概要
書き手(ライター・記者)がブログ、テレビ番組、SNSやプレスリリースなど他媒体の情報を参考にしただけで、独自の取材を一切行っていない記事のこと。独自の考察や感想を交えている場合もあり、単なる転載とは異なる。
こたつ記事だからといっても一概に悪いわけではなく、新商品情報やコラムのようなものなど、こたつ記事であることが問題視されない種類の記事もある。しかし、新聞や放送といったマスコミは政府の広報機関ではないので、行政のプレスリリースを右から左に流しているようなものは「手抜き」「大本営発表」として問題視される。また複数の情報源による裏取りをしていないため、誤った情報を垂れ流してしまうという危険もある。悪質なものになると、電子掲示板の書き込みを自作自演したり、ただ芸能人の悪口を書いただけのような記事もある。
放送局が自ら発言の文字起こしを行って全文をネットに掲載していることがあるが、話し言葉をそのまま書き写しているため冗長でわかりにくいという問題がある。かといって一部の発言を雑に切り取っただけだと発言が全然違う意味で伝わってしまいかねないので、発言の意図を汲んだ上で端的にまとめたこたつ記事の需要はあると言える。もちろん、記事のまとめ方次第では発言の一部を切り取って誤解を招くようミスリードすることも可能だが、こたつ記事だけの問題ではない。
なお、第三者がテレビ・ラジオ・YouTubeなどの出演者の発言を丸ごと書き写したものは、権利者の許可を得ない発表は著作権侵害となる。
余談
ウィキペディアは独自研究が禁止のため、こたつ記事でも出典として求められているメディアである。同サイトでは検証可能性と呼ばれるルールがあり、サイト利用者が出典内容を確かめられなければならない。テレビやラジオの番組を出典に使う際、名前や放送日はわかっていてもそれだけでは出典として認められないのだが、番組内容をまとめたこたつ記事があればソースとして使える。また、SNSやブログ、個人サイトは、著名人以外の匿名利用者の場合は通常、直接出典には使えないが、こたつ記事によって出典として有効になるのである。
関連タグ
独自研究...ある意味こたつ記事の対義語。