「全ては完璧なる調和のために・・・!」
「アラン……愛してるぞ……。」
演:勝野洋
概要
「眼魔世界」の大帝にしてアランとアデル、アリア、アルゴスの父親。
白い軍服を身に纏っている。また、アランからは「全てを兼ね備えた世界を支配する完璧な存在」と尊敬されている。
『仮面ライダーゴースト超全集』によると元々は弥生時代の地球人とのこと。
かつて全知全能の力を持つグレートアイに選ばれ“力の根源”と繋がり、選ばれし者としての力を授かる。グレートアイの力で移住した別の惑星(後の「眼魔世界」)に科学技術を発展させたが、その影響で大気汚染等の公害が深刻化し、それにより妻のアリシアや長男のアルゴス、多くの同胞を病で亡くしてしまう。絶望した彼は、グレートアイの力で誰も死ぬことのない世界を実現し、自身の古き盟友であるイーディスの考案した「眼魂システム」を導入し、自身の理想が実現した「眼魔世界」を築き上げる。
しかしさらに悲劇は続き、あくまでも人間は生身のままで生きなければならないという理念に拘り人体実験を続け多くの同胞たちの命を奪ってきたダントンと彼を支持する者たちが引き起こした眼魔百年戦争(ちなみにアルゴスはこの時の戦いで負った傷が元で病気になったらしい)でさらに数多くの同胞を失った事で感情があるから人は苦しむのだという結論にいたり、心は不要なものとして選ばれた民だけが眼魂で生きている状態で、その他の民は仮想空間で永遠に幸せな夢を見続ける世界を作り出す事になった。
当初は「完璧な世界には『心』や『個人』など不要」という理念を持っていたが、それも彼自身の「二度とこんな悲劇を生みたくない」、「誰も死んで欲しくない」という純粋な思いによる理念から来たものであったことが小説で語られている。
ちなみに父親としては、アデルよりもアランを寵愛しているような描写があるが、アリアをどのように扱っていたかは不明。
本編での主な動向
第9話にて存在が判明。ジャベルに計画の催促とアランの補佐を命じ、人間界に送り込んだ。この時、ジャベルからは「大帝陛下」、アランからは「父上」と呼ばれていた。
そして、第19話で初登場。「眼魔世界」にて、光を放つ巨大な15本のプレートに囲まれた「祈りの間」で呪文で祈りを捧げていた(画材眼魔曰く、いつも祈っているらしい)。その際、「完璧なる調和」を求めていることを口にした。
第20話にてイーディス長官と面会するために「眼魔世界」に家族全員を招集する。
第21話で「完璧なる世界」の理想をさらに広げる決意を、一同に示した。しかし、イーディスに遠い昔のことを話したり、アランに「迷ったときは自分の『心』に従え」という、元々の理念とは正反対の発言したりと、少々複雑な心境がある模様。この発言によって、アランからは動揺され、アデルからは不信感を抱かれてしまう。
その結果、第22話でアデルに見限られ、自身の眼魂を破壊されてしまう。その後、アデルはアランにその罪を着せ、新たな大帝の地位に就いた。
しかし第24話にて、四隅に柱(この柱は結界の役目を果たしている)が建てられた空間に本体である肉体が幽閉されていることが判明。その時は、「祈りの間」と同じように呪文を唱えていた。
第26話では、アリアに幽閉されているところを発見される。駆け寄るアリアを制しつつ、「アデルを頼む」と彼女にアデルの事を託し、自分を裏切った息子のアデルを気に掛ける素振りを見せた。
第27話でタケルによって救助されるが、アドニスを抹殺するために現れた眼魔スペリオルの攻撃からアランを庇い致命傷を負う。アランの腕の中で彼に「愛している」と伝えた後、アデルによってとどめを刺され、完全に消滅してしまった。
第42話にて、アドニスが祈りの間へアデルを近づけなかった理由が明かされた。それはアデルが理想に対してあまりにも純粋であり、力の根源の使い方を誤ることを恐れたため。アリアは「恨んでなどいない。愛していた」と伝えるも、アデルは聞く耳持たぬ素振りを見せた。
余談
地位を追われた身とは言え、彼が敵の親玉と言う事になるが、主人公達と戦う事はなく戦闘形態への変身も無いまま出番を終えた。敵組織の首領がこのような地味な役回りなのは、平成ライダーシリーズどころか全仮面ライダーシリーズの中でも非常に珍しいことである。最もアデルの暴走行為が無ければアランの味方化が無い事と同様に、彼も敵として立ちはだかっていたと言える。
(戦闘形態への変身がないのは、例えば『アギト』の闇の力も同様だが、彼は戦闘に加わることもあった上、終盤まで登場し続け主人公との敵対関係を保っていた)
演じる勝野洋は、第27話をもってオールアップとなった。
ちなみに英雄繋がりでいうと、勝野は『逃走中』にて織田信長を演じたことがある。
関連タグ
アリシア:彼の伴侶(妻)
だいたいこいつのせい:彼がアデルの教育を間違えた事が原因で、人間界へ侵攻する結果になってしまっている