曖昧さ回避
- 鉛筆の尻についている消しゴムのこと。以下のもののネーミング元。
- 映画タイトル。本項にて記載。
- 漫画『僕のヒーローアカデミア』の登場人物「相澤消太」のヒーローネーム。→相澤消太
- アニメ『勇者王ガオガイガー』のロボット・超竜神が使用するハイパーツール。
概要
デヴィッド・リンチの長編デビュー作。
悪夢そのものを映像化したような不条理な内容で、それまで存在したどの映画にも似ておらず、以後に撮られるすべてのリンチ映画の要素を内包しているといわれる。
内容はリンチの実体験を基にしており、舞台はフィラデルフィアの工業地帯をモデルにしている。恋人が妊娠し、父になることの不安に苛まれ、赤ん坊を残して妻が去ってしまうというあらすじは、当時の状況そのままである。
劇中に登場する奇形の赤ん坊は名前がなく、撮影現場ではスヌーピーの兄から採って《スパイク》と呼ばれていた。造形があまりにリアルなため、観客の間では本物の家畜の胎児を使ったのではないか、などと議論になった。リンチはこの件に関してずっと黙秘を貫いている。
資金難から完成まで5年を費やされた。撮影はビバリーヒルズのセットで行われた。
封切り後は深夜興行で評判が広がり、カルト映画と化した。初週に入った客はわずか25人だったが、そのうち24人が翌週に再見したという逸話が残っている。《カルトの帝王》の伝説の始まりである。
日本では次回作の『エレファントマン』が大ヒットした後、1981年に輸入・公開された。
1997年には、リンチが音響をリマスターした「完全版」がソフト販売された。
あらすじ(のようなもの)
岩のような惑星に、ヘンリーの頭が重なる。皮膚のただれた「神」がレバーを引くと、胎児が射出される。
もじゃもじゃ頭のヘンリーは、フィラデルフィアの工業地帯に住んでいた。ある日、恋人のメアリーから出産したことを聞かされ、結婚することになる。エックス家の晩餐に呼ばれるが、食卓ではチキンが血を流して悶絶する。
メアリーの生んだ赤ん坊は奇形だった。頭は爬虫類とも哺乳類ともつかないが、少なくとも人間のそれではない。体はみのむしのように包帯を巻かれ、四肢はない。
二人はアパートで赤ん坊を育て始めるが、ぴぃぴぃと夜鳴きをする赤ん坊に疲れ果て、メアリーは出て行ってしまう。
一人残されたヘンリーは精神に異常をきたし、さまざまな夢を見る。自分の生首をイレイザーヘッドの材料にする工場、胎児を踏み潰しながらステージの上で踊るラジエーター・レディ……。
そしてヘンリーはハサミを手に取ると、赤ん坊を包む包帯に刃を向ける。
キャスト
ヘンリー・スペンサー - ジャック・ナンス
メアリー・エックス - シャーロット・スチュアート
ミスター・エックス - アレン・ジョゼフ
ミセス・エックス - ジーン・ベイツ
アパートに住む女 - ジュディス・アンナ・ロバーツ
ラジエーター・レディ - ローレル・ニア
スタッフ
音楽 - ピーター・アイヴス
撮影 - フレデリック・エルムス / ハーバート・カードウェル
データ
公開 - 1977年3月19日(アメリカ) / 1981年9月12日(日本)
上映時間 - 89分
製作国 - アメリカ合衆国
言語 - 英語
関連タグ
映画 / 洋画 / アメリカ映画 / ホラー映画 / カルト映画 / 映画の一覧