「あの少年のような読者が私を信じている限り、お前はやり遂げる」
「主人公が2人だ、恐れることは何もない‼」
概要
CV.日笠陽子
ファンタジー伝記モノの漫画・アニメ『緋色のアリステリア』の主人公。大仰な言葉遣いが特徴。
出身作品内では、神聖ウルターシュタイン王国の姫君であり、マジ物のお姫様であった。
戦闘においては、王家に伝わる『ゲッツ・フォン・ベルリヒンゲンの篭手』を用いて、戦闘に臨む。移動手段として空を飛べる白馬グルファクシを現出させる。
彼女の戦闘能力も作中でも高い方だが、篭手の機能も、スピアや鎧等の武装のみならず、飛行可能な騎馬や魔法弓兵隊の召喚、雷撃魔法の行使など多種多様な機能を備えており、ボーダーワールド・コロッセオでは鹿屋瑠偉が操る巨大ロボット・ギガスマキナを相手に対等に戦えている。
また、彼女の回想から従軍経験があることが明らかになっているが、あくまで王族としての従軍であったのか一人の軍人としてはお粗末な面も見られ、未知の土地に放り出されたというのに現地の情報収集を怠り、『原作』世界と同じ感覚で突撃した結果無用な騒動(後述の高良田拉致事件)を引き起こしてしまっている。
彼女自身は、軍服の姫君の世界改変の計画に賛同し、自分が信じてきたものがすべて虚構である上、現実世界では、『娯楽』という扱いであったという事実に怒りを露わにしている。
現界後は彼女の創造主でもある漫画家の高良田概へと改変を迫り、さらに高良田が保護された警察署を強襲し、高良田を自分達のアジトとしている廃墟へと連行するという暴挙に及んだ。
同じく軍服の姫君の計画に賛同する煌樹まみかと交流し彼女から「アリスちゃん」と呼ばれることとなる。逆に世界改変に積極的ではないブリッツ・トーカーのことは快く思っていない。
敵対する者には極めて苛烈だが自身に懐いているまみかには心を許しており、できれば戦いは避けたいというまみかの願いにも、現実の厳しさを説きつつも理解を示している。また彼女からツッコまれた際には赤面するなど、まみかの前では普通の女性としての顔ものぞかせる。
自身の世界での暮らしから節約・サバイバル志向が強く、まみかからもらったコンビニの買い物袋を「何かに使える」と保管し、単独行動中には公園の木製ベンチを焚火の燃料にする(もちろんまみかからはしっかり窘められた)場面も見られた。
以上のように決して悪人ではないものの「自身の世界を救いたい」という願いに捉われるあまり深刻な視野狭窄に陥っており、現実世界での原作改変を一縷の望みとして盲信している。さらにファンタジー世界の出身という出自も重なって現実世界の人間を神であると信じて疑わず、異を唱える声はすべて「戯言」と切って捨ててしまう。そのため危険人物である築城院真鍳は元より世界改変に反対の立場をとるセレジア・ユピティリアら「特別事態対策会議」側の被造物達のことも激しく敵視している。
こうした態度から無闇に敵を作り、無用な戦端を開く状況を度々招いており、同志であるブリッツからは「愚かの極み」と酷評されている…が、彼女の作中の世界設定からすると、あの世界で信じられるのは『自分の信念』だけであり、この状況に至ったのも止む無しと言える面があるのも、また事実である(ブリッツも、酷評の一方でそのことは認めている)。
余談
キャラクター原案ではアニメ本編よりも甲冑を多めに設定されていた。
関連タグ
創造主
仲間
12話以降のネタバレ注意!
そんな彼女もまみかの死や水篠颯太との対話、セレジアとの戦いへの軍服の姫君による介入などの経験を経て己の在り方を考えるようになり、高良田とも改めて対話。「創造主にできるのは辻褄合わせがせいぜいであり、世界を救うのはあくまで主人公でなければならない」という高良田の創作に対する向き合い方を知り、この世界で自分のできること、すべきことをするという決意を語った上で彼を解放、アルタイルに対して謀反を企む。その後は真鍳に単独で接触するなどの独自の行動をとり、ボーダーワールド・コロッセオでの全面衝突ではアルタイル陣営という立場を利用して対アルタイル陣営の被造物と表向きは敵対し、鹿屋と激突しながら内密で協力を申し込む。18話にてアルタイルに反旗を翻し対アルタイル陣営と結託、高良田たちが行った改変によって新たな力が付加された篭手をその手に、アルタイルと対立する。
また、この時セレジアと鹿屋との連携でアルタイルに攻撃をかける際に「まみかの敵(かたき)!」と言っていたことから、単独行動時に突き止めたか、あるいはボーダーワールド・コロッセオで鹿屋と激突したときに聞いた可能性が高い。
(鹿屋は11話で颯太からまみかを殺した犯人がアルタイルであることを聞いている)
そして、物語の主人公として正しいことを成すべくアルタイルと1対1で対決。篭手の力を最大限出し、聖槍でアルタイルを貫く…
さらにネタバレ注意!
…その攻撃はアルタイルの森羅万象(ホロプシコン)によって因果を自身に変換され、自分が貫かれてしまった。それでも諦めず、最後の力を振り絞って篭手で攻撃するが、最後の努力も虚しく、自分の顔にも因果を変換されてしまい、まみかの敵を取ることができず戦死、消滅してしまった…。
その様子を中継で見ていた高良田は、CICから出て、ただひとり涙を流して絶叫するのであった…。
彼女の死は高良田の心に深い傷を残すも、生前に彼女に送られた「うんと面白いものを死ぬ気で描け」という言葉を胸に活動を続け、最終話にて講学社漫画賞少年向け部門を受賞した。
同話では終盤、とある建物にまみかとのコラボレーションポスターが飾られている。そこには彼女の台詞として下記の台詞があった。
「私は、まみかのようになりたかったのかも知れない・・・・・・」