エッグヘッド(ONEPIECE)
えっぐへっど
概要
偉大なる航路後半の海「新世界」にある、世界政府が所有する島。通称「未来島」。
人類が500年をかけて到達する域にある頭脳を持つとされるDr.ベガパンクの研究所があり、パシフィスタといった海軍が使用する兵器や、島の気候を自在に調整できる装置などが開発されている。
かつては海軍科学班の第8研究所が所在する島であったが、ベガパンクの拠点であったパンクハザードがシーザー・クラウンの起こした化学兵器暴発事故より壊滅した為、ベガパンクの新たな拠点となる。そして、ベガパンクの施しにより後述のような島へと姿を変えた。
島の構成
エッグベッドは本来冬島であるが、ベガパンクが島エアコンを開発したことで気候を自在に調整出来るようになっており、現在は島全体が南国の環境になっている。また、巨大ロボが浮遊可能になる空調に調整されている他、建築物や地面もSFを彷彿とさせる、正に未来を感じさせるデザインになっている。なお、島にあるあらゆる装置の動力については、リリス曰く火であるとのこと。
ただし、気候を人工的に変化させた影響は大きく、島周辺の海域は通常の冬島の特徴である吹雪の勢いが増し、巨大な暖水渦が発生するなど、船の舵が効かなくなる程の厳しい環境になっている。また、ベガパンクが開発した海獣兵器(シービーストウェポン)も多く解き放たれており、通常の船なら尽く沈められてしまう。
島内の雲より上の空間は「研究層(ラボフェーズ)」と呼ばれ、ベガパンクが海楼石の研究を続けたことで再現された空島の島雲と海雲に囲まれている。中心部には卵の殻のような建築物に覆われた研究所がある。
この最上部は「パンクレコーズ」という装置で、彼の知識の保管や自身の活動方式の補助を担っている。
また、層全体を「フロンティアドーム」という防御システムに囲まれており、侵入者は雲にかかる2本の線を越えると撃ち落とされる。
地上は「工場層(ファビリオフェーズ)」と呼ばれ、作業員及び研究員たちが暮らしている。また、ベガパンクの研究成果であるホログラムや無人調理器などが設置されている他、警察仕様のパシフィスタが巡回しているのも確認されている。
2つの層の往来は「真空ロケット」と呼ばれる、張り巡らされたパイプ内を走る乗り物で行う。
原作との関わり
ワノ国を出航した主人公モンキー・D・ルフィ率いる麦わらの一味が、荒れる海の中でバーソロミュー・くまの娘であるジュエリー・ボニーと出会い、彼女と共に成り行きで到達。
一味はそこで海軍の科学者Dr.ベガパンクの本体及び6人の猫たちと出会い、彼を通じて900年前に存在した高度な文明の存在と、オハラの意志を受け継いだ者たちの存在を知る。そして、自身の死期を悟ったベガパンクの頼みでルフィは彼を海へ連れ出すことを決めるが、ベガパンク抹殺の為に島に上陸したロブ・ルッチ率いるCP‐0と対峙している際にベガパンク本体が失踪してしまい、研究所内では新兵器セラフィムが猫の制止も聞かずに暴走する混乱状態になってしまう。更にベガパンクが四皇となったルフィを味方にした事実は海軍本部及び五老星のジェイガルシア・サターン聖と共にエッグヘッドに向かっていた海軍大将“黄猿”にも伝わり、100隻の軍艦がエッグヘッドに集結すべく動き出すなど、事態は大きくなっていく。
最終章の幕開けにふさわしく、これまで度々名前のみ出ていたベガパンクがついに登場し、作中最大の謎の1つである空白の100年の一端や革命軍結成の経緯、そして2年前にシャボンディ諸島で麦わらの一味を救ったくまの壮絶な人生と今までの行動の真意が明かされた。同時期の扉絵連載ではかつてベガパンクも所属していた無法な研究チームMADSの過去も一部明かされた。
また、話は度々エッグヘッドを飛び出して勝者島やエルバフ、海賊島ハチノスといった別の島での出来事も描写される構成になっており、ワノ国編直前に開幕した世界会議で起きた事件の顛末も明かされた。
本編は現在進行中だが、後に「エッグヘッド事件」と呼ばれる、世界に大きな「衝撃(ショック)」を与える出来事が起こることが先に明かされている。果たしてルフィたちがこの島で迎える結末は…。
「未来島」の真実
エッグヘッドは島外とは比較にならない高度な技術を有していることから「未来島」と称されているが、ベガパンク曰く900年前には現在の科学を遥かに凌ぐ高度な文明があったとされ、エッグヘッドを築き上げた技術はその文明の科学の再現であるという。つまりベガパンクにとって、この島の正体は「過去」ということである。
その文明が存在していた時期は空白の100年と重なっており、この事からもその正体は「歴史の本文(ポーネグリフ)」の中にも登場し、かつ世界政府が特に秘匿にしたいであろう巨大な「王国」の可能性が非常に高い。
また島の地下には900年前に造られ、さらに200年前に聖地マリージョアに現れたという巨大なロボットが保存されていた。
ベガパンク曰く政府からは処分命令が下されていたが、当時の科学者たちはその性分故に処分できなかったという。また、その動力はベガパンクも未だに解明できておらず、謎が深まっている。
この島は現在、世界政府の所有・管理下に置かれている。仮にこれらの事実が何らかの形で、世界に知れ渡ると、当然ながら政府にとって大変不都合な事になる。政府が所有しているのも、これら真実が明るみに出るのを防ぐ目的があるのかもしれない。
主要人物
重要人物
余談
- 名前の由来
「エッグヘッド(egg-head)」は英語圏のスラングで「知識人」「教育のある人」という意味。
- ストーリーの登場人物
新しい島にたどり着くと個性的な新キャラクターが多く登場するのが『ONE PIECE』の特徴であるが、エッグヘッド編の新キャラに関しては現状、長年その存在について言及されてきたベガパンクの本体と6人の猫、そして海軍中将ドールとSWORDの構成員のみであり、既存キャラクターの方が多く描写されている。
- エッグヘッドでの衣装
作者の趣向もあってこれまでの島にある衣装、特に女性の物は胸を強調する様な衣装が多かったが、エッグヘッドは「未来島」であることから「これまで(過去)とは違うもの」にしたいという事で尻を強調する衣装が多い。
これに伴って作者は尻アングルを練習したのだが、それが高じて「尻も良いね!」という境地に至っており、尻アングルの作画が若干増えた。