エッセンツァ
えっせんつぁ
アルファベット表記「Essenza」。フルネーム「エッセンツァ LP830-2 SCV12」(人によってSCV12を真ん中に持ってくるか後ろに持ってくるか変わるが、特に細かい規定はない)。
ランボルギーニのモータースポーツ部門「スクアドラ・コルセ」が40台限定で生産したサーキット走行専用のマシン。2021年、上海モーターショーにて初公開。
往年の名車である「イオタ」や「ディアブロ」等の遺伝子を受け継ぐモデルとされ、ランボルギーニによれば史上最もパワフルかつ、最後の自然吸気エンジンを搭載する車種になるという。
ワールドプレミア自体は2021年だが、オーナーへの納車は2020年12月に開始された。マシンは本社工場の近くに建てられた個室タイプの車庫に保管され、オーナーはセキュリティカメラに接続された専用のアプリを通して、24時間車を監視することができる。
オーナーの要望に応じてマシンを輸送するシステムとなっている。マセラティ MC12 コルサやフェラーリ XXプログラムの各車種なども同じシステムだが、ランボルギーニはオーナーの希望でいつでもマシンを持ち帰ることができるようになっている。マシンは公道を走行できない為、オーナーがマシンを移動させる手段を持っていない場合、FIA(国際自動車連盟)クラスのトラックでの輸送、マシンのメンテナンスなどを依頼することもできる。
先のXXプログラムと似た様なシステムとして、「ランボルギーニ・スクアドラコルセ・ドライバーズラボ」にて、ランボルギーニのレーシングドライバーの練習に近いフィットネス・トレーニングプログラムが体験できる。2021年に開始されたこのプログラムは、ル・マン24時間レースで5回優勝したエマニュエル・ピロや、スクアドラ・コルセのファクトリードライバーであるマルコマ・ペリもサポートしている。
また、本車のみで行われるワンメイクレースも予定されているとの事。
なお、エッセンツァ SCV12の公式サイトにてレースカーの血を全面に押し出したインテリアを見る事が出来る。
(本記事末尾、「外部リンク」にリンクあり。)
過去にもサーキット走行専用の車は、過去にデビューしたモデル(例:ガヤルド、ムルシエラゴ、ウラカン)のGT3仕様や、「セストエレメント」なる市販されたサーキット走行専用の車が存在したが、そのどれと比較しても妥協を許さない、まさに「本気でサーキットを走る」用のビジュアルをしている。ヘッドライトはフロントバンパー下部の2箇所に随分と小さいもの(もはやただのフォグランプ)しか装備しておらず、リアにはレースカーによくあるタイプのいかついリアウイングを装備する。また、パッと見ではサーキット走行専用としか見えない事でおなじみのヴェネーノと同じ様なエアインテークを備える。
マシンサイドには見る人の目を惹く、大きなランボルギーニのエンブレムが描かれている。
後期型ムルシエラゴから長らくランボルギーニのフラッグシップモデルの心臓となり続けた6.5L V12エンジンを限界まで強化し最高出力830psを発生する。なお、ランボルギーニにおける純内燃機関マシンとしては今現在(2022年末)では最強のエンジンとなっている。
長年のレース参戦で培った技術をフル活用し、12段階で調整可能のトラクションコントロール(TCS)と、同じく12段階調整のABSを搭載。トランスミッションは6速シーケンシャルミッション(愛称「X-Trac(X-トラック)」)を搭載。