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ファウンデーション王国

ふぁうんでーしょんおうこく

ファウンデーション王国とは、劇場版アニメ『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』に登場する国家。

他のファウンデーションについては→ファウンデーション

概要

プラントからの支援によって、地球連合の1つユーラシア連邦から独立した新興国家。

王政を敷き、アウラ・マハ・ハイバルが女王を務める。

小説版によると、元々はユーラシア南部に古くから存在していた小国に過ぎなかったが、突然独立を宣言し、それを武力で阻もうとする連邦を返り討ちにしたとのこと。

それに勇気づけられたユーラシアに不満を持つ各地の勢力が次々と独立運動を開始し(ファウンデーション・ショック)、ユーラシア連邦政府はそれらの対応に追われて著しく弱体化している。だが、弱体化したとはいえ大国であるユーラシアとの対立を望まない各国の大半は、未だにファウンデーション王国の国際的地位を認めていない。

世界平和監視機構コンパスブルーコスモス本拠地への合同作戦を提案してきた王国だが、親衛隊ブラックナイトスコードの隊員は宰相のオルフェがコンパスの初代総裁ラクス・クラインをエスコートした際に、コンパスのメンバー達に不遜な態度を取っており、早くも雲行きが怪しくなっている。

新興国家ながらも技術と経済はめざましい発展をしている。宇宙にも拠点を作りつつある。独立戦争で痛手を受けたにも拘らず短期間で復興を果たし、首都イシュタリアの新市街には近代的な高層ビルが立ち並んでいる。

ナチュラルコーディネイターも区別せず優秀な人材を迎え入れており、イシュタリアには15万人以上の民が暮らしている。

湖の側に建てられた王宮は石造りで中世の趣きがある。王宮内は豪華絢爛なオリエント風の装飾が施され、御伽話の宮殿を思わせる。

軍事力は中々のもので、高性能な新型モビルスーツ『ブラックナイトスコード』の開発の他に、地球連合やザフト、オーブ連合首長国ですらまだ実現出来ていなかった「モビルスーツの無人機運用」をもいち早く実現させており、保有する兵力以上と思われるその軍事力は決して侮れない物となっている。

にも拘らず、コンパスに共闘を持ち掛けたその理由は不明。

フリーダム強奪事件

親衛隊ブラックナイトスコードが、本編の半年前に起きたフリーダム強奪事件(厳密にはストライクフリーダムの強奪)を解決している。

詳細はリンク先を参照。

保有兵器

余談

  • ユーラシア連邦について

独立元のユーラシア連邦は『SEED』の時点から独立運動が血気盛んであり、ハイペリオンの試作3号機が強奪されて旗印にされるなどの事件も度々起きていた(スニーカー文庫『機動戦士ガンダムSEED ASTRAY』など)。さらに、『SEED DESTINY』の頃にはデストロイによる独立運動の掃討作戦も行っていたが、新興国としてファウンデーション王国は独立に成功している。

また、ユーラシアでは、メンデルで行われていたスーパーコーディネイターの研究を一部引き継いでおり、かつてアークエンジェル隊と一悶着起こした軍人のジェラード・ガルシアを含め、不特定多数の人間達がキラ・ヤマトの出生の秘密を把握していることが、外伝作『機動戦士ガンダムSEED_X_ASTRAY』にて描かれている。

少なくともガルシア自身は失脚したのか既に表舞台から消えたようだが…?

また、ユーラシア連邦領内にある軍事企業としてはデストロイや連合系大型MAを開発したアドゥカーフ・メカノインダストリー社やハイペリオンを開発したアクタイオン・インダストリー社が存在している。

関連タグ

機動戦士ガンダムSEED FREEDOM

ブラックナイトスコード

ギルバート・デュランダル

ゆかり王国:元首の中の人からこう呼ばれることも。

ネタバレ注意!!

その実態は、かつてギルバート・デュランダルが提唱するもキラやラクス達によって否定され潰えたデスティニープランが施行された国家

ユーラシア連邦との対立を望まない国際社会に独立国として認められていないにもかかわらず、経済・技術など飛躍的に成長している要因はデスティニープランを導入しているからだった。

美しい国だが一画に貧民街が隠されている。劇中で市民が武装警察に逮捕や銃殺されているが、これは小説版でコンパス到着時刻を狙って「デスティニープラン反対」のデモ活動を行なおうとしていたからだと言及された。

その歪さは軍事方面にも見受けられ、ファウンデーション王国が開発した最新鋭MSは、親衛隊ブラックナイトスコード専用機(つまりアコード専用機)のみで、通常の軍隊には旧式を改修したジン-Fやディン-Fが配備されている。

