概要
研究費を打ち切られた博士たちが、お化けを科学的に退治する "ゴーストバスターズ" を開業するSFアクションコメディ。
1984年に公開された1作目がヒットし続編も作られた。コンピューターゲームにもなったが、プレイステーション用の1作目のクソゲーぶりが語り草。ちなみに、日本ではオリジナル版のプレイステーション版は未発売だったが、Nintendo Switch版のリマスター(Remastered版)にて日本でも発売され日本語(文章の)に対応して帰ってきている。
最初は3人だったゴーストバスターズだが、後にメンバーが追加されて4人になった。その後、2作目まで製作されたが、何度も企画倒れしつつも継続していた『3』の企画進行中の2014年に、主要キャストの一人であるハロルド・ライミス氏が亡くなったことで一時頓挫。
その後、2016年8月に監督と登場人物を一新したリブート作品が放映。
こちらはメンバー全員がリケジョな事で話題を集めたが、興行収入的には結局失敗に終わってしまっている。しかしながら、オリジナルキャストメンバーがカメオ出演している。
2020年に『1』と『2』の正当続編となる「ゴーストバスターズ/アフターライフ」が公開予定だったが、新型コロナウイルスの影響により複数回に渡って延期され、日本では2022年2月に公開された。
シリーズ一覧
- 『ゴーストバスターズ』1984年
- 『ゴーストバスターズ2』1989年
- 『ゴーストバスターズ』2016年(リブート作品)
- 『ゴーストバスターズ/アフターライフ』2021年
- 『ゴーストバスターズ/フローズン・サマー』2024年
あらすじ(第1作およびリブート版)
ニューヨーク・コロンビア大学で超常現象の研究をしていた三人の博士がいた。ある日世紀の大発見をした彼らだったが、同じ日に大学側から研究結果がさえない事を理由に「研究費の無駄」と断じられ、研究室を閉鎖されてしまい、そのまま大学をクビになってしまう。
しかし3人は「新ビジネスを開拓するビッグチャンス」と考え、学会を驚かせる発表をすることや新たな防衛科学の披露などを目的に、自分たちの研究の成果を利用したマシンを使ってゴースト退治を行う「ゴースト・バスターズ」を、莫大な借金を重ねて開業する。
最初はパッとしなかったが、大都市ニューヨークに渦巻く様々なお騒がせゴーストを捕獲器で捕まえて退治して評判が高まり、ニューヨークの人気者になっていく。世界を滅ぼそうとする魔王や現世への復活を試みる魔術師など、様々な巨悪を相手に、今日もゴースト・バスターズは捕獲装置とユーモアな発想を武器に立ち向かうのだ。
キャスト
ゴーストバスターズ&ゴーストバスターズ2
ゴーストバスターズのメンバー
- ピーター・ヴェンクマン博士:ビル・マーレイ/日本語吹替:安原義人
心理学と超心理学の博士号を持つ。女好きでお調子者な性格。セクハラ発言や依怙贔屓など人格に問題はあるが、一応リーダーとしての立ち位置を確保している。
性格や言動に関しては、はっきり言って、1980年代は多少悪質なギャグで済んでいたが、今日的な観点からすると、かなりのクソ野郎なので、現実世界でパワハラ・セクハラなどを受けた経験がある人が、本シリーズの中でも1980年代に作られた作品を鑑賞する際は要注意である。
(なお、本シリーズとこの主人公に関しては、よりにもよって、セクハラ男を主人公にした映画2作の製作と「セクハラは人権侵害である」という観念が一般社会に広まっていったのが、偶然にも、ほぼ同じ時期に起きてしまった、という不幸な事情も有る。要は2作目の頃には「ほんの少し前なら許されたが、今ではドン引き」のキャラと化してしまったのだ)
