「君が一生懸命やっているのなら、自分に嘘を吐いていないと自分自身に誓えるのなら、何を言われても気にしないでいい。君の歩幅でやればいいの」
概要
CV:小松未可子
劇中に登場する人気アニメ「精霊機想曲フォーゲルシュバリエ」のメインヒロイン。
原作劇中の設定年齢は19歳。現実世界で取得した免許証(後述)では8月18日生まれとされているが、これが原作での設定に準じた日付かどうかは不明。
アズメリオン王国騎士団の一員で、2機ある主役機のうち1体のフォーゲルシュバリエのパイロット。
所謂戦うヒロインである。
軍服の姫君によって、アニメ版「フォーゲルシュバリエ」の世界から召喚され、水篠颯太の部屋に現界する。
颯太から現実世界では自分はフィクションの登場人物に過ぎない事を知らされ、その縁で行動を共にすることになる。
颯太に対しては「年上のお姉さん」としての振る舞いが多く見られ、彼の背中を押すメテオラに対し先を行き彼の手を引く立ち位置にある。
軍服の姫君との交戦によってフォーゲルシュバリエを失い、以降はサーベル「ソードリベリオン」を用いて戦う。
しかし生身での戦闘能力に関してはそれほど高くなく、煌樹まみかやアリステリア・フェブラリィとの戦闘では苦戦を強いられることになる。
正義感が強く、行動的で前向きな性格だが、命がけの戦いの世界の出身ということでシビアな考え方をする一面もあり、前述のまみかとの戦いでは自分の世界の感覚のままに周囲の被害も考えずに戦うまみかに対しその認識の甘さを指摘、一喝している。
一方で平時は気が緩んでいるためか冷静さが若干薄れ、創造主である松原と口論を繰り広げたり、デートに名乗りを上げたのを鹿屋に一蹴されて憤慨したりと感情的な姿が目立つ。
軍服の姫君から提案された世界改変の話については彼女のもったいつけた態度が信用ならないとして当初から懐疑的であり、早々に決裂。
その時点では単に協力を拒む程度のものであったが、メテオラによって「大崩壊」と名づけられた世界規模の大災害の危険性を提示されたことで、「元の世界への帰還」に加えて「軍服の姫君の阻止」を目的に据えて明確に敵対することを決意する。
自分の作品の作者である松原祟やまりねと出会ってからはまりねの家に住まわせてもらっている。
現実世界の食事に関してはそれなりに気に入っているが、さすがにわさび入りの寿司を引き当てた際には頭を抱えていた(「わさび抜きを頼んだのに!」と悲鳴を上げているので、少なくともわさび初体験ではなかった模様)。一方で飲酒も嗜んでいるようで、対策会議との協力を取りつけた帰りの電車の中ではビールを買って帰ろうと言い出したまりねにノリノリで同意している(セレジアは未成年(19歳)だが、異世界出身の彼女に未成年飲酒をツッコむのは野暮であろう。現界後の飲酒については……同居しているメテオラが止めてくれたと信じよう)。
一方、パイロットということもあってか現実世界のテクノロジーにも興味が強く、対策会議合流後には支給されたスマートフォンを早々に使いこなし、16話では普通免許を取得していたことも判明(本人のドヤ顔からして対策会議の忖度によるものではなく、正規に試験に合格して取得した可能性大)。なおこの時の会話によると、元々乗り物を運転することは好きだった模様。さらに、後述のフォーゲルシュバリエ現界の際には羨む鹿屋にギガスマキナとの操作系の違いについて言及しており、コックピットに入れてもらったことがあることが示唆されている。
また、前述の通り彼女は「フォーゲルシュバリエ」のアニメ版から現界している為、アニメではまだ描かれていない部分の原作の展開については一切の知識がない。しかし、まりねと出会った時点ではその事実は判明していなかったため、後の展開についてよりによって原作イラストレータ本人から盛大なネタバレをくらう羽目になった(しかも「親友が敵のスパイ」「その親友によって仲間が殺される」という超重要事項二連発)。
