概要
『全領域異常解決室』は2024年10月9日からフジテレビ系『水10』枠にて放送される連続テレビドラマ。主演は藤原竜也。
脚本はドラマ『TOKYOMER』、『マイファミリー』、『グレイトギフト』等を手がけた黒岩勉。
登場人物
全領域異常解決室
飛鳥時代に設立された日本最古の超常現象専門の捜査機関。陰陽師も一説にはゼンケツの管轄だったとされている。
本来の任務は「現実世界に転生している八百万の神の守護」。現在は、敵対する「ヒルコ」から神様を守るため全面戦争に向けた準備を進めている。
- 興玉雅
演-藤原竜也
世界最古と呼ばれる捜査機関『全領域異常解決室』(通称「ゼンケツ」)の室長代理。
室長代理を務めているだけあってその知識量は膨大であり、様々な証拠から妖怪やUMAなどの怪異の存在を導き出そうとする。
前歴は一切不明だが、一応武術は身につけているようで犯人の制圧は余裕でできる。
超常現象に関して勉強不足の小夢に対して時々辛辣な言葉をぶつけることもあるが、基本的には信頼している。
超次元的な能力を持っており、未琴・未智親子の誘拐事件の容疑者3人の記憶操作(後に「事戸渡し」と判明。)を芹田、豊玉とともに行っていた。
しかも、小夢に対して「僕も神です。」と言っており、自身が興玉神(太田神)の転生体であることを明かした。同時に自身の能力が人の善悪を判断できる能力であることを明かした。
前世(平安時代)では豊玉に好意を寄せており告白したが思いっきりフラれていたことが判明。
前任者である雨野が「事戸渡し」により記憶と能力が失われたことで彼女に代わってゼンケツを守り、掟に反してまで仲間たちと共に彼女を守る決意を固めた。
後に彼が天岩戸別神の転生体であることが明かされた。「興玉神」はあくまで偽名であり、全てを隠すために彼のふりをしていた。
その後、宇喜之を一時的に乗っ取ったヒルコの襲撃を受け、天之加久矢で致命傷を負う。しかし、須佐之男の転生体である速雄の平穏治癒の力で一命を取り留めた。
しかし、再び自身を狙ってくる可能性を考えて自決覚悟で再び相対し決着をつける覚悟を決めた。
しかし、寿は人海戦術で自身と豊玉、芹田を制圧し3人をスタンガンで気絶させて連行した。
- 雨野小夢
演-広瀬アリス
全領域異常解決室へ出向を命じられた警察官。興玉雅のバディ。警視庁音楽隊カラーガード(通称「MECメック」)出身で踊ることが大好き。
捜査経験は皆無だが、宇喜之曰く「ゼンケツのメンバーにふさわしい素質を持っている」とのことで、それが配属の理由らしい。
但し、本人は怪異を「オカルトの類い」と認識しており存在を信じていない。
しかし、後に「ヒルコ」が見えるようになるなどその素質を開花させていく。
一応、警察側の人間なので専従班のメンバーに情報を共有しているが、仕事の邪魔をされたくない雅からは「チクってる」と揶揄されて呆れられている。
後に彼女もまた天宇受賣命の転生体であることが明かされた。素質そのものは元から宿っていたことになる。
なお、天宇受賣命と猿田毘古神は夫婦だったため芹田とは前世が夫婦という奇妙な繋がりを持ってしまっている。
後に彼女が嘗ての「ゼンケツ」室長だったことが判明した。(元々ゼンケツ室長は天宇受賣命の転生者が務めることが暗黙のルール)MEC所属も表向きの役職で神本来の役割を全うするためのもの。記憶喪失以前は興玉に対して終始タメ口で接しており、豊玉とは前世からの友人。また、神々を呼び出すための「呼び出しの鈴」を持っている。
「ヒルコ事件」捜査中に刀田から「芹田さんが狙われている」と連絡があったことで彼の元へ向かおうとしたものの、何らかの理由で瀕死の重傷を負う。
傷口自体は佃の能力のおかげで何とか修復されたものの、既に「事戸渡し」をされていたため、記憶と能力は失われてしまい、ただの人間として生きていくしかなくなった。ただ、上述のように記憶が戻っていたことから何らかの兆しがある。
しかし、覚醒する前に二宮として潜伏していたヒルコから呪符を貼られ掌握されてしまう。
- 宇喜之民生
演-小日向文世
局長。穏やかで優しい口調をしているが、「ゼンケツがヒルコと結託して怪異を引き起こしている。」という疑惑が出た際には怪訝そうな顔をしており、更にヒルコを名乗る人物が「神になりませんか?」と勧誘するメールをタイムホールの研究者・常見に対して送っていたことを知り、「ふざけやがって…!」と怒りを顕にするなどゼンケツの障害となるものに対して感情を剥き出しにしている。
