阿武隈改二
だいいちすいらいせんたいきかんあぶくま
2015年7月17日に実装された、第一水雷戦隊旗艦・阿武隈の新たな姿。
改造レベルは75、さらに改装設計図を要するif改装である。
カテゴリは軽巡洋艦のまま、かつスロットは3と据え置きだが、多目的スロープとでも言うべき艤装を持ち、遠征に効果を発揮する大発動艇、さらにそれまで重雷装巡洋艦の特権であった甲標的が装備可能となった。
これにより、出撃・遠征ともに他の軽巡洋艦には不可能なアドバンテージを持つ、オンリーワンな万能巡洋艦として生まれ変わった。
誰が呼んだか「強襲揚陸巡洋艦」。たしかに強襲揚陸艦にして巡洋艦である(関連タグも参照)。
現在では同じ長良型の鬼怒および由良にも改二が実装されており、完全なオンリーワンではなくなっている。
「大発が搭載可能」と言う点に関しては、装備品に関わらず大発1個分の機能を内蔵している鬼怒の方がより特化しているが、鬼怒は甲標的が積めない。
機能性の多彩差に関しては大発も甲標的も積める上に水上爆撃機まで扱える由良に負けるが、そもそものステータスで阿武隈の方が一回りちょっと強いため、純粋な戦闘能力だけで言えば阿武隈の方が強い。
このように似ているようで三者三様の個性的な性能をしている。
初期装備は12.7cm連装高角砲(後期型)、13号対空電探改、大発動艇の3つ。
服装や艤装が大幅に変更されており、表情にも自信がうかがえるようになった。
服装はベージュのカーディガンの上に黒いセーラー服を纏っている。
セーラー服のカラー部分は灰色で、赤いラインが入っており、スカートもこれと同色かつ同じようなラインが入っている。
また、スカートの下には黒のスパッツを着用している。
加えて赤いリボンが胸元に追加されており、これは霞改二、不知火、萩風のコニシ担当浦賀生まれの艦隊との共通点である。(なぜか朝潮改二にも追加されているが)
艤装に関しては、北方迷彩の白い煙突を背部に背負っており、左側に装着されたスロープが非常に特徴的である。
これは卯月が史実で装備していたような大発動艇(卯月のものは中発動艇用だが)を搭載するためのスロープである他、回天母艦時代の北上のように、(特攻兵器を実装しない方針の艦これにおける代替装備である)甲標的も搭載できる多目的スロープとでも呼ぶべきものであるらしく、彼女の万能性の源と言える装備である。スロープユニットの上端からはマストが伸びており、13号対空電探改が搭載されている。
両手には12.7cm連装高角砲(後期型)が備わった拳銃状のユニットを持っており、14cm単装砲はすべて撤去されている。このためか射程が縮んでいる(後述)。
なお、PS Vita版の『艦これ改』では、「秘書艦+演習」の場面で、この拳銃型の主砲を構えて撃つアニメーションが流れるが、残念ながら立ち位置の加減で、肝心の手先と主砲が見切れてしまう。
両足首には魚雷発射管が備わっている。
以前の気弱で引っ込み思案だった姿から一転、第一水雷戦隊の旗艦としての自信を取り戻したのか態度が自信に満ちた凛々しいものへと変化した。
そのため以前は出撃と言われるとビクついていた彼女だったが、今では嬉々として了解し、「敵に気づかれないで侵入するの、あたし的には十八番なんです。任せて任せて!」と啖呵を切るほどである。
(鎮守府名物と化している川内を元よりライバル視するなど、自信があるところには元からあるようだったが、このプライドの高さが前面に出てきている)
提督に対しても多少強気になっており、以前は控え目に訊いてくるだけだった自分の名前についての質問も、実際に書かせた上で間違っていたらダメ出ししてくるようになった。
ただ、提督の期待に応えたいなどの根本のかかわり方は変わっておらず、後継のようにどやしてくることはない。
川内に対してもライバル視するような台詞も残っているが、自信が付いたためか北上に言及するものはなくなってしまった。
オンリーワンな性能となり、自信もついたところで第一水雷戦隊旗艦として堂々とした姿を見せてくれる……と、思いきや。
「皆さん、あたしの指示に従ってください。んぅぅ…従ってくださぁいぃ!」
…今度は苦労人属性までついてきてしまった様子。まぁ周りのメンツが濃い子ばっかりだから仕方ないね!
