キグナス氷河
きぐなすひょうが
概要
白鳥星座の青銅聖闘士で、クールな性格の内に人間らしい熱さを秘めた少年。14歳。
兄弟子アイザックと共に、水瓶座のカミュの師事を受け、氷の闘技を身につける。
修行地であり故郷とも呼べる東シベリアのコホーテク村には、ヤコフというしっかり者の7歳児がおり、厳しい氷の大地での生活を互いに助け合う仲。
戦いのない時にはシベリアに帰って生活している。
日本人の父(城戸光政)とロシア人の母・ナターシャの元に生まれたハーフであり、金髪と碧眼を持つ一見クールな美少年であるが、実際は沈没船に眠るマーマ(母親)に会いに行くのが日課であったり、戦いの最中でも事ある毎にマーマと叫ぶなど、言わば極度のマザコンである。
師の教えに従い、常にクールに徹することを心がけてはいるものの、たびたび水道管のように目から涙をあふれさせる。
原作では唯一最初から自身の実父が城戸光政であることは母から聞かされており、幼児期に母に連れられて日本に来る途中で船が事故で沈没。氷河は救出されたものの母は逃げ遅れそのまま船とともに沈んでいた。この為母の遺体に会いにいきたいという想いもあり聖闘士の修行に入っており、この動機を知った兄弟子のアイザックに激怒されたこともある。
また、光政とは救出後に対面したものの彼の態度が冷たかったこともあり父としての情は湧かず、他の青銅聖闘士達にも自身らが異母兄弟であることや父が光政であったことは長らく黙っていた。
アイザックに事前に忠告・叱咤されていたのに自身の技量が十分でない時に海に飛び込んでマーマに会いにいったせいで激しい潮流に飲まれて溺れ、結果彼を助けようとしたアイザックが片目を失っている。
また十二宮戦ではカミュにも彼の甘さを叱咤する意味をこめてマーマの眠る沈没船を更に深い海底に沈められており、結構彼のマザコンっぷりは周囲に多大な迷惑もかけている。
さすがにハーデス編前には多少反省したのか海に潜ってマーマに会いにいくのは止め、氷上に花束を添える程度に自重している。
アニメ版の氷河
初代声優は橋本晃一。OVA冥王ハーデス冥界編以降は三浦祥朗。
アニメ版に限って言えばフレアや相沢絵梨衣など、結構モテている。
また劇場版アニメ第二作「神々の熱き戦い」においては敵に洗脳され一時敵の戦士「ミッドガルド」になるという展開があった。
聖衣デザイン
アニメ版での星矢達の初期聖衣は、原作と大きく異なるデザインだったのに対し、氷河の聖衣は割と原作に近い形状の聖衣であった。
我が師
『聖闘士星矢』は連載開始から半年でアニメが開始されたため、連載に先走ってアニメオリジナルの設定を作ることが多々あった。
その設定の一つとして、アニメ初期では水晶聖闘士(クリスタルセイント)という謎のオリジナルキャラクターが氷河の師として登場していた。
しかしその後、原作で水瓶座のカミュが氷河の師として登場してしまった為にこの矛盾を解消すべく、アニメではカミュと氷河の師弟関係の間に水晶聖闘士が入るというややこしい設定になった。
『貴方は水晶聖闘士の師、つまり俺の師も同然の方です!』
『ダイヤモンドダストは水晶聖闘士を通じ、私がお前に授けたもの』
……という苦しい台詞が生まれることとなったのはこのためである。
技名の変更
ロシア語の技名だとわかりにくかったためか、アニメでは一部の技の名前が変更されている。
- ホーロドニースメルチ ⇒ オーロラサンダーアタック
- カリツォー ⇒ 氷結リング
キグナスダンス
アニメでは氷河がダイヤモンドダストを繰り出す際、謎の踊りを踊る。これは俗に『キグナスダンス』と呼ばれる。
加えてキャラソンのタイトルが『氷原の貴公子』であったことから、『氷原の奇行子』などと呼ばれる所以となった。
Ωにおける氷河
CV:宮野真守
12話の瞬の回想で魔傷を受けた事は判明していたが、21話にて登場。
敗北でヤケをおこしていた光牙がユナに連れられやってきた「慟哭の谷」の奥底に何故か居て焚き火をしており、諦めかけていた光牙を叱咤激励ついでにダイヤモンドダスト(キグナスダンス付き)を放って再びやる気を起こさせることに成功。
魔傷は左胸から左足太股にかけて浸食しており多少の痛みもあったようである。
ついでにマザコンが治っていなかったことも判明し多くの視聴者の腹筋を崩壊させた。
何故ユナの修行地であるその谷にいたのか、13年間何をしていたのかは現時点で不明。
OPクレジットやテレビマガジン記事では「謎の男」表記となっており、劇中一度も名前は出なかった。
尚事前のTV雑誌のネタバレでは「フードで顔を隠した謎の男」とされており、同年10月末に更新された公式サイトでも「謎の男」のままであった。
アニメ雑誌では「21話で旧作キャラが出る」「常に大切な人への思いを支えに戦ってきた人」というほのめかしがされていたため、ネタバレチェッカーの間では彼か一輝の登場が予測されていた。
また、12話回想シーンの聖衣石システムによる新しい聖衣は形状、カラーリングともハーデス編での聖衣と近いが、黒い縁取りがついている。また29話からの新OPではかなり髪が伸びている。本篇中では言及されていないがカードゲーム「クルセイド」で属性は水との設定が判明。
1年間の放送の中で登場回数わずか1回にして公式人気投票第二位にランクインした。
なお名義は「謎の男」のままである。一体何者なんだ……。
二期では62話の終盤に登場。玄武の死を示す流星を眺めていたが、聖衣箱を持っていたためキグナス聖衣を新生聖衣に既に進化させたものと思われる。更に68話終盤では紫龍、瞬とともにパラスベルダにかけつけその際新生キグナス聖衣を纏っていた。
そして77話において、遂に光牙達と合流。駆けつけた旧青銅一軍達の中で、真っ先に「キグナス氷河」と名乗りを上げ、謎の男の名前を返上した。
聖衣はこれまでとは大きく異なり全身のアーマーに翼の様な加工が加えられ、肩部分に大ぶりの青い宝石状パーツがついている。パラス城攻略戦においては、エデン、栄斗、昴という異色のチームを率いることになる。
一期終盤で時貞が退場したことで再び水瓶座の黄金聖闘士の座が空位となり、今度こそ彼の昇格が期待されていたが、そんな彼を待っていたのは「ネタバレ満載の新OPで最後までキグナスのまま」という昇格なし宣告に等しい仕打ちであった。
宿命の対決
第二の道『ニブルヘイム』に進んだ氷河、昴、エデン、栄斗ら4人。彼らを待ち構えていたのは、十二宮の戦いから密かに生還しパラサイト陣営に加わった時貞であった。
メディアからの教唆があったとはいえ、師匠の形見である黄金聖衣を乱用した時貞に、氷河が制裁の拳を与えるのは確かであろう。