基本的に捜査は雅と小夢に任せている。
後に彼が宇迦乃御魂大神の転生体であることが雅の口から語られた。
詳しい能力は不明だが、前世が農耕の神であるためそれ関連の能力と思われる。そんなこともあってか料理は得意らしい。
佃の死後、一人ヒルコ/寿と接触。彼から「あなたなら簡単に神隠しできそうですね…。」という前置きとともに興玉の殺害を依頼される。
その直後、ヒルコから乗っ取られ寿に代わる新たな依代として一時的に利用された。
その後、憑依は解除されたものの、自分の身体が興玉を傷つけたことに動揺し後悔していた。
警視庁捜査一課 ヒルコ専従班
被害者の身体が消え、衣服と持ち物、血だけが残される神隠し「ヒルコ事件」を捜査する。
- 荒波健吾
警部で、班長。ゼンケツとの捜査協力を「上の命令だから」と呑んでいるものの、本心では邪険に扱っている。
小中学校時代の同級生である大月がヒルコ事件の犠牲者らしく、並々ならぬ因縁を持つ。
幼少の頃から洞察力が鋭く、古戸沼の擬態能力を見破り本物ではないと判断したため、興玉は即座に彼を協力者として味方につける作戦へと変更。
本人は当初協力することに渋っていたが、大月から「彼は頼りになれる」という伝言を興玉経由で伝えられたことで心境が揺らぐ。
神の存在も知らされたが、本人は「変人扱いされる」として他言無用をすんなり承諾している。
- 二宮のの子
演-成海璃子
警部補。荒波と同様にゼンケツとの捜査協力には懐疑的。
佃を確保し連行する際に彼女の能力で極度の脱水症状に陥り病院へ搬送され入院することになる。
謝罪してばかりだった小夢に対して辛辣な態度を取るが、徐々に記憶を取り戻し嘗ての性格に戻りつつある彼女には好意的。
しかし、その正体はヒルコだった。
- 北野天馬
演-小宮璃央
巡査部長。荒波・二宮の部下。ゼンケツの存在を噂程度には知っていたようで上司2人とは違い興味津々だった。
その他
- 芹田正彦
演-迫田孝也
デリバリースタッフ。ゼンケツの依頼であればなんでも運ぶ。何なら助っ人として助けに来てくれる。
ゼンケツへの行き道が分からない小夢を見つけ、道案内をした。雅を個人的に尊敬している。
彼もまた豊玉と同じく超次元的な能力を持っており、豊玉、雅とともに未琴・未智親子の誘拐事件の容疑者3人の記憶操作(後に「事戸渡し」と判明。)を行った。
後に彼が猿田毘古神の転生体であることが雅の口から語られた。
神話の伝承からなのか、空間把握能力を持っており色んなところに出没できるのも彼の能力によるもの。普段はデリバリーの仕事をしながら周囲を監視している。
雅とは前世である神の頃からの付き合いのためその頃から敬意を持って接していた。
後に小夢が天宇受賣命の転生体だったことが発覚したため、前世では夫婦という奇妙な繋がりを持ってしまうことになった。その後の人生も天宇受賣命に猛アタックしていたらしく結局夫婦として結ばれる運命にあるが、当の天宇受賣命は鬱陶しがっている。
その後、寿と相対した際にピンチの興玉と豊玉の救援に向かうが非力故にすぐ制圧されあえなくスタンガンで気絶させられた。
- 直毘吉道
演-柿澤勇人
内閣官房国家安全担当審議官。ゼンケツへ捜査を依頼する官僚。つい先日担当に任命されたばかりのため、勝手が分からず四苦八苦するものの、ゼンケツには強い信頼感を寄せている。
ゼンケツメンバー全員が八百万の神の転生体の中、唯一の人間である。
荒波からゼンケツの全容を教えるよう言われたが、「守秘義務がある」という理由で拒否していたが、「このままゼンケツを信じていいのか」と問われたことで迷いが生じ「少し時間をください」と返して去った。
その後、寿…もといヒルコに接触したことで知らず知らずのうちにゼンケツを裏切る形となり、荒波達へ情報を提供した。
その後、ゼンケツのメンバーから尋問されたもののヒルコへの恐怖心故にヒルコに関する情報提供を拒否した。
- 豊玉妃花
演-福本莉子
事件現場に度々姿を現す謎多き女性。普段は人形町にある豊玉神社(※)で巫女をしているらしいが、宇喜之からは「最近暴れすぎじゃないですか?」と忠告され、「神ってるね〜♪私。」と軽く受け流すなどただの人間ではなさそうな描写もあるが…。
