概要
プロトゼロは机上の零号機を元に異なる時代に2機作られた。この内の1号機がAC暦における白雪姫(スノーホワイト)、2号機がEW版ゼロのベースとなった機体である(後述)。
試作零号機は全てのガンダムの原型となった机上のプロトゼロであり、これを起点として《魔王》《プロメテウス》《シェヘラザード》などのオペレーション・メテオで使われたガンダムの原型機(FT登場機のオリジナルでもある)が開発されている。
基礎設計はドクターJを始めとしたガンダム開発者が担当。共通する要素としてネオバード形態への変形やシールド等の武装を有するほか、ガンダニュウム合金の本格採用やツインアイ、インターフェースにゼロシステムを搭載するなど画期的な面が数多く見られた。
1号機 / スノーホワイト
『FT』に登場。
第一次月面大戦中にドクターJが独自に建造した機体で、MC暦における《白雪姫》は本機を最新技術を投入した上で再建造した機体である。
本機とその武装は《白雪姫と七つの矮星》とも呼ばれる。
ドクターJは建造当初から本機を白雪姫と呼称しており、MC歴における機体名はそれにならった形である。魔王以外の試作機も同様。
カラーリングはFT12巻表紙に則ればライトパープルとホワイトのツートンカラー。
『FT』過去編の挿絵ではプロトゼロと特に変わらないデザインだった。しかし後に立体企画でスノーホワイドプレリュードが設定され、一部媒体における設定と挿絵で齟齬が生じており(後述)、現状では不透明な点が多い。
本機には地球圏最強の腕前と言われるスナイパーのアディン・ロウが搭乗。ロールアウト段階では狙撃シークエンスやツインバスターライフルが未完成であり、ゼロシステムも搭載こそしているが当初は起動していなかった。
ドクターJはアディンの腕前に着目して「最高のスナイパーMS」として完成するためにアディンの狙撃能力をOSに学習させ、ゼロコンマ単位で高めた狙撃能力を完成させると考えていた。
事実、その目論見通りアディンは途中起動したゼロシステムの補助があったとはいえ、宇宙要塞バルジの主砲中心部分を始めて乗った本機で狙撃するという非常に困難なミッションをやってのけた。これ以降Jが開発したウイングガンダムやカトルが再現した2号機もまたアディンの狙撃技術が使われている。
A.C.190頃にはアディン・ロウJr・クローン・アルファが搭乗しており、未完成であった頃のウイングガンダムに搭乗するベータ、つまり指導者ヒイロ・ユイの名を与えられる本編主人公と模擬戦を行っている。
後の第二次月面戦争を前にアルファは脱走、紆余曲折あるがカトルと邂逅したのち1号機を譲渡、その後ウィナー家により解体されたものの、廃棄はされず残されていた。
主武装はバスターライフルとメッサーツバーク(ドライツバーク、ドッペルト)。メッサーツバークは主に連結させた状態で運用されている。
ウイングガンダム スノーホワイトプレリュード
『FT』12巻表紙で描かれた白雪姫を元に、『GUNDAM FIX FIGURATION METAL COMPOSITE』(GFF)でカトキハジメ主導のもと再設定した機体。デアゴスティーニの『週刊モビルスーツ・バイブル』の開発系図では、1号機の前段階にあたる機体と解釈されている。
ウイングバインダーとは別に、ジョイントアームを介して左右六枚の羽で構成されるセラフィムユニットを装備。これらを併用してセラフィムバインダーとして運用する。
セラフィムユニット部にはメッサーツバークの発展型と推測されるノイエツバークをマウント。片側3基、計6基の装備が可能。ノイエツバークはメッサーツバークと同じくツインバスターライフルの拡張パーツとなり、6基装備のドッペルトの他、シールド装備のシールドツバークなど様々な形態がある。
また、翼の配置を変更する事により攻撃形態のモードアンセム、防御形態のモードロンドに移行する事も可能。ネオバード形態への変形をはじめ近年の立体展開ならではの多彩なギミックが盛り込まれている。
プレリュードがどの時点で開発(改修?)された機体なのか定かではない。
設定を詰めずに玩具企画が先行してしまったこともあり、処遇は現在でも宙に浮いてしまっている。
カトキハジメ氏からも、メタルコンポジットにおけるアレンジ自体が玩具としてのプレイバリューを優先しており、設定に準拠している(設定そのものを更新している)わけではない旨の発言がデスサイズヘルEWの商品化発表時になされており、厳密に設定を定めているわけではないのが実情であろう。
2号機 / ウイングガンダムプロトゼロ EW版
『敗栄』におけるウイングガンダムゼロ(TV版)。事実上の2号機で、こちらはTV版ゼロのデザインを踏襲しつつ堅実にアレンジされている。H教授の設計図面から建造されている点も同様である。
プラモやGジェネ等の別媒体ではプロトゼロEW版とも呼ばれているが、TV版から機体名称が変わっているだけにややこしい(TV版ゼロの名称はそのままである)。
トラントがゼロシステムに取り込まれ暴走する点まではTV版に準じているが、デュオ・マックスウェルとの戦いでヒルデ・シュバイカーの宇宙用リーオーがガンダムデスサイズヘルに加勢する場面に変更され、トラントがゼロシステムの精神的負荷に耐えられずに最終的に自爆した。
しかし胸部ブロックを中心にフレームはある程度無事だったため、ハワードはゼクスに回収を依頼。無理がたたって限界を迎えていたトールギスFの修繕に追われていたハワードに対し、改修されていた本機のゼロシステムが改修プランを提示。ウイングバインダーの発展型とウイングガンダムと同型のパーツを移植し、EW版デザインのウイングゼロへ改修された。