おさかな天国
おさかなてんごく
作曲の柴矢俊彦は、『ジェニーはご機嫌ななめ』のヒットで知られるジューシィ・フルーツの元ギタリストで、歌唱の柴矢裕美は俊彦の妻である。
「♪サカナ サカナ サカナ〜」というフレーズから始まり、軽快なテンポでさまざまな魚の名前(※31種類、ただしサバのみ「シメサバ」と料理名である)がストーリー仕立てに歌われる。「アタマが良くなる」「カラダにいいのさ」(魚、特に青魚に多く含まれるDHAやEPAの効果などに由来すると考えられる)といった、魚を食べることによる効能も歌詞に綴られているのが特徴である。
1991年、水産庁の魚食普及事業の一環として、全国漁業協同組合(JF全漁連)中央シーフードセンターがサンミュージックに委託して制作された。
なお、キャンペーン用に配布されたカセットテープのジャケットイラストは、当時サンミュージック所属だった酒井法子が手がけており、後述するブームの際には酒井のイラストを利用したグッズも発売されていた。
当初はカセットテープが全国のスーパーや百貨店などに約一万本が配布され、鮮魚コーナーでのキャンペーンBGMとして使われるようになった。このほか、有償で一般向けの頒布も行われていたようである。
その後、テープの劣化などの影響からCD化を希望する声が多くあり、1996年にJF全漁連が製作したOVA『リッキーマリンのおさかな天国お魚パワーだ!全開だ!』のテーマ曲「おさかなパワー!! リッキーマリンのテーマ」(作詞:大島研二、作曲:富樫晃廣、歌:山口歩)をカップリングとして追加した自主制作の8㎝シングルCDが発売された。レコード店では取り扱われず、通信販売限定での流通となったが、2001年時点で常時1日五枚程度の注文があったことを当時の全漁連担当者が明かしている。
1997年にラジオ関西の『青春ラジメニア』、1998年には朝日放送の『探偵!ナイトスクープ』で取り上げられるなど、徐々に知名度が向上していった。
2002年にはマーチバージョンをカップリングとして、ポニーキャニオンから市販版CDが発売された。これにより多くの人に行き渡るようになり、テレビ番組でも多く取り上げられたことで全国的なブームとなった。同年の紅白歌合戦でも歌唱されている(出場曲としてではない)。
現在でも鮮魚店やスーパーなどの鮮魚コーナーにて店頭BGMとして使われているほか、幼稚園や保育園、小学校のお遊戯会、体育会などで用いられることも多い。
なお、ダンス付きのプロモーションビデオも制作されている。おさかなボーイ・おさかなガール・おさかな博士という、JF全漁連が1988年に発表したキャラクターのほか、ダンサーとしてどーよ(当時)のケンキが出演していた。
- 西脇彩華:9nineメンバー。2002年に発売された、柴矢裕美によるセルフカバーアルバム『柴矢裕美と歌おうレッツ・シング!! ヒロミwithフレンズ』で「フレンズ」としてコーラスに参加している。
- 川村文乃:アンジュルムメンバー。「川村あやの」名義で2010年に『おさかな天国2010』をリリースしている。当時「高知県おさかなPR大使」を務めており、のちに作詞を手掛けた井上輝彦がプロデュースするはちきんガールズに加入している。
- 内山信二:2006年に発売された、食べ物を題材とした楽曲のトランスカバーアルバム『まんぷくトランス』で歌唱を担当
- ベッキー:一般流通はしなかったが、2001年に制作されたデモ版があることを井上輝彦が自身のブログで明かしている。
このほか、テレビアニメ『ベン・トー』で挿入歌として佐々木温によるカバー版が使用されている。
シャリタツ:倒すととくこうの努力値が+2される寿司モチーフのポケモン。とくこうは「知力」に置き換えられているが、これも元ネタだろうか?