小夢からは「ヒルコ」ではないかと疑われており、対面した際には自ら「神」を自称し任意の事情聴取を行おうとした彼女に対して超次元的な力を使用してあしらった。
しかし、千里眼の能力者で市寸島比売命の転生体・未琴とその母親・未智の誘拐事件に際して雅の要請で彼らを救い、超次元的な力で容疑者3人の記憶操作(後に「事戸渡し」と判明。)を行った。
後に彼女は豊玉毘売命の転生体であることが雅の口から語られた。
元々が海の神であるが故に液体(水)を自由に操ることが可能。そのため、空気中の水分や人間の血液も操作可能。
至る所に出没していたのもヒルコをおびき出すためだった。
しかし、その能力は視認できるものに限定されており、ヒルコからはその能力の弱点を見破られ両腕を骨折させられスタンガンで気絶させられた。
※あくまで架空の所在であり、実際の人形町には存在しない。
- 村主虎飛矢
演-名村辰
全決の非正規雇用の職員。通称は「コビー」。
常見を見張っていたスパイ企業に雇われていた男たちが古庄から情報をもらって彼女を拉致しようとしたことで、雅の依頼で芹沢とともに彼女を助け、片桐から自供を引き出すために芝居をするように提案する。
後に彼が少名毘古那神の転生体であることが雅の口から語られた。元々が薬の神様なので、薬品の成分を判断できる能力を持つ。
しかし、いつの間にか彼もヒルコに乗っ取られていたことが判明し拘束された。その後、呪符を取り除いたことで解除された。
- 大隈邦男
演-吉田鋼太郎
美容整形外科医。彼は大国主命の転生体であり、治癒能力を持っている。
しかし、前世と今世の人生を「女にうつつを抜かした愚かな人生」と後悔している。前世の時点で交際していた女性と来世でも会おうと誓った。今世で彼女が転生したと思わしき「犬塚真澄」という女性と出会い、彼女と残りの余生を過ごすために既に内縁の関係だった路子と無理やり別れたが、自身が余命宣告を受けた途端、真澄は八百比丘尼の伝承を利用した美容サプリの販売を開始。美の欲望に取り憑かれた彼女を自身が生み出してしまったと自責の念に駆られており、自身が病に蝕まれていることも「報い」として受け入れているのかどこか諦観している。
だが、実は真澄が美容サプリを販売したのは邦男=オオクニヌシのためであり、彼女こそが八百比丘尼そのものだった。つまり、転生したと思われていた彼女は邦男=オオクニヌシが前世で亡くなった後も現在まで生き続けていたのである。
だが、彼はその事実を知ることなく亡くなりまた別の生命へと転生した。
雨野が瀕死の重傷を負っていた際は宇喜之が連絡したが繋がらなかった。
- ヒルコ
神隠し事件等数多くの事件の首謀者として犯行声明を出す謎の存在。若者の間で密かに信仰されている。
「修理固成」(しゅりこせい)をスローガンとする。
信仰者を利用して犬神を呼び出せる、信者を巧みに利用するなどその力と影響力は今も尚健在。また、他人に呪符を貼ることで身体を乗っ取り同時に操ることも可能。髪の転生体も対象となるため非常に厄介な代物。
転生した神々を狙って彼らの魂を消すべく暗躍する。
目的は「天岩戸別神の転生体と接触し、彼を抹消すること。」。おそらく、【自身が不老不死の神となり、天岩戸別神を掌握することでその他の八百万の神を黄泉の国へ引きずり込み、現世での唯一神になる。】ことが目的と思われる。
人間界では二宮のの子に擬態して潜伏。呪符でコビーと宇喜之、寿を掌握していた。
その後、スマホを使って謎の高周波を流すことで人類の選別を開始。同時に雨野に呪符を貼り掌握した。
- 寿正
演-野間口徹
「テミス・ホールディングス」CEO。ヒルコの正体と疑われていた人物。
表向きはヒルコ事件解決のために自社のコンピューターやビッグデータを提供している。
どうやら不老不死の力を求めているようで、警察から人魚のミイラを一体強奪。佃の力で蘇らせ、不老不死の力を凝縮させたカプセルを完成させた。
記憶を失う前の小夢は「役小角」のような存在が正体ではないかと分析していた。
佃から目的を問い質された際には「神の総入れ替え」と言っていた。
唯一会うことができる佃にその居場所を問いただし協力するよう要請していた。佃が渋ると「月の光が無い今のあなたなら、私はどうすることだってできるんですよ。」と脅した。
