概要
新興国家ファウンデーション王国、その親衛隊名と同じ名を賜りし専用MS。ザフトの技術を取り入れつつもファウンデーションが独自に開発した。
象徴的機体である「カルラ」、指揮官機と思しき「シヴァ」、汎用機と思しき「ルドラ」という3つのタイプに分けられており、後者2タイプの漆黒の姿は烏天狗、鎧武者を彷彿とさせる。一方、カルラは象徴のためか白色のカラーリングと騎士然としたデザインとなっている。
頭部の目元口元が黒く顔の形状がうかがえないが、カメラアイの部分はスリット状のモノアイとなっている。
また、基本スペックは共通点されており、武装面によって総合的な性能の差別化を図っている。
共通の装備としては、以下の装備が確認できる。
- 新世代の装甲「フェムテク装甲(FT装甲)」を採用している。これによりモビルスーツに搭載可能な程度の威力のビーム射撃は無効化され、また実弾に対してもフェイズシフト装甲に及ばないものの高い耐久性を持つ。
- コクピットには次世代MSの特徴である全天周囲モニターが採用されている。
- カルラを除き、背部にビームマントが搭載され、このマントはビームシールドの代わりの防御手段としても、ビームサーベルのような攻撃手段としても使用できるため、攻防に隙が無い。
- 左腕に大型の実体シールドも装備しており、防御手段がビームマントに依存しない構成となっている。シヴァのシールドには更にビームシールド発生器も搭載されている。
- カルラはビームマントの代わりにZGMF-X20A ストライクフリーダムの機動兵装ウィングのようなウィングユニットを搭載しており、8基のドラグーンと光の翼を扱うことができる。また、実体シールドではなくビームシールドを両腕に搭載している。
- この光の翼は「擬似反重力機関レヴィテーター」と呼ばれる機能で、電場を形成し続ける事で、地表~機体下面までを支える浮遊足場を作り上げ、そこに『乗る』事で浮遊状態を維持することが出来る。推進力であるヴォワチュール・リュミエールとはまったく異なる技術である。また、カルラのレヴィテーターの説明には「翼やマントの形態」とあり、これによってシヴァやルドラも推進器なしで浮遊していた、と言うことになる。
- ZGMF-X42S デスティニーのように残像を生み出す高機動戦闘が可能であり、おそらくミラージュコロイド技術が使われている。
- ロック時には頭部からレーザーサイトが敵機に向けて照射され、随伴機のミサイル誘導が可能である。
開発・製造元であるファウンデーション王国の技術力は極めて高く、世界平和監視機構コンパスが有するハイエンドMSのライジングフリーダム・イモータルジャスティスを、パイロットたちの能力の高さに加えて精神操作や不意打ちといった手段を駆使したとはいえ無傷にて撃破するほどの戦闘力を持つ。
全機が何らかの実体剣を装備しており、大概のMS・MA用防御兵装を突破することができる(作中ではライジングフリーダムやゲルググメナースのシールドを容易く両断している)。一方、射撃兵装についてはカルラを除いて高出力とはいえビームライフルしか装備していない(シヴァに至っては装備すらしていない)ため、本体の総火力は他国の一般量産機と大差ない。その点を最大艦隊クラスの無人機(ジン-Rやディン-R)を遠隔操作によりミサイルキャリアとして随伴させて補っている。
該当機
※:正式名称のブラックナイトスコードは省略。
- NOG-M1A1 シヴァ
- NOG-M2D1/E カルラ
- NOG-M4F1 ルドラ(ガーネット)
- NOG-M4F2 ルドラ(エメラルド)
- NOG-M4F3 ルドラ(スピネル)
- NOG-M4F4 ルドラ(サファイア)
立体物
1/144 HGCEでシヴァとルドラ(エメラルド)が発売。
特徴的なマントや各種武器が付属しており、劇中のシーンを再現可能となっている。
また、プレミアムバンダイ限定でガーネット、スピネル、サファイアの3体セットが発売。
2024年10月にHGCEでカルラが発売予定。
両翼は専用パーツを用いることで展開状態を再現でき、光の翼のエフェクトパーツも付属し、ドラグーンに装着できるビームサーベルが16本付属予定であり、装甲の色分けがパーツ分割で再現されている。
余談
- シヴァはインド神話の破壊神であるシヴァであり、ルドラはその別名である(原典では暴風の神)。
- だがヒンドゥー教では同一視されている。
- カルラのみ、前身こそ同じインド神話における神鳥・ガルダ(ガルーダ)だが、仏教における守護神である「迦楼羅」が由来となっている。
- 綴りは「Karura」「Siva」「Rudra」となるはずだが、「Cal-re.A」「Shi-ve.A」「Rud-ro.A」と綴られている。何か意味がありそうだが…?
- 特に『SEED』シリーズは何らかの意味の単語から、頭文字等を使った名称とする事が多く、アコード(Accord)の専用機と言う意味のAと言う可能性も考えられる。
- 一方で、AというのはZGMF-Xシリーズやその系列機の型式番号で用いられているが、このAは核エンジンを表す「Atomic」を表している。しかし、この法則が当てはまるのはザフト製もしくはターミナル製のMSのみで、地球連合の1つであるユーラシア連邦から独立したファウンデーション王国がこの法則を型式番号に用いるかは不明である。そもそも、核動力機にAを付ける義務は無い。
- 撃墜された際の爆発も通常の機体と大差無い事から、この高い性能をしてバッテリー動力である可能性も十分にあり、全く別の新動力を搭載している可能性もある。
- デュエルの強化装甲ユニット「アサルトシュラウド」の右肩のレールガンも「シヴァ(Siva)」、レーゲンデュエルのレールライフル(前述のレールガンを手持ち型に改装)も「ルドラ(Rudra)」と名付けられている。
- 皮肉なことに、ブラックナイトスコードのフェムテク装甲はこれらの武装を苦手としている。
- 開発されたブラックナイトスコードには、どことなく前大戦で多大な戦果を上げたMSに酷似している。
- その機体特性から対ストライクフリーダムを想定して設計されたのではないかという考察もある。
- 福田監督によれば、ブラックナイトスコードの本来のコンセプトはザフトと組んで火力支援を貰い、本機はその防御力は活かして敵陣深く潜りこみ、その火力を誘導して叩くというものらしい。
- 福田監督曰く真っ赤なビームマントは『ウマ娘プリティーダービー』に登場するトウカイテイオーの勝負服が元ネタとのこと。
ちなみに重田智はこの時ウマ娘を全く知らず、思わず「馬の方ですか?」と逆に聞いたらしい。
- 型式番号順に並べると「NOG-M3」が抜けていることから、カルラとルドラの間にペーパープランに終わった機体が存在する可能性が高い。
関連項目
バクト:同じくビーム兵器を無効化する特殊装甲を有する、別作品のMS。弱点もほぼ同じ。
(旧MH)バッシュ・ザ・ブラックナイト→(現GTM)ダッカス・ザ・ブラックナイト:劇中のとある演出からおそらく元ネタ。
バルゴラ:もう1つの元ネタと思わしき機体。汎用性の高い本体に様々な武装を付けた機体。ただしこちらはその武装を失うと戦闘力がガタ落ちする為、素体と言えるルドラはこの機体の改良版と言える。
クロスボーン・バンガード…既存のガンダムシリーズMSの相手として、全く由来の異なるデザインのMSを当てるという演出目的が共通。