エレファントマン
えれふぁんとまん
エレファント・マン(ゾウ人間)と呼ばれた実在の人物、ジョゼフ・メリック(1862 - 1890)の生涯を描く。
頭から体の半分にかけて骨と皮膚が大きく膨れ上がっており、ゾウのように見える奇形からそう呼ばれた。
映画より先に戯曲になっており、1977年にイギリスで初演。世界中に広がり、日本でも上演されている。メリック役はフィリップ・アングリム、ブルース・デイヴィソン、デヴィッド・ボウイ、マーク・ハミル、市村正親、大場泰正、藤原竜也など。
本人はジョゼフ・メリックであるが、メリックを診察した医師のフレデリック・トレヴェスが回顧録にジョン・メリックと記し、それを基に戯曲が書かれたため、メリックを扱った作品では「ジョン・メリック」という役名が定着している。
ジョゼフ・メリック
1862年8月5日生まれ。イギリス・イングランドのレスター出身。
裕福な家庭で育つが、実母を病気で亡くし、後にやってきた継母に疎まれて家を出る。
奇形のため通常の働き口がなく、21歳で見世物小屋に入る。興行のため、エレファント・マンの芸名(?)と、「胎内にいる間、母親がゾウに襲われたため奇形になった」という設定がつけられた。本人いわく、このころは待遇がよく、十分な稼ぎも得ることができたという。
しかし時代の変化とともに、見世物小屋は反社会的として排除され、メリックは興行をしながらヨーロッパ中を転々とすることになる。やがて悪い興行師に稼ぎを騙し取られ、放浪の末ロンドンに帰ってきたところを、フレデリック・トレヴェス医師に保護される(トレヴェスには以前、診てもらったことがあった)。
以後、ロンドン病院に入院生活を送る。新聞で寄付を募ったことによって有名人になり、アレグザンドラ皇太子妃の訪問を受けたこともある。
1890年4月11日没。享年27歳。死因についても謎が多く、諸説あるが、映画では普通の人と同じ姿勢で眠ろうとしたことが死に繋がった、という説を採っている。