当初から佃は使い捨ての駒に過ぎず、最後に狙われた犯人に対して「狙われる」と事前に警告し、彼女を殺害させた。
その後、宇喜之と接触し興玉殺害を依頼した直後に彼に呪符を貼り掌握。そのままゼンケツへ向かわせ、興玉を襲撃。天之加久矢で彼に致命傷を負わせた。
その後、再び相対した興玉達を人海戦術で制圧し、スタンガンで気絶させた。
しかし、寿がヒルコの正体ではなく彼もまたヒルコの操る駒でしかなかった。
- 佃未世
演:石田ひかり
月読命の転生体である女性。バー「Night Moon」を経営している。月夜の下ならば時間を操ることが可能で、自身の能力を使い瀕死の重傷を負った雨野を救った。
その後、人魚のミイラを強奪したヒルコ/寿正と接触。彼と協力関係を築いており、自身の能力で餓死窒息事件を起こし殺人犯になっているが、その負い目かそれ以上踏み込めないでいる。
娘・恵真がいたが、ネット上に投稿されたラウンジ嬢の不適切動画の炎上に巻き込まれ犯人扱いされた挙句、心無い誹謗中傷やストーカー被害に遭い、自殺。
情報開示請求でも埒が明かなかったため、復讐のために自ら手を汚す覚悟を決めたのがヒルコと手を組んだ理由ではないかとゼンケツは推測しており、その予想通りの動機だった。
誹謗中傷を行った犯人4人の殺害を終えた段階で、自身の人生にケリをつけるためゼンケツへ出頭。
ゼンケツのメンバーへヒルコへ協力した経緯を明かし、彼の目的も断片的に明かした。
緊急会議の結果、ヒルコとの結託及び殺人を理由に「黄泉送り」が決定した。
その後、天岩戸別神…もとい興玉から「黄泉送り」にされそうになったが直前に荒波達が場所を突き止めて殺人事件の重要参考人として連行しようとした隙に逃走。
最後の犯人を殺そうとしたが、その犯人は事前にヒルコから「狙われる」と連絡を受けており、正当防衛と称して佃をナイフで刺し殺害。今際の際、「事戸渡し」を自ら行い息を引き取った。
- 佐野速雄
須佐之男の転生体である男の子。
父親からDVを受けている。
平穏治癒の能力でヒルコからの襲撃を受けた興玉を救った。
しかし、酒を持ってくるのが遅かったため父親から暴行を受けて意識不明の重体となって病院に搬送された。
- 古戸沼
一言主の転生体である小太りの男性。臆病な性格。
擬態能力を駆使して直毘に変装し、荒波からヒルコに関する情報を聞いた。
とはいえ、荒波から正体を疑われたことで作戦は半分失敗に終わった。
その後、興玉に変装している。
「神隠し」事件犠牲者
後に全員が神の転生体だったことが明らかになっている。
- 大月比呂佳
演-田山由起
料理研究家。7月16日に神隠し。荒波の小・中学校時代の同級生。彼女は大気津比売神の転生体だったことが判明。ゼンケツの厨房も担当していたため、メンバーとは知り合い。
- 大守浩志
演-藤岡大樹
関東医科大学理事長。4月5日に神隠し。
彼は大物主神の転生体であることが判明している。
- 石狩愛実
演-清水なな
ジュエリーデザイナー・貴金属ネット通販会社CEO。5月14日に神隠し。
彼女は石凝姥命の転生体であることが判明している。
- 健実和生
演-西将輝
政治家。元格闘家。6月23日に神隠し。
彼は武甕槌命の転生体であることが判明している。
- 刀田楓真
演-ジャン・裕一
大手広告代理店代表取締役社長。9月5日に神隠し。神隠し前にゼンケツが接触している。
彼は布刀玉命の転生体だったことが判明した。
雨野に対して「芹田さんが狙われている」と連絡し彼の元に向かったものの、その途中で神隠しに遭ってしまう。
余談
- 主演の藤原が出演している「SKYSEA」のCMとコラボしている。
- 第2話放送時期がちょうど祠ネタがネットミームとして流行していた時期だったこともあり、ネット上では雅が祠おじさんと言われてしまい、実際に「あの祠壊したんか」に近いセリフを雅が発し、雅が女子校の生徒たちに「祟られる」と忠告するなど諸々ネットミームのテンプレートと酷似してしまう事態に。
- 第6話予告で雅が「僕も神です。」と名乗ったことから、演者&神繋がりで『DEATHNOTE』の主人公・夜神月を連想する視聴者が続出。小夢役の広瀬も「神は神でも、"新世界の神"じゃないから(笑)」と反応していた。