その親衛隊麾下のMSに至っては無人機のみで、ブラックナイトスコードに不足している「火力」を補うためだけに配備されている状態。

「軍隊」と称しながら、その本質は極少数のエースによる一騎当千の活躍のみに特化しており、通常の軍隊は親衛隊が現場に駆けつけるまでの時間稼ぎや親衛隊の手を借りるまでもない治安維持程度が出来れば良い、という考えなのだろう。

劇中ではブルーコスモスの指導者、ミケール捕縛作戦中にアウラ女王と女王親衛隊の暗躍によってキラがユーラシア連邦領への侵犯を起こしてしまい、混乱の中ファウンデーションへの威嚇に配備されていた戦術核ミサイル3発が発射。1発は撃墜されるも、もう1発が首都イシュタリアを壊滅させ、遅れて発射された3発目は戦場の只中で起爆。ブルーコスモス残党は拠点ごと消滅し、巻き込まれたコンパスは投入戦力の殆どを失う甚大な被害を受けた。

……が、実際はこの核ミサイル発射自体アウラたちの策略、要は自作自演であり、アウラと女王親衛隊は王国から脱出し、すでに占拠していた軍事要塞アルテミスへ移動。報復と称して秘密裏に修復し改良まで加えた戦略兵器レクイエムを発射し、ユーラシア連邦の首都モスクワを焼き尽くした。

その後、オルフェが自らをコーディネーターでありその先を行く存在であると告白する(※)と同時に、地球へ自分達アコードによる「デスティニープランを用いた世界統治」を受け入れる事、従わない場合はレクイエムで容赦なく攻撃する事を宣言。またプラント及びコーディネイターに対して蹶起するよう呼びかけ、事前に協力体制を敷いていたプラント強硬派のクーデターを後押しする格好になった。

(※)アコードの記事にもあるように、アコードとコーディネーター(特にスーパーコーディネーター)には色々な相違点があり一概に同種とは言えないのだが、オルフェは演説内で「自分たちはコーディネーターの同胞」であることを強調している。これはプラント強硬派の同志であることを強調しておいた方が今後活動していく上で都合がよかったがゆえの方便と思われる。

しかし、生存していたキラたちの暴露で「ユーラシア連邦の核攻撃はアウラ女王と女王親衛隊が仕掛けたマッチポンプ」と明らかにされてしまい、「大国の核攻撃の仇を討つ新興国家の報復」「どこまでも自分たちを目の仇にするナチュラルへの義憤」と言う大義名分すら失い、目的のためなら自国すら焼いてみせるというコズミック・イラ史上最悪の大虐殺者であることが露呈している。

それでもレクイエムという切り札で打開を図るも、コンパス・オーブ・ザフト穏健派の三者を敵に回したことで、自前の戦力や友軍は次々に瓦解。最終的にアウラやオルフェ、ブラックナイトスコードといったアコードとその関係者全員が戦死。

先述の通り自分たちで国土を完全に破壊した事もあり、生き残りの国民はまだいるものの国家としては完全に崩壊・消滅と相成った。

なお、このマッチポンプの周到さからフリーダム強奪事件もファウンデーション王国によるマッチポンプの可能性も考えられる。ただし、真相は不明である。

余談2

・劇中ではその悪辣極まりない所業故にコンパスのメンバー達から凄まじい怒りを買っており、元々熱くなり易いシンは勿論、基本的に争い事を好まぬキラやアスランも彼らに対しては最初から最後まで一切の迷い無く戦っており、これまでの戦いでは見られなかった挑発行為を明確に行う等、「許せない敵」として認識していた事が解る。そもそも劇中の彼等の存在や行為は端的に言えば

  • 安直なヒューマニズムともっともらしい理屈を前面に出した裏にある、子供染みたエゴの見え隠れ
  • 自らを上位種として誇りつつも、あくまで普通の人間の中の上澄みとして同じ土俵でマウントを取ってこようとする傲慢さ
  • 基本スペックの高さと失敗経験の無さからくる立ち回りの杜撰さと劣等者への思慮の浅さ
  • 個としての優位性をアピールしながらも、結局は安全圏に籠って誰が使っても同じ結果になるようなハードウェアを要とした屈服を強要してくるみっともなさ

と、これまでのナチュラルとコーディネイターとの争いにおける『コーディネイターがナチュラルから憎悪されてきた負の面』の集大成とも言うべき有り様である。過去の大戦と惨劇を自身で直接目にし、悩み、考え、潜り抜けてきたコンパスの面々からしてみれば「お前ら今までなにを見てたんだ」と言いたくもなるところであろう。

また、ファウンデーション側が宇宙拠点として使っていたアルテミス要塞は、DESTINYのその後を描いた(本作より少し前の)話でも、デスティニープランを復活させようとした人物の拠点になっていた。

首謀者のマッチポンプを交えた策略によって主人公達を誘き寄せた上で滅ぶ事を目的に作られたという共通点から某惑星を連想する人もチラホラ。まぁこーんな宮殿もあるしな…