(改変時の姿)
後に松原とまりねがSNSに実験用のイラストを投稿してファンの共感を得て改変が行われたことで一時的に炎の詠唱能力を操れるようになった。
エリミネーション・チャンバー・フェスにてフォーゲルシュバリエが現界したことにより喜びの声を上げ、最終決戦に全力で臨む。
しかしこの時、おそらくセレジア本人が一番驚愕するであろう衝撃的な人物が敵側についていることを、このときはまだ誰も知らなかった…。
余談
16話のエリミネーション・チャンバー・フェスにてキャラクターの声を担当した声優として小松未可子本人が登場した。
フォーゲルシュバリエ
セレジアが使用する搭乗型ロボット。全長約17メートル。コックピットは胸部にある。攻撃方法はサーベルと波動詠唱による魔法。
Re:CREATORS本編の第1話にて颯太がタブレットで見た公式サイトの記述によれば、フォーゲルシュバリエは劇中では2機存在しているらしく、セレジアの機体はその内の1体。もう1体はおそらく主人公のカロンが所有していると思われる。劇中では「精霊機」という名称で呼ばれている。I-IV氏曰く「サンライズ系のファンタジーな『聖戦士ダンバイン』で『ファイブスター物語』な感じで作りました」という。
原作を読んだ限りではフォーゲルシュバリエは技らしいものは持っていなかったらしく、魔法陣を表示して好きなように動かしてくれと言われたとのこと。巨大な魔法使いの杖をイメージしてシルエットは杖っぽく先端を曲げてあり、その内側には魔法的な何かの結晶を埋め込んである、それがセレジアが暮らす世界の機械の特徴だという。フレームは金属であるものの装甲は魔木製、あるいは魔法に関わる巨大な虫の殻や石を用いて作成されたと想定してデザインしたという。
因みに、名前のフォーゲルはドイツ語で「渡り鳥」シュバリエはフランス語で「騎士」と読み、翻訳すると「鳥の騎士」である。確かにフォーゲルシュバリエの背部には翼らしきパーツがあるうえに、飛行する描写がある。
Re:CREATORS本編では1話で物語内で軍服の姫君によって消失させられたためしばらく出番はなかったが、ボーダーワールド・コロッセオにて改変で新たな波動詠唱能力が付加された状態でメテオラが擬似的な森羅万象(ホロプシコン)で再現させたことで再登場した。なお、コックピットはギガスマキナと同様の全天周囲モニタータイプだが、操作方法は違う。
関連イラスト
関連タグ
創造主
仲間
18話以降ネタバレ注意!
ボーダーワールド・コロッセオにて松原たちが改変で追加した対幻想ペンタグラム(小規模結界魔法)でアルタイルを閉じ込めることに成功、鹿屋と寝返ったアリステリアによる連携攻撃でアルタイルを倒す一歩手前まできたのだが突然、空から黒い駆動体が現れギガスマキナとアリステリアの攻撃を妨害、作戦は失敗する。
そして、アルタイルが不適な笑みを浮かべると同時に改めて自分達の前に姿を現したその機体を見て、セレジアは悟り、驚愕する…。その機体は、自身の恋人であり、自身が登場する作品の主人公の機体。すなわち、カロン・セイガであると……。
カロンの突然の登場によってセレジアは激しく動揺し、彼に攻撃を向けようとした鹿屋に対してカロンを守るべく無意識に攻撃してしまう。そのあとも鹿屋のカロンに対する攻撃を妨害する形でカロンの説得を試みるが、アースメリアにおける戦闘で多くの仲間を失い、加えて心の支えだったセレジアも現界によって行方不明になったことで心身ともに完全に疲れ果てていた最悪極まりないタイミングでの現界によって、物語世界の設定から解放されてしまったことで心が折れていたということ、何より創造主である松原を始め、現実世界の人間との交流が全くなかったせいで「世界は必ず変革できる」と以前のアリステリアと同様に完全に盲信している今の彼には自分の声は届かなかった。そして、この行為で図らずも仲間の鹿屋を負傷させてしまう。
