概要
身体能力・技術ともに新世代超人の中でもトップレベルなことに加え、博識かつ話術も巧みであり、相手のトラウマを突いた心理攻撃を得意とする。
普段は力を抑えているが、額部分にある仮面・狂乱の仮面(マッドネスマスク)を目の位置に降ろすと、残虐性、凶暴性を最大限に引き出す“マッドネス”スカーフェイスに変貌し、数々の残虐殺法を繰り出して闘う。
また、技への研究心が強く、キン肉バスターを新たにアレンジしたアルティメット・スカー・バスターなど強力な技を編み出した。
元はd.M.p(デーモンプラント)に所属する悪行超人『マルス』。どの派閥出身かは不明だが、超人強度とサンシャイン一味との関係性から察するにおそらく旧残虐超人の一派と思われる。
作中では正体が暴かれた後も“スカーフェイス”で通している(仲間達からはよく『スカー』と呼ばれる)。
容姿
ドミノマスク状の仮面と足に3本の爪、背中にはツバメの尾状の翼を持つ「ハンサムボーイ」「イケメン」と形容される風貌の持ち主。
初登場時はボルサリーノ帽を被ったマフィアのような風貌のオーバーボディを着ており、“スカーフェイス”の名前はその顔に大きな傷(SCAR・FACE)があることから由来している。
悪行超人時代
バッファローマン、悪魔将軍といった過去の悪魔超人の強さに憧れ、悪行超人を目指す。
d・M・pでの特訓中では後に盟友となるケビンマスクの命を救っている。
悪魔超人軍首領サンシャイン率いるナイトメアズが新世代正義超人に挑戦し敗れた後、d・M・pにて内乱が発生。爆発した本部から、奇跡的に生き延びる。
H.F一期生・二期生入れ替え戦
d.M.p壊滅後は組織再興のため、オーバーボディで正体を隠して正義超人養成学校H.F(ヘラクレスファクトリー)に潜入し、内部から新世代超人達を始末しようと目論む。
元が悪行超人であったため、正義超人としての心構えなどの授業は全く聞かず居眠りしていたが、格闘の実技の授業では打って変わってクラスメイトを次々と重傷に追いやっていた。
卒業試験ではジェシー・メイビアを破り、卒業。その後、『ジェネレーションEX』として、自堕落な生活を送っていた万太郎達一期生4人との入れ替え戦に出場することになる。
1回戦でテリー・ザ・キッドと対戦。戦いの中、オーバーボディを破壊して真の姿を現す。
キッドの技を次々と破った上、彼の技に改良を加えたアレンジ技を繰り出して徹底的に痛めつける。
さらには「テキサスの暴れ馬」の異名を名乗るキッドに対し、父・テリーマンの活躍と比較して「暴れ馬」の異名を名乗ることを非難するなど、彼のコンプレックスを突く心理攻撃で精神的にも嬲った挙句、戦意喪失したキッドにアルティメット・スカー・バスターで止めを刺して倒す。
準決勝では、同期の桜であるジェイドと対戦。彼の師匠・ブロッケンJr.がトラウマとするコンクリートリングでの対戦をセッティングして、ブロッケンをセコンドとして働けなくする。
ブロッケンが立ち直った後は、ジェイドの育ての親を殺した張本人がブロッケンであると信じ込ませ、信頼関係を分断。
さらには狂乱の仮面により残虐性を開放させ、ジェイドの右腕を切断(アニメではへし折る描写に変更)、キッド同様にアルティメット・スカー・バスターでフィニッシュして撃破する。
決勝戦でキン肉万太郎と対戦。
2度にわたり万太郎のキン肉バスターを破った後、ケビンマスクの口から悪行超人であることが発覚するが、それでもスカーがH.F二期生であることは変わらないとして試合は続行される。
立ち上がってくる万太郎に対し、スカーはd・M・p再興と仲間たちの恨みを晴らすために波状攻撃をしかけ、アルティメット・スカー・バスターで止めを刺そうとする。
しかし、d・M・p時代の特訓中についた古傷が露呈したことで万太郎に新必殺技のヒントを与えてしまう。スカー・バスターを利用して引き千切った鉄柱でスカー・バスターを破られ、最後は万太郎の新技マッスルミレニアムを受けて敗北する。
敗れながらも熱い戦いに満足したスカーは、「もっとお前と闘いたい」と万太郎に言い残して搬送された。
万太郎との決勝戦で本性を表しながらも敗北するが、圧倒的な強さを読者に見せつけ、第1回人気投票では読者から「初代、Ⅱ世両作品合わせて3本の指に入る強さ」と非常に高く評価されることにもなる。
