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概要編集

オオヤマツミの子で、クシナダヒメの両親。

アシナヅチが男テナヅチが女の夫婦神である。

古事記では「足名椎命・手名椎命」、日本書紀では「脚摩乳・手摩乳」と記されている。

名前は手や足を優しくなでるという意味のほか蛇神ともされる。

(父のオオヤマツミは下半身がヘビの姿なのであながち間違いでもない)


登場は八岐大蛇の段。

元々8人の娘がいたが、そのうち7人を大蛇に食われ、最後に残った末娘のクシナダヒメまでとうとう食われるというところでスサノオが登場。

「大蛇を倒したあかつきにはクシナダヒメを妻にしたい」というスサノオに対して初めは訝しむが、彼がアマテラスの弟だと名乗ると要件を承諾し、スサノオに大蛇退治話を依頼する。

このとき娘のクシナダヒメをスサノオに献上したところ、その場でクシナダヒメはに変えられ、スサノオの髪に挿された。


その後はスサノオの指示に従って大蛇退治の準備を行う。八塩折之酒と8つの門を作り、それぞれの門に酒を満たした酒桶を置いたという。


大蛇を倒した後に須賀の地に移住したスサノオは、アシナヅチに稲田宮主須賀之八耳神の名を与え、宮の長としたという。



そのほか編集

アシナヅチとテナヅチはその後(?)子孫のタケミナカタのいる諏訪に向かう。

今は足長神社、手長神社にまつられており、手長神社は高島城の鬼門にもあたったため

諏訪藩の神社として信仰を集めた。


今であれば足長神社、手長神社の祭神はアシナヅチ・テナヅチであるが

それ以前から足長様手長様という土着神がいたとされその神と同一にされたと思われる。


アシナヅチ・テナヅチはオオヤマツミの子でありクシナダヒメの両親であり

スサノオの義両親であり大国主の先祖(一説には曽祖父)である。


余談編集

スサノオに大蛇退治を依頼するにあたり娘のクシナダヒメを差し出すことは、アシナヅチとテナヅチから見れば相手が大蛇からスサノオに変わっただけで、大切な娘を余所に献上することに変わりはない。

それでも承諾したのは、大蛇の供物ではなくスサノオの嫁として差し出すならば娘の命が助かるためである。


こうして差し出されたクシナダヒメを、スサノオは受け取ってすぐに櫛に変えてしまうのだが、その理由は姿を変えて隠そうとした以外にも諸説あり、その一つに「婚姻の暗示」とする説がある。


前述の通りアシナヅチ・テナヅチの名には「手足を撫でる」の意味があり、クシナダヒメは両親から手足を撫でられながら育てられた娘ということになる。

こうして育てられた娘を両親の撫でる手足のない櫛の形に変えてしまうことで、「お前たちの娘を、これより我がものとする」というスサノオの意思表示と解釈するのである。


いずれにしても、命を助けてもらうはずの娘を目の前で無生物にされて二人はさぞ驚いたことであろう。(一応、大蛇退治後にクシナダヒメは元に戻してもらったとする説が有力ではある。)


関連する神々や氏族編集

・オオヤマツミ

父神。姿は下半身が蛇とされ、二人の名前の由来の一つと一致する。

また、酒造りの神でもある。


・クシナダヒメ

娘。8女にあたる。スサノオの妻で大国主の先祖(一説に息子)。


・スサノオ

クシナダヒメの夫。国津神の長。


・大国主

子孫。大国主の子孫で両神の子孫でもある須佐氏(稲田氏)は須佐神社社家。


・タケミナカタ

大国主の子。諏訪大社の神。



関連項目

出雲 日本神話 クシナダヒメ

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