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独島級揚陸艦の編集履歴

2025-02-06 18:47:58 バージョン

独島級揚陸艦

とくときゅうようりくかん

大韓民国海軍の強襲揚陸艦。

概要

独島級揚陸艦とは、韓国海軍が運用している揚陸艦である。他国ではヘリコプター揚陸艦ドック型揚陸艦、あるいは強襲揚陸艦とも認識されている。同海軍の揚陸艦を集めた第5戦団第53戦隊に配備されている。


同型艦は2隻。

  • 独島』:1番艦。読みはドクト。2002年10月に韓進重工業において起工、2005年7月に進水、2007年7月に就役した。建造コストは3260億ウォンだとされる。艦名は、韓国が不法占拠している竹島の、韓国側の自称に由来する。
  • 馬羅島』:2番艦。読みはマラド。2014年8月に建造が正式承認され、2017年4月27日に同じく韓進重工業において起工、2018年5月14日進水、2021年に就役した。艦名は、韓国最南端の島から採られている。

経緯

韓国軍は、アメリカ海兵隊に次ぐ規模を持つ両用戦部隊として韓国海兵隊を組織していたが、彼らを運ぶ輸送力の不足が問題になっていた。そこでそれを補うために計画されたのが本級である。当初は戦車揚陸艦のような船体で計画されていたが、途中で方針変更され、LPH(強襲揚陸艦)として建造されることになった。計画にあたってはインヴィンシブル級軽空母を建造したイギリスのBAe SEMA社の技術者と共同で行われた。


韓国海軍は3隻の建造を計画しており、これは将来的に3個の機動艦隊を編成し、1つの艦隊に1隻ずつ配備する構想があったためである。しかし予算不足で機動艦隊が1個に削減されたことや、韓国海軍が保有したことのない艦種であったため、まず1隻を建造して運用経験を長期間積んだ方がよいと判断された。


そのため1番艦「独島」は実験艦としての傾向もあり、配備先も当初予定していた機動艦隊である第7機動戦団(2025年に機動艦隊へと拡大改編)ではなく、掃海艇を始めとする支援艦艇を集めた第5戦団となった。


何とか2隻が建造されることとなったものの、予算の都合や海軍の行う計画の優先順位が調整されたため、2番艦建造の優先順位は下がっていき、2番艦「馬羅島」が起工したのは「独島」の就役から10年後であった。しかし「馬羅島」では改良も図られており、航空機発着管制所を艦橋前部から艦橋後部へ移動、防空能力の強化、飛行甲板の補強などの設計変更が行われている。


性能

航空運用機能

独島級最大の特徴は全長199mの全通式飛行甲板である。飛行甲板にはヘリコプター用の5つの発着スポットを有し、最後部の5番スポットは、V-22オスプレイCH-53CH-47などの大型機も着艦可能であるまた。


前部と後部に面積17×9.75m、容量19tのエレベーターを有しており、航空機や車両を艦内格納庫に移動させることができる。ただし艦内格納庫は艦載機専用ではなく、車両用格納庫と兼用であり、車両の搭載数によっては艦載機を減らすか、飛行甲板に野ざらしで艦載機を係止する必要がある。


艦載機としては主にUH-1UH-60P、スーパーリンクスを運用しているが、「独島」は上陸作戦用の専用ヘリコプターを予算問題で保有しておらず、就役時から陸上型のUH-1をその用途に充てていた。だがこちらも防塩処理がなく、メインローターの折り畳み機構が存在しないため、不便を強いられることとなった。同様にUH-60Pも陸上型であるため防塩処理が施されていない。


後の2017年に12月27日、上陸作戦用ヘリコプターとして韓国国産のMUH-1マリンオンが海軍と海兵隊に引き渡され、独島級には7~12機が搭載される。これは国産のKUH-1スリオンをベースに2013年7月から開発された機体である(後述)。


改造してF-35B戦闘機を搭載できるという主張も内外に多少あるが、飛行甲板を船体ごと延長する必要性やエレベーターの昇降力不足など、新造に等しい大改造が必要ともされ、韓国海軍でも本格的な検討すらしていない。


輸送揚陸機能

艦後部には長さ26.4m、幅14.3mのウェルドックがあり、KAAV7水陸両用車12両、またはLSF-Ⅱソルゲ型エアクッション艇2隻、もしくはLCU(汎用揚陸艇)2隻を収容することが可能。


