CV:水島裕
概要
52話で初登場。第2期からのメインキャラとして新たに加わった12才の鋼鉄聖闘士で光牙達の弟分的存在。
青を基調としたカラーの鋼鉄聖衣を持っており、普段は布袋に入れている。オブジェ形態が存在するのかは明らかになっていない。
旧作の鋼鉄聖闘士と違い小宇宙を燃やす事が可能なのだが、実力は全く伴っていない。本作における鋼鉄聖闘士は正規の聖闘士のサポート役なので、初登場時点では青銅聖闘士になる事が出来ない力量だったのは確かである。
アプスとの戦いで受けた傷を癒す為に、故郷の島で療養していた光牙の元に突然現れ、「神殺しのお前を倒して俺が最強になる」と豪語して喧嘩を売る。しかし既に聖闘士として戦う意志を無くしていた光牙には「なりたければ好きにしろ」と全く相手にされなかった。
しかもその最中に光牙を狙ってやって来た三級パラサイトのタルヴォスに向かって行くも、全く歯が立たず叩きのめされてしまい、見かねた光牙に助けられる始末であった。
この後光牙についていくことになるが、この自信家で喧嘩っ早い性格のために、道中でも光牙に喧嘩を売ろうとしては失敗続きである。また他の知名度のある聖闘士などに出会うことを楽しみにしている節があり、時に「俺と勝負しろ」と言うものの、基本的にはまともに相手にされていない。
檄と蛮らから彼を「才能がある」とは聞いていたものの、力量は大したものではなく、シャイナにも片手でたやすく投げられている。他の鋼鉄聖闘士達とも馴染もうとせず、檄の説教にも「守りたいものなんかない」と言い放つ等、聖闘士としての自覚も薄く、「光牙を倒して神になる」という目標を繰り返し口にするが、周りには呆れられるのみであった。
60話では目の前で訓練生時代唯一の親友であったエルナを失い、彼の鋼鉄聖衣を受け継いで戦った。パラスベルダの攻略にも光牙らにくっついて参加、他のメンバーとも交流を深めていくが、相変わらず格上の敵にもむやみやたらにつっかかる点は治っていない。しかし徐々に他者に対する思いやりも(ややツンデレ的にではあるが)表現する様になっており、光牙を度々激励もしている。
そして70話において、ミラーに破壊されたことによって、遂に鋼鉄聖衣の損傷が限界域に到達。スチールボルトアローが暴発するなど、戦闘に致命的な支障を来たすようになってしまった。
小馬座の昴
72話にてハティと相打ちになったケレリスから小馬座の青銅聖衣を継承。
自らの小宇宙と血によって、新生聖衣へと進化させ、キュレーネとグレイブを撃破する。
しかし聖衣に拒絶されてしまい、戦闘終了後に強制解除された。
73話にて、ハリメデとの戦いの際にそれを知った昴は、「俺は神になる男だから絶対に死なない」と宣言し、自分に力を貸すよう説得したのだった。
形状はブルーを基調とした旧アニメ版聖闘士星矢最初期の天馬座聖衣に近いヘルメット型のマスクと胸パーツで、マスクには金色のパーツで、「Ω」の文字が刻まれている。
聖衣石はひび割れていたものの、大破には至っていなかったためか、少量の血によって修復がなされた。もっともこの修復に関しては、「セブンセンシズにも目覚めていないような者に、そんなことができるのだろうか」と、エデンから不安視されている。また同様の疑念を貴鬼も抱いており、エデンに昴の監視を依頼している。パラス城攻略のチーム分けでは当初光牙と一緒に行きたがったものの、エデンが彼を監視する目的で強引に自分と同じチームにしたためエデン、栄斗と同じチームになり、あまりの昴の突っかかりっぷりを「子供っぽすぎて危なっかしい」と判断した氷河も後見役的立場でチームに加わった。
しかし数々の自身を犠牲にした聖闘士達の戦いを見て行くうちに「この世界を守りたい」と口にするようになり、エデン達も彼の正体に不審は抱きつつも仲間として信頼するようになっている。
素性
記憶を失った状態で鋼鉄聖闘士の訓練所に流れ着いており、それ以前何をしていたのか、また両親等に関する記憶もない。
鋼鉄聖闘士の訓練生時代、訓練自体は熱心にこなしていたものの強くなることしか眼中になかった本人は全く仲間に馴染もうとせずぼっちであったが、エルナのみが唯一の同期の理解者であった。そのうち光牙らがアプスを倒した評判を聞きつけ、その話を振ったことで仲良くなったエルナのみが唯一の友人となったが、直後訓練所を出奔したらしい。
しかし作中では早いうちから度々彼が普通の鋼鉄聖闘士とは一線を引く強力な素質を持つ存在であることが繰り返し示唆されている。
- 52話
光牙「闇の小宇宙にも似た攻撃的な小宇宙」を初対面の彼に感じる。
- 53話
シャイナが昴の目が赤く光るのを見てとっさに警戒して後退した。
- 58話
昴が沙織を見て「前にどこかで会ったような」と感じている。
- 60話
エルナの回想で「(訓練所に流れ着いたときは)飢えた狼のような目だった」「(鋼鉄聖闘士では)誰よりも強かった」と語られる。さらにオリジナル技「プレアデスインパクト」を使用し、白銀聖闘士すら苦戦する3級パラサイトのハティを圧倒する。