このように身内の出現に戸惑っている自分にひかゆが声をかける。「彼のことを大事に思っているのは分かります。でも、だからといって、これまでセレジアさんを信じてきた人たちを、セレジアさんが信じた人たちを、全部捨ててしまうんですか!?それが、セレジアさんが最後に選んだことなんですか!?」と…。
この彼女の説得によって、セレジアは迷いを完全に振り切り、辛いことだと理解しつつもカロンと戦うことを選択した。
カロン「しかし今のお前ではオレに勝てない。それでも戦うか!?」
セレジア「ええ。私にしかできない、私の戦いを…!!」
そして、両者は剣を交えながら語り合う…
現界前に、お互いに力の競い合いを、戦いにおいて背中を預けあったこと、一緒に楽しく過ごした日々を…
カロン「無駄だ、お前ではオレに追いつけない。力が1つ及ばない。」
セレジア「そう…届かないアナタの背中を、こうやって追い続けてきたの…」
「それは…楽しい日々だったわ…」
回想
カロン『セレジア!迷ったらオレの背中を見ろ。そしてお前が、オレの背中を守れ!!』
セレジア『…!』
カロン「オレもだ。日々成長していくお前を見るのは、オレの喜びでもあった…。」
「…あの美しいアースメリアに帰ろう!セレジア!」
セレジア「アナタは…いつもそうやって真っ直ぐで、意固地なくらい…」
「だけどね…私はアナタのそういうところが…好きだったのよ…アナタは、気づかなかったみたいだけど…。…本当に…好きだった…!」
カロン「…こんなことになろうとは、思ってもみなかった…。世界を救う最後の障壁が…」
「まさかお前だったとは!」
「ええ、ひどい物語だわ…」
そしてセレジアはフォーゲルシュバリエでカロンの攻撃を直に受けた状態で詠唱を発動。カロンを彼の機体ごと自身に拘束する。
さらに、鹿屋に「私自身ではカロンに勝てない。今の傷付いたギガスマキナでも。だから、リフレクターフィールドを全力展開しカロンを自分ごと殺れ」と指示した。
鹿屋はそれを拒むが、
「鹿屋、私が選んだ、私の物語は…」
「…これなの!」
この時点で、彼女はカロンを道連れに自爆することを決意していたのである。そして、現界後に初めて出会った仲間の被造物で、今となっては親友の間柄であるメテオラに別れを告げる…
セレジア「メテオラ、私は退場。…やり遂げて。」
メテオラ「!…」
鹿屋は「諦めたくない」と自分を救ってみせると口にするが、
セレジア「やりなさい!あなただって、主人公でしょ!!!!」
鹿屋「!……くっそォォォォォオオオオオ!!!!!!」
セレジアの言葉を受け、主人公としての責務を果たすべくリフレクターフィールドを全力展開した鹿屋。
その様子を中継で見ていた松原は声を荒げて止めに入る。
松原「逃げろセレジア!もういい!!ヒロインも物語もやめちまえ!!!!」
しかし、時は既に遅く、術の影響でフォーゲルシュバリエは徐々に崩壊。コックピットの中で爆発の炎に包まれる彼女を、驚愕と悲しみの表情で見る仲間の被造物たちと創造主たちの前で最後に、セレジアは生みの親である松原崇にこう告げたのである…
セレジア「松原…。私の世界に…お話と…コーヒーを…作ってあげて……」
…………お願いね
エリミネーション・チャンバー・フェス終了後、松原から自身の死を嘆かれるが、そんな彼にメテオラは「あなたが作品を描き続けるかぎり、彼女の物語は終わらない。そして、彼女からの約束どおり、彼女の物語にお話しとコーヒーを創ってあげてほしい」と諭され、松原はまりねとともに執筆活動を続けることを決意した。
エピローグにてアニメの続編、
精霊機想曲フォーゲルシュバリエ セカンドシーズン
の放送が発表され、その告知PVにてセレジアがフォーゲルシュバリエで大空を舞いながら、執筆活動を再開する颯太にエールを送るかのように話しかける場面で、本作の彼女の物語は本当に幕を下ろす。
そう、戦いは続くけれど、やれるわよ!
きっとあなたなら!