概要
江坂駅(大阪府吹田市)〜箕面萱野駅(大阪府箕面市)間を結んでいる。正式な路線名は江坂駅〜千里中央駅間が「南北線」、千里中央駅〜箕面萱野駅間が「南北線延伸線」である。
ほぼ全線が高架幹線道路「新御堂筋」に沿って造られており、江坂駅にてOsakaMetro(旧・大阪市営地下鉄)御堂筋線と接続し、相互直通運転している。
第三セクター方式で運営されており、全営業区間は8.4kmと短いが準大手私鉄に分類されている。
1970年2月24日、大阪万国博覧会(大阪万博)に合わせて南北線(江坂駅〜桃山台駅〜(分岐点)間、5.8km)・会場線((分岐点)〜千里中央駅(仮駅)〜万国博中央口駅間、3.2km)が開業。御堂筋線をそのまま延長するだけで済まさなかったのは、
- 当時、大阪市営地下鉄を運営していた大阪市交通局が、大阪市外の奥まで入る路線を作って、市民や議会を納得させられるのか。
- 万博が終わってから赤字にならないか。
という事で、交通局も阪急も及び腰だったため、阪急が出資して交通局から乗り入れる形態の新会社+新路線が誕生した。会場線は万博閉幕後の同年9月14日に廃止され、同年12月15日までに撤去工事が完了。予定通りに中国自動車道の用地になった(大阪モノレールが、この路線跡に並行している)。同時に、南北線の(分岐点)〜千里中央駅(本駅)間(0.5km)が開業した。
2024年3月23日には、南北線の延伸区間(南北線延伸線)として千里中央駅〜箕面萱野駅間(2.5km)が開業して現在に至る。
- 会社名の中(北大阪急行)にもあるように、この会社は阪急グループ(阪急阪神東宝グループ)である。なお、開業当時の阪急の正式名称は「京阪神急行電鉄」だった。
- 黒字路線で運賃も日本一安い(初乗りが大人90円)状態が続いていたが、2016年度以降は支出が収入を上回り赤字となる可能性が出たため、初乗り運賃を大人100円に改定(「100円」という金額は若桜鉄道、岡山電気軌道に並ぶ)することにした。
- 各駅に転落防止柵(ホームドア)を新たに設置している。
実情
利用客も多いにもかかわらず、地元でも知名度は低い(とはいっても、料金が地下鉄と別に加算されるので、さすがに利用者が分かっていないような事はない)。運行面でも事実上の御堂筋線の延長として扱われており、現在の8000形が走る前に走っていた2000形は御堂筋線でも走っていた30系のコピー車両だったことから、ことさら北大阪急行を意識されることは少なかった。
日中すべての電車が御堂筋線と乗り入れており、江坂行は早朝深夜を除いて運行はしておらず「地下鉄御堂筋線の終点は?」と問われて中百舌鳥はともかく江坂はなかなか思いつかない。
駅一覧
南北線・南北線延伸線
駅番号 | 駅名 | 読み | 乗り換え路線 | 備考 |
---|---|---|---|---|
M06 | 箕面萱野 | みのおかやの | ||
M07 | 箕面船場阪大前 | みのおせんばはんだいまえ | ||
M08 | 千里中央 | せんりちゅうおう | 大阪モノレール線 | |
M09 | 桃山台 | ももやまだい | ||
M10 | 緑地公園 | りょくちこうえん | ||
M11 | 江坂 | えさか | ||
↓OsakaMetro御堂筋線なかもず駅まで直通運転 |
会場線(廃止)⇔南北線
※1970年当時
駅名 | 読み | 備考 |
---|---|---|
万国博中央口 | ばんこくはくちゅうおうぐち | 廃止された末端区間にあった、大阪万博期間中のみ開設された仮設の臨時駅。跡地は中国自動車道中国吹田IC |
千里中央 | せんりちゅうおう | 仮設駅 |
桃山台 | ももやまだい | |
江坂 | えさか | |
↓当時は大阪市営地下鉄御堂筋線天王寺駅まで直通運転 |
使用車両
自社車両
乗り入れる地下鉄車
車両解説
- 2000形
開業時の車両。当時の大阪市営地下鉄の30系をベースに設計された。8000形導入により引退し、1両が静態保存されている。
他に万博閉幕後に大阪市営地下鉄に譲渡されることを前提に作られた7000形、旧8000形(こちらは完全コピー車両、大阪市30系に編入)がある。
- 8000形
メイン画像の車両、通称「ポールスター」。ローレル賞受賞車両。内装が阪急の車両と酷似している。通路のドアが自動になっている。御堂筋線の女性専用車両はラッピングされているが、こちらの車両はステッカーだけなので乗車時は注意されたい。
後述の9000形の導入で一部廃車も出ている。おなじ阪急グループの地下鉄堺筋線乗り入れ車の阪急3300系はほぼ全車健在、世代的に言えば7300系や8300系に近いのに比べれば雲泥の置き換えペースの速さである。
- 9000形
通称「ポールスターII」。内装は8000形に続き阪急仕様を踏襲したが、車両メーカーは阪急グループでは珍しく近畿車輛。8000形の代替として4編成が製造され、その後箕面萱野延伸に際し3編成が追加増備された。
第3・4編成のみデザインを変更して登場した。
駅メロディー
江坂駅を除き、駅に電車が近づいてくると「フニクリフニクラ」が流れる。「フニクリフニクラ」がイタリアのヴェスヴィオ山の山頂につながる登山鉄道のコマーシャルソングとして作られたことにちなんでいる。
箕面萱野駅では接近予告からしばらくしてスコットランド民謡の「埴生の宿」が流れ、到着電車の行き先案内に続く。また発車放送の前に以下の楽曲が流れる。
- 春:フェリックス・メンデルスゾーン「春の歌」
- 夏:ジョルジュ・ビゼー『アルルの女』より「メヌエット」
- 秋:「枯葉」
- 冬:「たき火」
- 最終電車:「蛍の光」