- 62話
ハイペリオンの剣の力を借りたエーギルの技で白銀以下の聖闘士殆どが時間停止させられる中、セブンセンシズにめざめた光牙ら5人とともに目だけが時間停止を免れた。
- 67話
エウロパとの戦闘中にエデンが「神の力等など必要ない」と言ったのを聞き「そんなのもったいねえよ!」と叫び異様に強大な小宇宙を発揮させ、エウロパを圧倒するが、直後倒れる。
- 72話
小馬座の聖衣をわずかの血液のみで新生聖衣に進化させ、3級パラサイト2人を撃破。
- 73話
さらにハリメデを単独撃破。
- 76話
フェニックス一輝と対面したとき、無意識に彼と目をそらしてしまう(この行動の理由は昴自身でも解らなかったようである)。
- 78話
新規OP映像で、黒幕と思しき人物が彼の影になっているシーン、光牙と土星の輪の上で対決するシーンがある。さらにエウロパが彼の素性を知っているらしい発言をする。
- 80話
不死身に近い能力を持つようになったため、黄金聖闘士にも並ぶレベルである氷河ですら氷の中に閉じ込めるしかなかった時貞の頬に傷をつける。氷河の勝利後に「時間は人を成長させる」と呟きつつ不敵な笑みを浮かべ、氷河や栄斗にも不審視される。
- 86話
黄金聖闘士経験のあるパラドクスに一撃で致命傷を与えるほどのガリアからの拘束を破る。
他の鋼鉄聖闘士達は3級パラサイトやパラサイト兵の攻撃でもあっさり死亡する程の戦闘力しかない者が多く描写されており、昴はその面からもかなり異質な存在である。
更に59話では、アンドロメダ瞬の「離れていても聖闘士は小宇宙で繋がっている」という発言の直後に、昴のアップのカットが挿入されているという、意味深な演出がされていた。
また、53話OPでもパラサイト四天王の背後にいる、目が赤く光る謎の人物と髪色などが似ていることから、彼の素性に関しては視聴者の間でも「旧作キャラの関係者説」「神、準神、その他人外などの化身説」「ラスボス説」など様々な推測がなされているが少なくとも現状では本人も自身の正体に関する事は知らないようである。67話ではエデンが自身に流れる「神の血」が彼に呼応したような台詞を述べており、「人外説」を裏付けることとなった。86話で強大な小宇宙を溢れさせた際にも自身で何故その力が沸き上がったのか把握しきれていなかったようである。さらに89話ではハイペリオンに時間停止させられた際、彼の意識下と思われる空間で謎の声と対峙し、人間についての問答を受ける。仲間達の小宇宙の高まりに反応して時間停止を自ら破ったものの、謎の声の正体が自身であることに気づく。さらに91話ではアテナとパラスとの対決の場に急ごうとする他メンバーに「神と人間の間には壁がある」などと今までとズレのあるような発言すらしておりエデンに再び違和感を感じさせている。
正体
その正体は「刻の神」サターンであった。昴としての人格や姿はサターンが自身の記憶を一時的に封じることにより作られたものである。
そして92話において、エウロパの誘導によりついにサターンの正体を現し、その際小馬座の聖衣も粉砕してしまう。
しかし昴でいたときの記憶はサターン自身のゆらぎを招き、結局昴の意識こそ完全に戻りはしなかったものの、結果的にサターンが人間を滅ぼしきらず去る決意の一因となった。
また、サターンが去る前には私服の昴の姿が幻影のように表示されて光牙に話しかけており、神に戻った後も昴の記憶や想いはサターンの中に確かに息づいているようである。
技
- スチールボルトアロー
- スチールハリケーン
以上は鋼鉄聖闘士共通の技。
- プレアデスインパクト
昴の名にちなんだ必殺技。プレアデス星団を模した、複数のエネルギー弾を発射する。
- スーパーノヴァエクスプロージョン
ケレリスから継承した必殺技。巨大な炎球を発生させ、敵にぶつける技である。最大出力時には、末尾に「マキシマム」という単語がつくらしい。ただし昴自身はマキシマムを使っていない。
- プレアデステンペスト
プレアデスインパクトを強化した技。
余談
中の人は聖闘士星矢の原作にて蜥蜴座のミスティをはじめ、ゼータ星ミザールのシド&ゼータ星アルコルのバドと主人公達に立ちはだかる敵の声を担当していた。更に聖闘士星矢Ωの1時間後でもメインキャラを担当している。
昴自身のネタではないが、光牙を演じる緑川光氏は、かつて「天界編」において「人から神へと近づこうとした」斗馬を演じている。緑川氏から見た昴は、自分の演じた役と同じ性質を持ったキャラとの対峙ということになるのかもしれない。
見た目の元ネタに関しては同じ車田漫画の一つ、風魔の小次郎の主人公の小次郎と思われる。
学ランのような服装、腕に巻いた包帯、髪型と見事なまでに一致しており、もはや見た目に関しては小次郎そのまんまである。
彼以外にも新生聖衣編以降では風魔の小次郎が元ネタと思わしき部分がある事を考えると偶然ではなく意図的な元ネタと考えられるだろう。