- レイモンド・スタンツ博士:ダン・エイクロイド/日本語吹替:玄田哲章
通称・レイ。超常現象オタクで、幽霊を科学的側面から研究している。ゴーストバスターズの開業資金として実家を担保に入れた。「1」終盤では子供の頃大好きだったマシュマロのせいで大変な事になり、「2」終盤では黒幕に肉体を乗っ取られるなど不幸体質。
- ウィンストン・ゼドモア:アーニー・ハドソン/日本語吹替:菅原正志→大塚明夫(2のみ)
人出不足で新たに迎えられた4人目。メンバー唯一のアフリカ系。幽霊退治よりも高い給料にひかれて募集に乗ってきたが、ガタイに似合わず4人の中では一番のビビリ。初代のラストでは美味しいシーンを持っていった。
給料さえ貰えれば幽霊でも心霊現象でもなんでも信じるタイプ。
- イゴン・スペングラー博士:ハロルド・ライミス/日本語吹替:牛山茂→納谷六朗(2のみ)
丸眼鏡がトレードマークの、メカニック開発を担当。ゴースト捕獲器を始めとしたマシンの数々を発明した。3人の中では堅物で真面目な性格。アフターライフでは亡くなっている。
- ジャニーン・メルニッツ:アニー・ポッツ/日本語吹替:安達忍
ゴーストバスターズの受付担当。2では眼鏡っ娘に。
一般人
- ディナ・バレット:シガニー・ウィーバー/日本語吹替:駒塚由衣
初代と2のヒロインで、チェロ奏者。住んでいたアパートで怪奇現象が起きたことをきっかけに、ゴーストに憑依されたり、2では息子が攫われたりと災難が降りかかる。
アフターライフではエンドロールを見ていると・・・?
ディナのアパートの隣人。ディナに好意を持っているが、本人にはスルーされている。
ディナと話す→自室に戻る→オートロックで締め出されるの流れが印象的。
中盤では鍵の神に取り憑かれてしまう。
2ではゴーストバスターズの弁護士兼会計士を務める。
- ウォルター・ペック:ウィリアム・アザートン/日本語吹替:森田順平
連邦環境保護局ニューヨーク第3支局部長。プライドが高く、ゴーストバスターズに目をつけて、環境破壊を名目にゴースト保管庫の電源を切る。このことからピーターから「タマナシ君」と呼ばれることになる。
ちなみにプロトンパックは無許可の超小型原発なので、環境破壊についてはあながち間違った指摘ではない。
フローズン・サマーではなんと市長に。
ゴーストバスターズ/アフターライフ&ゴーストバスターズ/フローズン・サマー
- フィービー・スペングラー:マッケナ・グレイス/日本語吹替:上白石萌歌
本作の主人公。ゴーストバスターズの創設者であるイゴン・スペングラーの孫。祖父と同様に科学知識に富み、機械の扱いが得意で、イゴンの助けがあったとはいえ、分解されたプロトンパックを一目見ただけで、状態や必要な部品、構造を見抜いている。なお、感情表現は苦手で、ポッドキャストに出会うまで友達がおらず、また本人も必要としていなかった。
- トレバー・スペングラー:フィン・ウルフハード/日本語吹替:梶裕貴
フィービーの兄。三枚目でそそっかしい性格だが、妹同様にメカニックの資質がありゴーストバスターズのECTO-1を修理し、運転技術も高い(ただし、フィービー曰く「路上テストを3回落第した」とのこと)。演者のフィン・ウルフハードは、これまで「2017年及び2019年版IT/イット」のリッチー・トージア役や、「ストレンジャー・シングス」のマイク・ウィーラー役などで知られているが、特にストレンジャー・シングスのシーズン2にて、ゴーストバスターズのコスプレを披露しており、別作品にてバスターズのコスプレをした俳優が、実際にゴーストバスターズになったとして話題になった。
