概要
1983年にタイトーがリリースした、1960年代のスパイブームを反映したサイドビュー視点の縦スクロール型アクションゲームで、その内容を一言で言えば「スパイごっこ」である。
プレイヤーはスパイとなって敵地ビルに侵入し、待ち受けるガードマンの追跡を得意のジャンプキックとピストルによる射撃、そして任意に上下降可能なエレベーターやエスカレーターを駆使して振り切り、機密書類の奪取及びビルからの脱出を目指す。
縦スクロールする画面内で、赤いドアの部屋に入って機密文書全てを奪い、地下1Fの駐車場に停められた車に到達すればクリアとなる。ただし地下1F到達時に赤いドアの入り忘れがあった場合には出口から最も遠い入り忘れのあったドア付近まで戻されてしまう。(例えば10Fと13Fの赤いドアに入り忘れてしまった場合は13Fに戻される。入り忘れが1ヶ所だけだった場合は該当フロアに戻される。)敵は前述のジャンプキックやピストルは勿論、エレベーターの底もしくは上で押し潰したり、照明を頭上に落としたりして倒せる。
全4ステージのループゲーム。
ガードマンとは直接接触してもミスにはならないが、被弾したり、段差に転落したり、勿論の事だがエレベーターに潰されるとミスになる。
83年というテレビゲーム黎明の頃の作品の為にステージ数はあまり多くなく、外観や雰囲気的にも地味ではあるが、その地味さもまたスパイものの風情を醸しており、スパイ物でありながらコミカルなイメージで人気となった。
ファミコンの他、ゲームボーイ、ゲームボーイカラー、ゲームボーイアドバンス、パソコンなど数多くの機種に移植(アレンジ含む)されており、タイトーの80年代黎明期の作品の中でも知名度は高い作品である。
派生作品
エレベーターアクションリターンズ(1995年)
スパイものから特殊部隊とテロリストとの戦いを主軸にしたアーミーアクションものに大きく変化した。エレベーターを活かしたギミックはオリジナル版を踏襲しつつ、派手なギミックやアイテム、トラップ類が導入されており、雰囲気やゲーム性もかなり異なる。また、ストーリー性もそれなりに付加されている。
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エレベーターアクション デラックス (2011年)
プレイステーション3用ダウンロード専売ソフトとしてリリースされた、初代AC版のリメイク作。オリジナルのキャラクター・世界観及びゲーム性を踏襲しつつ、ハードにあわせたギミックの追加やプレイ環境の強化が施されており、最大4人までのオンライン対戦が可能。オリジナル版も遊べる。
また、往年のタイトーレトロアーケードゲームの主人公たちがプレイヤーキャラとして無料追加配信されている。
エレベーターアクション デスパレード(2009年)
主観視点のガンシューティングゲームにジャンルを換えて発売されたアーケード向け作品。
世界観とストーリーはエレベーターアクション リターンズの流れを汲んでおり、特殊細胞P01細胞を巡る特殊部隊の戦いを描いている。画面の前に設けられた「アトラクションドア」が実際に開閉するギミックが備わっており、エレベーターを利用した攻防戦が味わえる。
エレベーターアクション インベーション(2021年)
タイトーの許諾を得てUNIS Technologyが販売したアーケード向け作品。海外のみの販売で日本には出回っていない。
エレベーターアクション デスパレード同様、アトラクションドアが開閉する筐体であり、システムや世界感も同様の流れを汲んでいるが、前回の敵が有機的であったのに対して、今回の敵は無機的なロボットによる軍団である。