だが昨今、下記の万能振りから「阿武隈の方が悪気なく無茶振りしているのでは?」という解釈も出てきている。曲がりなりにも奇跡の撤退作戦を達成した武勲艦ゆえか、「努力はいつか実を結ぶ」を艦娘として体現して見せたゆえか、よくよく考えたら彼女も部下に負けず劣らずアクは強かったりする(汗)。
ちなみに前髪を気にするところは相変わらず。
火力56、雷装94、対空78、装甲68、運20。
火力は一般的な軽巡洋艦よりも低い数値まで弱体化しているため、水上機を用いた弾着観測射撃や近い時期に実装された軽巡フィット砲との相性は悪化しているが、代わりに雷装が極めて高くなっており、新たに装備可能となった甲標的との相性が非常によい。
もちろん先制雷撃も可能であり、威力こそ戦艦クラスを一撃で撃沈するには不足気味な感があるが、編成に制限を受けにくい軽巡洋艦カテゴリで先制雷撃能力を得ているのがミソである。
主砲二門+甲標的を搭載した場合、雷装を上げつつ、運に依存しない連撃が行える装備となるが、この際の夜戦火力は神通改二には惜しくも届かない。それでも、他の改二軽巡と比較してかなりの高水準となる。
もちろん甲標的に加えて魚雷を装備しても強力だが、運は20とさほど高いわけではないため、カットインを狙うのであれば、まるゆを用いた運の増強は必須であろう。
先制雷撃が可能かつ夜戦火力が高いということで、最近増加傾向にある、水雷戦隊のみで出撃しなければならない海域での突破率向上に非常に役立つ艦になりそうだ。そして、イベントで定番化している連合艦隊の軽巡洋艦枠として期待が高まっている。
実際、雷巡を入れると羅針盤が逸れてしまう仕様となっている『反撃!第二次SN作戦』(2015年夏)のE-6とE-7や、雷巡を入れられない輸送護衛部隊での出撃となる『突入!海上輸送作戦』(2015年秋)のE-3は、先制雷撃可能な阿武隈改二の特性が光るイベントであるといえる。
また14cm単装砲がオミットされたためか射程が五十鈴改二同様、「短」になっているのも特徴。これを「砲戦火力に乏しい阿武隈の攻撃順を遅らせる」ために利用することも可能であるため、一概に弱体化というわけではないが。
燃費は据え置きで川内型改二と同値。若干弾薬消費多めという改での弱点は実質克服した。更に大発動艇が積めるため遠征の軽巡枠としては天龍型に並ぶ筆頭候補になる。
特に、大発動艇を満載した上で東京急行に出す(実在する鉄道会社名に因んで阿武隈急行と呼ばれる)と、遠征効率の大幅な向上が期待される。
鬼怒改二実装まで遠征の軽巡洋艦枠をほぼ1人で担当していた時期もあったが、多くの駆逐艦改二にの大発動艇が装備可能となった事と由良改二・多摩改二等の大発搭載可能な軽巡洋艦も増えた事で、一時期の様に遠征→出撃→イベント→遠征→出撃の様な過密スケジュールから開放された。
その後、大発搭載艦が徐々に増えてきたことに加え、火力面では4スロット+甲標的&水上戦闘機&特二式内火艇という最強軽巡矢矧改二乙の存在から、デビュー当時から変わって現在では「急いで改二にする必要は薄い」という評価に移行した。また甲標的の上位装備「甲標的 丁型改(蛟龍改)」についても【雷装-1/回避-7】の最大ペナルティが課せられるのも厳しい。
それでも「大発と内火艇の両方が載る」「『精鋭水雷戦隊 司令部』載る上に加算ボーナスも悪くない」「対地火力では装備の幅で矢矧を出し抜ける」……等々、活躍の機会こそ下火になったが、今なお一線級の地力は衰えていないといえるだろう。
実際の阿武隈においては当然このような改装は行われておらず、水上機用のカタパルトを長良や五十鈴と同じく撤去し、機銃などを増設した程度である。
要は夕立が重巡並みの火力だったりするようなエピソード系の強化。
阿武隈がヒゲの木村昌福提督を乗せ敢行した、奇跡の作戦と呼ばれるキスカ島撤退作戦で兵員収容に使った発動艇の運用の強化、及び、その際引き上げるわけにもいかずキスカ島に放棄した甲標的を拾い集めてきたと言ったところだろうか。
一見雷巡に似たもののように見えるが、全く違う事情があるのだ。
(ちなみに雷巡ではあるものの木曾もキスカ島撤退作戦に参加している。彼女にも揚陸装備の解禁が待たれるところである)
また、アリューシャン作戦やキスカ島撤退作戦以前に、第五艦隊ではなく第一艦隊で南雲機動部隊などを第一水雷戦隊を率いて護衛していた時期が(真珠湾攻撃やセイロン沖海戦)ある。
艦これの連合艦隊、特に機動部隊においては、第二艦隊の昼砲撃の価値は低く、雷撃が敵味方共に効果が絶大であるため、先制雷撃ができる阿武隈は軽巡枠に抜擢されることが多く、本来の役割を担うことにもなったのだ。
運営ツイッターにおいて、実装予告時点から「if改装」と告知されていたことに加え、当日には重雷装巡洋艦を思わせるスロープが垣間見えるアイコンとなったことから、「まさかの雷巡化か」と話題となり、重雷装巡洋艦としての戦力向上を期待する声と、軽巡洋艦でなくなることで水雷戦隊旗艦として活動できなくなることを危ぶむ声とが飛び交うこととなった。
結果としては、重雷装巡洋艦に準じる戦術が使用可能な軽巡洋艦という非常に特殊な、どちらの声にも応える結果となったのであるが。
またこの改二実装に合わせ、彼女が史実で活躍したキスカ島撤退作戦をモデルとした3-2ことキス島撤退作戦のボス到達条件に変更が入り、軽巡洋艦一隻を含めた水雷戦隊でもボスへの到達が可能となった。
これにより、史実通り、阿武隈が率いる水雷戦隊での作戦遂行が可能となり、それに合わせた任務も実装された。
当初から胸部装甲に定評があった姉の五十鈴や名取と比較してもあからさまに胸部装甲が薄めであり、後から改二になった鬼怒は胸部装甲マシマシとなり、由良もそこそこのものが確認できるため、長良型を代表する貧乳キャラとしてネタにされることも多々。
それどころか、長らく軽巡を代表する貧乳枠だった夕張も実は着痩せしていたという事実がこの期に及んで公式イラストで発覚したため、ますます軽巡を代表する貧乳キャラとしての立ち位置を確立してしまった。
段々扱いが某軽空母に近づいてきている気がしなくもない。
水着イラストを見る限りだと大淀もかなりのペッタンに見えるが、彼女は時期によって胸の大きさが可変するので話題から外れやすい。
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