フィービーの引越し先の学校のクラスメイトで、動画の生配信を趣味にしている(本人曰く、「46回目からがおススメ」)。生粋のポッドキャスターを自負しており、名前もそこから来ている(その為、本名は不明)。オカルト好きでサマーヴィルに関する昔の伝承に詳しく、同時に科学にも秀でており彼女と意気投合するようになる。
- キャリー・スペングラー:キャリー・クーン/日本語吹替:朴璐美
フィービーとトレヴァーの母で、スペングラー博士の娘。最初は家族を捨てたと思っていた父を嫌っていたが、引越し先の父の家で研究施設を見つけて真相を知る。吹替を担当した朴路美氏は、リメイクである2016年版でもスペングラー博士にあたるジリアン・ホルツマン役の吹替も担当した。
- ゲイリー・グルーバーソン:ポール・ラッド/日本語吹替:木内秀信
フィービーの引越し先の学校の先生。地震学者で、科学談義でフィービーと親しくなり、彼女が見つけたゴーストバスターズの発明機器にも興味津々になる。
トレヴァーのバイト仲間でレストランのウエイトレスをしている。父親は警察官で、フィービーたちのゴースト追跡事件を機に騒動に巻き込まれる。
リブート版
- エリン・ギルバート(素粒子物理学博士):クリステン・ウィグ/日本語吹替:友近
コロンビア大学に勤務していたが、過去にアビーと共著した本という黒歴史がバレて職を失う。成り行きでアビーの幽霊屋敷の調査に同行してからは幽霊の存在に興味を持って「超常現象究明研究所」を設立し、幽霊退治に乗り出す。一応常識人枠。
- アビー・イェーツ(心霊研究家):メリッサ・マッカーシー/日本語吹替:渡辺直美
ヒギンズ理科大学心霊現象研究室所属。ジリアンとは同僚。「過去からの幽霊」理論の証明に挑んでいる。資金調達の為に高校時代のエリンとの共著をAmazonで販売したせいでエリンは失職、自身も予算不足でクビを宣告されてしまう。その後は持論を証明する為にニューヨークでの幽霊退治に乗り出す。
- ジリアン・ホルツマン(原子力エンジニア):ケイト・マッキノン/日本語吹替:朴璐美
装備開発を担当。天才を通り越してキ印に近いナチュラルハイの危ない性格。幽霊の大群を相手にプロトンガンのアキンボスタイルで退治していく場面は見所。吹替を担当した朴路美氏はその後、「アフターライフ」にてイゴン・スペングラーの娘で、ファービーとトレヴァーの母親であるキャリー・スペングラーの吹替を担当した。
- パティ・トーラン(地下鉄職員):レスリー・ジョーンズ/日本語吹替:くじら
地下鉄構内で幽霊を発見し、ゴーストバスターズの調査に同行。その後押しかけでメンバーに加わる。科学知識の代わりにニューヨークの地理および歴史に詳しいのが強みで、腕っぷしも強い。
ケヴィン・ベックマン(事務員):クリス・ヘムズワース/日本語吹替:森川智之
メガネをかけたマッチョなイケメンだが、何をやらせても残念な結果に終わってしまう、マイペースかつおとぼけな性格の人物。
ゴースト
ゴーストバスターズ
- ライブラリー・ゴースト/エレノア・トウィッティ
ニューヨーク市立図書館に出没したゴースト。
本編に初めて登場したゴーストであり、主人公一行が初めて遭遇するゴーストでもある。
普段は大人しく本を読んでいるが、騒ぐと恐ろしい姿になって威嚇する。
出現した際には、本が高く積み上がり、紙が引き出しから吹き出すといった超自然現象が起こる。
ゴーストバスターズ/フローズン・サマーにも登場。
- テラードッグ
メソポタミアやヒッタイトで信仰されていた、破壊神ゴーザを守る2体の神格存在。
ズール(♀)とビンツ・クロルト(♂)の2体がいて、この2体が揃わないとゴーザは現世に復活できない。
- 「門の神」ズール
テラードッグの片割れで、角が短く下にねじれている。
当初はヒロインのディナ・バレットのアパートの冷蔵庫を通じて、登場。