入れ替え戦を観戦していたケビンマスクは彼の正体を知っていたが、かつ訓練の最中にスカーに命を助けられた恩義からスカーの正体を密告することがなかなかできずにいた。
スカーはケビンを助けたのは「恩を売っておけばいつか役に立つと思ったから」と語っているが、正義超人入りしてからの描写から、ケビンとは悪行超人時代から、信頼関係があったことがうかがえる。また、万太郎と対戦した際には「万太郎、お前には、d.M.pの仲間たちの怨念を受けてもらう」と発言していたことから、d.M.pには愛着を抱いていた様子。
原作でのみ、キッドとの試合直前、マフィア姿の2人組に爪を磨かせている描写が存在する。
正義超人転向後
万太郎との試合で今までの血みどろの戦いでは味わえなかった満足感を感じ悪魔の種子編では、アイドル超人軍を率いて疲労に倒れた万太郎の救援に現れ、ハンゾウやイリューヒンら元残虐超人たちと共に結界を突破。
同じく結界をすり抜けた、悪行超人時代からの仲であるケビンと共にタッグチーム・B(ブラッド)-エボリューションズを結成し巌流島で再生アシュラマンとボルトマンのザ・デモリッションズと戦った。
結果としては敗北し、ボルトマンに殺されてしまったが、このときの正義超人としてのスカーの姿は非常にかっこいい。
その後、リボーンダイアモンドにより復活し、究極の超人タッグ編で時間超人と闘った。この時ジェイドと「スーパートリニティーズ」というタッグを組んでいる。ちなみにチーム名は「技・力・顔の三位一体」が由来……おい。
(しかし、下記の各々の失態を鑑みればあながち間違ってもいない)
しかし自分で食しさえすれば宇宙最強の超人となることができるコンプリート球根(バルブ)の存在を知り、その魅力に取りつかれていく。
トーナメントではヘル・イクスパンションズと対戦するが、セイウチンとの戦闘中に悪行超人としてコンプリート球根の力を求めていることを暴露。さらにブロッケンJrが右腕を失ったことによるタイムパラドックスでベルリンの赤い雨を失ったジェイドを見捨て、一人で戦うことを宣言。悪行超人の先輩として残虐ファイトでセイウチンを圧倒するも、それもネプチューンマンのセイウチンの獣性を解放するという目論見通りでしかなかった。
獣性を解放したセイウチンとネプチューンマンに圧倒され窮地に陥るが、助けに入ったジェイドと再びタッグを結成。一時はヘル・イクスパンションズを圧倒するも、ジェイドがセイウチンに正義超人時代の優しい面影を見て隙を見せてしまったために形勢が逆転。
『もう二度とジェイド・・・てめえのことは・・・し・・・知ら・・・ねえ!』と罵るも、ジェイドがクロスボンバーを受けそうになった瞬間に突入し身代わりとなった。
「お前のせいでこうなった。もうお前とは組まない」と言い放つも、その言葉に意気消沈したジェイドを見て
『ウソだよ・・・つ、次またタッグトーナメントがあった時は絶対に組もう。こ・・・今度は真の正義超人同士として』
と言い遺し倒れた。
その後は暫く入院していたが、後にカオスの遺したピラリアの花粉によって復活。
万太郎のスパーリング役を務めた。
能力・技
髪の毛のような部分「スワローテイル」は強力な刃であり、蛸足のようにうねり相手を突き刺す。
この特性から「学研の図鑑 超人」では鳥型超人に分類されていた。
何tもあるコンクリート塊をゴムボールのように蹴飛ばすほどの類稀なる筋力に加え、戦闘センスは抜群で、テリー・ザ・キッドの得意技、スピニング・トゥ・ホールドを「スピニング・ダブル・トゥ・ホールド」に、カーフ・ブランディングを「バッファロー・ブランディング」にアレンジして叩き返し、彼のプライドをボロボロにした。
さらには万太郎のキン肉バスターを「アルティメット・スカー・バスター」に昇華してみせたが、これが新技「マッスルミレニアム」の開発を促すことになり、最初の犠牲者となった。
加えて蒼白き脳細胞と称されるほど冷酷無残な知能を有し、ジェイドとの戦いでは「ブロッケンJrが養親を殺した悪人たちの親玉ではないか」と嘯いて混乱させるなど、非常に頭の回転が速い。
(そんな嘘を信じるジェイドもジェイドだが・・・)
高い実力を持っているのは確かなのだが、主人公の万太郎に敗れて正義超人に仲間入りしてからは一度も勝利していない。但し、戦う相手がアシュラマン(実質上のキン肉マンⅡ世シリーズのラスボス)やネプチューンマンといった前時代の超人の中でも指折りの実力者ばかりなので仕方ない面もある。