概要
第一水雷戦隊旗艦・阿武隈と、第三水雷戦隊旗艦・川内のカップリング。
川内から阿武隈への言及は皆無だが、逆に阿武隈から川内へは「どこかの夜戦バカには負けないんだから!」「どこかの三水戦のがうるさくなるなぁ」と言及するなど、意識していることが窺える。
史実においては、阿武隈の就役後、川内から第一水雷戦隊の旗艦を引き継いだ先輩後輩の関係であり、その後は同じ第一艦隊所属の水雷戦隊旗艦としてライバル関係であった、という間柄である。
なお海軍料理コンペで、川内の烹炊班が「イワシの揚げ団子」で上位入賞を果たして絶賛されたのに対し、阿武隈の烹炊班は虎の子の「巻焼き(玉子焼き)」で勝負に出るも“規制違反”という判定をくらって無評価に終わった。
明暗を分けたのはイワシと卵という素材の違いで、海の上で新鮮なものが大量に獲れるイワシと、どう見積もっても数が知れてしまう上に保存性があまり良好ではない卵では、一度に数百~数千人を養う兵員食として、材料費も確保できる量にも大きな差があったためと思われる。
決して阿武隈がメシマズというわけではなかった(むしろ味のみの評価であれば阿武隈のほうが高評価だった模様)のだが、“骨まで食えて栄養価も高いうえに新鮮、安上がり”というイワシに着目した川内の発想の勝利だった。
阿武隈の主計科はキスカ島撤退作戦の際に同乗していた陸軍の高射砲兵におはぎを振る舞い、キスカ島から収容した陸軍兵へは炊飯を行いおにぎりを配った。(本来撤収部隊は敵に発見されないよう炊飯は禁止されていた為乾パンを配る予定だったが主計科の心意気で実現したおにぎりである。)
後に川内改二や春風の時報で上記の史実が拾われ公式メシウマ勢の1人に数えられるようになった川内に対して、実装と同時に時報も存在し、料理に関する史実的なものが殆ど拾われてなかった阿武隈の料理の腕前は残念ながら未知数な状態である(時報内では結局阿武隈は1回も料理をしていない)。バレンタインには手作りチョコを提督に渡しているので料理の腕は問題ないはずである。(出撃!北東方面第五艦隊のバナーでオニギリを握ってる阿武隈妖精の姿があるのはキスカ島撤退作戦時の主計科のエピソードからで、この姿からもメシマズの可能性はないと思われるのだが…)
この「料理対決」以外で阿武隈が川内に対しライバル視をする点が史実内で有るとすれば阿武隈は震災で就役も遅れ訓練中に衝突事故を起こし艦首を破断する様な事故を起こしたりの「不運艦」なのに対し川内は撃沈直前までほぼ無事故無被弾の「無事之名馬」な状態であった事、阿武隈は長良型でかつ公試成績では可もなく不可もない成績(長良型の最高成績保持者は鬼怒)だったのに対し川内は公試成績に於いて5500t級巡洋艦内で唯一、設計理論値だった36kt台に到達、突破(36.2kt)し機関出力も5500t級規格内で最大の97000馬力を記録した「同一級の中で艦船としての基本性能がトップである事」に対する嫉妬などが挙げられるだろう。
艦これ内での「艦娘」の改二としてはif改装を施され史実より強化された阿武隈と基本能力の強化に留まっている川内との対比もまた「あぶせん」の要素と言えるだろう。
そして時は流れて・・・
平成になって、阿武隈、川内の名が海上自衛隊の平成生まれとして初めての沿岸護衛艦でもある、あぶくま型護衛艦の1番艦「あぶくま」および、4番艦「せんだい」としてよみがえった(いずれも2代目)。
就役当初は「あぶくま」が舞鶴、「せんだい」が佐世保を定係港にしていた。のちに2隻とも呉の所属になっていた時期があったが、「せんだい」は2016年に入り舞鶴に転属している。
残された「あぶくま」が引き続き定係港にしている呉基地には同型の利根ならぬ「とね」も在籍する。あぶくま型護衛艦はすでに就役から20年以上経たヴェテランではあるが、アンチエイジング・・・もとい艦齢延伸工事を施されることが決まっており、今しばしその雄姿を見ることができそうだ。