車両甲板にはKAAV7なら最大で16両を搭載可能。基本的にはK1戦車6両、トラック10台、野砲3門、KAAV7を7両搭載して上陸戦力を構成するとされる。さらに上陸作戦のための兵力として最大1個半大隊分である720名の海兵隊員を乗せられる。


「独島」「馬羅島」の2隻を合わせることで、連隊規模の海兵隊員、1個戦車中隊、1個砲兵中隊の輸送を可能とする。


個艦防御機能

近接防空のために艦橋前部にRIM-116 RAM近接防空ミサイルを、艦首と艦橋後部にオランダ製のCIWSゴールキーパー」を装備している。


艦橋後部に設置されたゴールキーパーは俯角をつけて射撃した際、甲板上に係止されているヘリコプターを誤射する危険性が指摘されている。これについてはヘリコプターの係止位置を変えたりするなどの暫定的な対処を行っているが、ゴールキーパーの位置を変更するなどの根本的な対策は採っていない。


しかしながら「独島」などの揚陸艦は味方の駆逐艦フリゲートから護衛されながら行動するのが基本のため、そもそもCIWSを使う機会がほぼない、使うときが来るとしたら「独島」を護衛する第7機動戦団(現:機動艦隊)と潜水艦司令部が壊滅したときである、との意見も見られる。


2番艦ではCIWSを米国製の20mmファランクスに変更。防空ミサイルも韓国国産のK-VLSに搭載するK-SAAMへと変更している。


電子装備

揚陸艦としては高度な電子装備を搭載する。3次元対空レーダーとして黒色で横長の長方形の外見をしたオランダのシグナール社(現タレス・ネーデルランド社)が開発した「Smart-L」を艦橋中央部に設置している。このレーダーは毎分12回転で、ビームを最大仰角70度まで振ることが出来る。その性能は大型航空機を最大400kmで、戦闘機などの小型航空機を220kmで、小型ミサイルを65kmで探知可能とのこと。


さらにマスト上部には同じくシグナール社が開発した3次元多目的レーダー「MW-8」が設置されている。このレーダーは就役時からノイズが酷く、改善はされたものの完全には治っていない。電子戦システムは国産の「SLQ-200(v)5K SONATA」を装備する。


2番艦からはレーダーを刷新。対空捜索レーダーを「EL/M-2248 MF-STAR」に、水上捜索レーダーを韓国国産の「SPS-550」に変えている。


機関

機関はフランスのSEMT Pielstick社製の16PC2-5ディーゼルを4基搭載している。最高速力は強襲揚陸艦としては標準的な23ノット(43km/h)である。航続距離は巡航速度19ノット(33km/h)で8000カイリ(15000km)。


艦内施設

韓国海軍最大の艦であるため、非常に艦隊指揮のための施設が充実している。現に2010年の天安艦沈没事件や2014年の韓国フェリー転覆事故などで指揮本部としての役割を担ったこともある。


また、被災者を1100人乗艦させることができ、総合病院レベルの医療設備もあるので、大規模災害時にも対応できる。乗員330人のための施設としてはPX(売店)、ジム、約1000人が1時間以内に食事可能な食堂、コインランドリー、衣類滅菌システムなども備え付けられている。女性兵士区画には28人分のベッド、シャワールーム、トイレ、洗濯機がある。


MUH-1マリンワン

独島級に搭載される上陸作戦用のヘリコプター。韓国国産ヘリコプター「KUH-1スリオン」をベースに開発された。生産数は40機で海兵隊に32機、海軍に8機が導入される。


2005年から上陸作戦用ヘリの導入計画が進められ、ロシアのKa-32、海外から新規のヘリコプターを導入するKCH、そしてスリオンが候補に挙がっていた。最終的にはスリオンが勝利し、2013年7月から開発が開始され、2017年12月27日に引き渡された。


スリオンからの変更点は、従来4つであった補助燃料タンクを2つ追加し合計6つの補助燃料タンクを搭載したこと、機体に腐食防止のための防塩処理が施されたこと、メインローターの折り畳み機構が追加されたこと、そして戦術航法装置(TACOM)の搭載である。


関連イラスト

S.Korea navy force

Pixivでは艦そのものより艦船擬人化系のイラストの割合が高い。

LPH-6111 Dokdo 揚陸艦韓国海軍揚陸艦 [獨島] 艦娘化センシティブな作品


関連タグ

強襲揚陸艦 独島

艦船擬人化:上記タグも参照。故に日本をターゲットとした作品で独島級が扱われることはまず無い。


外部リンク

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