを誘き出す為に真木を利用したりなどの強硬策も辞さなかった。しかし真木との交流の中で次第に彼を信頼するようになり、ザ・ワンの暴走を止めるよう協力を求める。
後にウルトラマンネクサス本編にも登場する。
有働貴文
海上自衛官。沙羅の婚約者。
潜水艇での調査任務中にザ・ワンに身体を乗っ取られる。沙羅の動揺を誘う為に勝手に姿を使われたり、ヤモリやトカゲやネズミやカラスなどと合体させられるなど、乗っ取られて以降も踏んだり蹴ったりである。
真木継夢
真木舜一の息子。
先天性の病気を患っているが、父と同じイーグルドライバーになることを夢見ている。
倉島剛
真木の親友にして、同僚のイーグルドライバー。
真木一家の監視を命じられた時も、真木を家族に合わせてやったり、ウルトラマンが真木であると気付き、援護しつつウルトラマンに呼びかけるなど、友人としてさりげなく大きなサポートをする。
漫画版
『ウルトラマン THE NEXT』の題名で沢樹隆広によるコミカライズが『特撮エース』にて連載された。
初戦から新宿での決戦までの展開が大きく異なり、自衛隊がウルトラマンに対して攻撃命令を出す、ザ・ワンが継夢の病院を襲撃する、沙羅がザ・ワンに取り込まれるなどの独自展開が追加されている。
また、最終回は『ネクサス』との明確な繋がりが描写されており、その後出現する強敵を思わせるイメージカットや、『ネクサス』の重要キャラクターの一人が登場している。
関連イラスト
関連動画
予告編
関連タグ
- シン・ウルトラマン:もう一つのウルトラマンリメイク作品と言える作品であり、今作品の再評価に多大な影響を及ぼしている。
- ウルトラマンブレーザー:リアルな軍事描写、主人公が一児の父親という設定、リアルで生物感の強い怪獣やウルトラマンのデザイン等、本作と共通点が多い。
- 仮面ライダーTheFirst/仮面ライダーTheNext、シン・仮面ライダー:『仮面ライダー』のリメイク作品。