このことでディナはゴーストバスターズに相談し、ストーリーが動き出していく。
その後ディナに憑依し、「鍵の神」ビンツ・クロルトと合流。ゴーザが復活してしまう。
ゴーストバスターズ/アフターライフにも登場し、冒頭にてビンツを捕獲したイゴン・スペングラーの命を奪う。(このときの描写は初代のディナに憑依したときに酷似している)
今回はイゴンの娘キャリー・スペングラーに憑依するようである。
- 「鍵の神」ビンツ・クロルト
ズールと同じくテラードッグの片割れ。角が長い方。
ディナの隣人ルイス・タリーに憑依するが、警察に保護されゴーストバスターズ本部に引き渡される。その後はゴースト保管庫の破壊時の混乱に乗じてズールと合流。その後の流れは上と同じく。
アフターライフでは開始直後にイゴンに捕獲されるが、中盤にて脱走。キャリーに憑依したズールと合流する。
歴史は繰り返すとはよく言ったものである。
- スライマー/アグリーリトルスパッド
詳しくは該当記事を参照。
- ドリーム・ゴースト
ゴーストバスターズ本部の寝室に出現し、レイのチャックを下ろした。
当初はデトメリング城塞に出没するゴーストという設定だったが没になった。
- サブウェイ・ゴースト
ゴーストバスターズの活躍により捕獲されたゴーストの一体。
保管庫に閉じ込められていたが、破壊時に脱走。突風とともにブロードウェイ地下鉄駅から飛び出し、大混乱を巻き起こした。
- 53番署のゴースト
警察本部長が言及するのみで、劇中未登場。壁から血が流れ出したらしい。
- タクシー・ゴースト
サブウェイ・ゴーストと同じく保管庫破壊時に脱走したゴースト。
ゾンビのような姿をしたゴーストで、タクシーに排気管から入り込み暴走運転した。
客は待つが、乗った客にとってはたまったもんじゃないだろう。
ヒッタイトで信仰されていた破壊神。ゴーゼリアの王、破壊の神、時を旅する者とも。
巨大な心霊エネルギーを有していて、イゴン曰く「普通の菓子パイをNYの心霊エネルギーの通常量とすると長さ10m 272kgの菓子パイがやって来る」とのこと。
手から紫色の光線を放つ他、破壊者の形を滅ぼされる当人に選ばせる。
1984時はレイによって大変なことになってしまった。
アフターライフでは再び現世に復活しようとするが・・・?
ステイパフ社のマスコットにゴーザが変身した姿。身長30m
詳細は該当記事を参照。
あれこれ
第1・2作
監督・製作:アイヴァン・ライトマン
脚本:ダン・エイクロイド/ハロルド・ライミス
製作総指揮:バーニー・ブリルスタイン
日本語字幕:戸田奈津子
配給:コロンビア映画/トライスター(『2』)
アフターライフ
監督:ジェイソン・ライトマン
脚本:ジェイソン・ライトマン、ギル・キーナン
リブート版
監督:ポール・フェイグ
製作:アイヴァン・ライトマン
脚本:ポール・フェイグ、ケイティ・ディポルド
裏話
本来の出演陣にはジョン・ベルーシ、エディ・マーフィ、ダン・エイクロイドの3人でやる予定だった。
ダンはジョンとは「ブルース・ブラザース」でエディとは「大逆転」で共演だったため、それの起用だった。
しかし、ダンが本作の脚本執筆中にジョンが急死。エディも出演するギャラが足りなかったことと同時期に「ビバリーヒルズ・コップ」の撮影に忙しかったため、この起用は幻になった。
関連タグ
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妖怪ウォッチバスターズ:本作のパロディがあちこちにちりばめられているゲーム。
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