概要
オナガグモ(尾長蜘蛛)とは、ヒメグモ科(学名:Theridiidae)の中のオナガグモ属(Ariamnes)に分類される30種以上の蜘蛛のこと。
極地とヨーロッパ以外の大陸で見つかり、日本には Ariamnes cylindrogaster という種のみ生息する。
同じヒメグモ科の仲間にはクロゴケグモが有名だが、オナガグモの後述の姿形がその近縁とは思えないほど尖っている。
特徴
その見た目はまるで一本の棒。とにかく細く長い。遠目で見ると全然蜘蛛に見えない。話によると寄生蜂など捕食性の蜂はこの形状のせいでオナガグモを認識できないとかなんとか?
ちなみにこの蜘蛛の腹部が伸びているのは背中が出っ張っているのであり、糸疣(糸を出す器官)と肛門と言った本来蜘蛛の体の端にある物はこの蜘蛛ではだいぶ前の方にある。
100人分のランドセルを1人で背負ってるようなものと言えばわかりやすいか。
糸を数本だけ引いた網を作る。一見何も捕まえられなさそうだが、これは条網という類のものである。
蜘蛛は歩き回る際に必ず糸を地面に残す。この残された糸を辿って蜘蛛が移動するのもよくあることで、この数本の糸だけの網はそんな蜘蛛の習性を利用する。別の蜘蛛がこの糸を伝ってやってくるとこの蜘蛛は後ろ足で糸を投げかけて捕まえるのだ。
蜘蛛を襲う蜘蛛には他の蜘蛛の巣に侵入して巣の主を殺す蜘蛛や、移動して見つけた蜘蛛を襲う蜘蛛などいるが、巣で待ちながら他の蜘蛛が来るのを待ってそれを襲うのは珍しい特徴だ。
関連タグ
アゴダチグモ:同じく蜘蛛を食べる尖った蜘蛛。