「だが君は、裏切り者のコーディネーターだ」
CV:宝亀克寿
概要
地球連合軍の軍人で、ユーラシア連邦の宇宙要塞アルテミスの司令官。
しかし自身の現在の立場に不満を抱いており、出世の機会を虎視眈々とうかがい続けている。特務部隊Xのメリオル・ピスティスの発言から元々人望はあまりなく、アルテミスの宙域を通る民間船から通行料を巻き上げるという軍人にあるまじき恐喝行為を行っていたらしい。
性格は非情に横暴かつ近眼的で、気に入らない相手には暴力も辞さない。
かつてグリマルディ戦役の際にムウ・ラ・フラガと同じビラード准将の下で戦ったことがあり、ジンを5機落としたムウの事を「エンデュミオンの鷹」として敬意を払っている。
アニメ本編での活躍
ヘリオポリスから脱出したアークエンジェルが補給のために入港した際に、大西洋連邦の秘密兵器であるアークエンジェルの識別コードが地球連合軍に登録されていないことを口実にしてストライクガンダムやキラ・ヤマトも含めて国籍不明艦として拿捕を試みる。その際にもキラを気に入らないとして殴りかかろうとしたり、フレイ・アルスターの余計な一言でキラがコーディネーターであることを知ると「裏切り者」と呼ぶなどして、キラの心にゆさぶりをかけた。ただし、キラを利用してストライクの解析を行わせたり、「地球軍側に付くコーディネイターは貴重」「ユーラシアでも優遇される」と発言するなどブルーコスモスのシンパではない模様。
しかしアルテミスはブリッツガンダムの襲来によって大ダメージを受け、クルーゼ隊の猛攻で陥落。アークエンジェルにも逃げられてしまい、自身のいる宇宙港の管制室に突っ込んで来たメビウスの爆発に巻き込まれる形で退場した。普通に考えれば爆死。更に宇宙港と管制室のガラスをメビウスが突き破っていたため、爆死を逃れても宇宙空間に放り出されている筈なので、視聴者からは生存を絶望視されていたが……。
ASTRAYでの活躍
アニメ本編で死亡したと思われていたが、奇跡的に軽症で済み生存。アルテミス復旧のための護衛としてサーペントテールを雇い入れ、やって来たガンダムアストレイレッドフレームの鹵獲を叢雲劾に命令。
しかし契約外として命令に従わなかった劾にたいしてイライジャ・キールを人質に無理やり戦闘を行わせるが、イライジャに逃走を許し、レッドフレームの捕獲は失敗した。
ASTRAY Bでの活躍
要塞の防衛戦力であるサーペントテールを失ったアルテミスは宇宙海賊により再び陥落し、地球連合軍に雇い直されたサーペントテールによって救出された。
X ASTRAYでの活躍
大西洋連邦のストライクを身近で見た彼を適任と判断した上層部の意向で、MS開発の実験部隊である「特務部隊X」が創設され、指揮官に就任。ユーラシア連邦初のMS「ハイペリオン」の試作機3機と同機を操縦するためのパイロットとしてカナード・パルスが預けられた。配備されたハイペリオンのテストを行いながら、スーパーコーディネーターの成功例であるキラ捜索をカナードに命令するが、ドレッドノートとNジャマーキャンセラーの存在を知ると一転して鹵獲を命令し、リ・ホームを占拠。
パイロットのプレア・レヴェリーが機体ごと投降してきたことで、ザフトの最重要機密であるNジャマーキャンセラーを手に入れた事を意気揚々と報告をするが、勝ち馬に乗らんとするユーラシア司令部から、『大西洋連邦が既にNジャマーキャンセラーを手に入れて核ミサイルの配備が進んでいる』ことや、『彼らとの同盟強化とそれに伴うダガーシリーズの配備決定によって自軍のMS開発計画は凍結された』ことが通達され、部隊も解散させられてしまい当初の目的も忘れていたことで「誰がそのようなモノを手に入れろと命令したかね?」、「君は“すべて”に遅過ぎたのだよ、ガルシアくん」と突き放される。
追い詰められたことでカナードを「成果を上げられなかったこと」を理由に(もっとも、司令部からの解散通達に対する腹立ち紛れという理由もあったが)拘束を試みるが、それに反発した特務部隊Xがユーラシア連邦より脱走し、ニュートロンジャマーキャンセラーを入手するために大西洋連邦の基地に対して襲撃を行った。(離反するときにバルサム・アーレンドのハイペリオン2号機を差し向けているが、敢えなく撃墜されている。)
ASTRAY(文庫版)での活躍
襲撃の件での責任を追及された為、自身の保身の為に特務部隊X脱走の罪を劾に擦りつけようとして、ハイペリオン3号機と戦闘を行わせるが、劾は以前カナードが乗った1号機と交戦したことがあり、対抗策を既に用意していたため失敗した。
これが最後の出番となり、以降の彼がどうなったかは語られておらず不明。その後は修復したハイペリオン3号機が強奪されたり、プロジェクトの凍結が解除されたハイペリオンシリーズの開発に彼の姿が無い事から、おそらく失脚したものと思われる。
余談
キラの出生の秘密を知る事になるなど、何気に不吉な事態を起こしたとしても不思議では無い立場になっていたのだが、続編の「DESTINY」で再登場する事は無かった。