概要
『ライオン・キング2 シンバズ・プライド』には登場していないが、『ライオン・ガード』の主人公を務めている。
『シンバズ・プライド』前半三分の一(キアラとコブの少年期)はカイオンの生まれる前だが、シーズン3にて『シンバズ・プライド』後半三分の二(キアラとコブの成人期)に登場しない理由が明らかとなった。
家族
シンバとナラの息子でキアラの弟の長男である。スワヒリ語で「リーダー」を意味する 「Kiongozi」が名前の由来。
モハツの曾々孫で、ムファサとサラビとサラフィナ(ナラの母)の孫で、スカーの甥孫、アハディとウルの曾孫に当たる。
アニメ版の第一作で登場した子ライオンはキアラやコパとは別の子ライオンとされる事もある為、キアラ同様、兄または姉(便宜名フラッフィー、実写版では兄)がいる可能性がある。
親友であるラーテルのバンガはシンバの義兄弟でもあるため、カイオンの義理の叔父でもある。
性格
勇敢で誠実な性格だが、シーズン1にて「怪物ズィムウィ」(実際には蟻塚の上にいた二匹のヤマアラシ)と対峙した際には逃げ出してしまったこともあるなど決して無敵ではない。
ライオン・ガードそのものの宿命とも言えるかもしれないが、捕食者の縄張りを犯してそのままトラブルに発展することも少なくない。
シーズン3、つまり数年後にシーズン2にて復活したスカーの軍団を崩壊させ、スカーを倒すものの、スカーに命令されたコブラのウシャリによって、目にスカーと同じような傷(一本線のスカーとは異なり二本線のV字形)をつけられ、このウシャリが死の直前につけた毒の傷によって自我を失ったり凶暴化しつつあった。
- 本作では、コブラの毒には自我を失ったり凶暴化したりする効果があるとされている。
スカーとの戦いにてオーノも目を負傷したため、ライオン・ガードのメンバーはプライドランドを一旦離れてカイオンとオーノの治療にとある場所へと向かうことになった。
- ウシャリは、最初はプライドランドに共に生息していて、特に敵対していた訳でもなかったがライオン・ガードの不注意で何度も傷つけてしまい、また、誰にも見向きもされず、尊敬されなかったことが原因で、後にヴィラン化してジャンジャと共に復活させたスカーにつき、最終的にカイオンに毒の呪いをかけて死亡するというショッキングな経歴を持つ。
能力
シーズン3にて更に威力が上がったロアーの例
シーズン3第6話(又は第7話)『ドラゴンのしま(原題:Dragon Island)』より
スカーの代に途絶えてしまった、「ライオン・ガード」のリーダーに選ばれ、祖先の霊たちの力を借りて発動する超常的な雄叫びである「ロアー・オブ・エルダーズ(英雄達の雄叫び)」の力を授かり、日夜プライドランドの為に活躍している。
かなり筋肉質であり、ロアー・オブ・エルダーズ抜きにしても、同年代の頃のシンバよりも圧倒的に戦闘慣れしている。シーズン3ではより成長しており、身体、牙、ロアーの威力の全てが上がっている。また、声変わりしたことによって声も低くなった。その体格はムファサ似であり、完全に成長すればシンバよりも大きくなると言われている。
その後
シーズン3では長旅ののち、「生命(いのち)の木」にて、インドライオンの王女・ラニと出会い、やがて互いに惹かれ合うようになった。
カイオン達を追って来たジャスィリとジャンジャによって、プライドランドにジラ達が攻め込んできたと伝えられ急いで戻ったが、既に『ライオン・キング2 シンバズ・プライド』が終わった後であった。そこで独自に非公認(少なくともシンバ達からは認められているようであり、一時的な、臨時の)ライオン・ガードを結成していたジラの娘・ビタニと遭遇し、一戦を交えた(途中でキアラとコブに止められた)あと、どちらが本当のライオン・ガードなのかを決める為に争った。
最終的には、カイオンはビタニに真のライオン・ガードのリーダーの座を譲り、プライドランドを任せた後、ナイトプライドのメンバーとなり、生命の木へと戻り、女王となっていたラニと結婚して、生命の木の国王に就任した。
- カイオンは生命の木の国王となったため、場所は違えど、キアラよりも先に王の座に就いたことになる。
交友関係
ライオン以外の動物をライオン・ガードに選んだり、ハイエナと友情を培っている等、これまでのプライドランドのライオン像とは異なる部分を持つ。普段の戦闘では爪を使わない。
- ジャスィリによって明かされたが、殆どのハイエナはサークルオブライフを尊重し、種族の評判を貶めた一部の同族を毛嫌いしているらしい。つまり、シェンジなどが実は少数派だという事である。
誠実で勇敢な為に雄雌問わずに様々な動物から気に入られており、ライオンの個体数も関係しているのだろうが、同族よりも別種族との付き合いの方が目立つ。
同族の同年代の雄がアウトランドのコブ(後のキアラの夫)しか確認されていないのはまだしも、雌の場合はキアラ・ズーリ・ティーフがいるが、それでも他の種族の雌の方がより交流が深い節がある。チーターのフーリ、ハイエナのジャスィリとは特に仲良しである。
- フーリは最初、カイオンにライオンガードになる事を要請された際にカイオンの力を疑ったが、その後は強い信頼と絆を築き思考や行動を共有する事が多く、彼が不在の際は二番目のリーダーとして行動することがよくある。その為、シーズン3にてカイオンが正常な判断をしづらくなった際には、カイオンからリーダーの代わりを頼まれることもあった。
ジャンジャの敵意と嫉妬?の混じった歌 シーズン2第10話(又は第9話)『ハイエナをすくえ(原題:Rescue in the Outlands)』より「Worst Hyena We Know(ひどいハイエナさ)」。
- 実はスカーに対して歌っているが、この後ジャンジャはジャスィリと彼女の一族の子供達を本気で殺そうとした。
- 01:00~01:12の部分で、ジャスィリに当たっていたスポットライトと彼女の影がカイオンが飛び込んだ瞬間にハート型になっていて、カイオン自身の影もハート型になっている。
ジャスィリとは、初対面の際はカイオンがジャスィリをハイエナだからという理由で信用しなかったが、彼女に助けられ、カイオンもジャスィリを助けた事によって親しくなった。二名のデュエット「Sisi Ni Sawa(スィスィ・ニ・サワ)」は、シリーズ屈指の名曲として有名。二名の間にはこれまで、シンバとナラや、キアラとコブを思わせる場面もあり、両想いとも取れる様な描写がされている。
- これが本当なら、キアラもカイオンも「父の敵だった種族と恋仲になる」という運命を歩んでいる。コパとアサンテの将来がどうなるのかは不明だが、アサンテを両親に紹介し、種族の垣根を超える事を望んでいる事は判明している。
- シェンジ達の子孫でありカイオンの宿敵であるジャンジャは、ジャスィリと彼女の一族を本気で殺そうとするなどの敵だが、ジャスィリの魅力に心が惑わされ、カイオンとジャスィリの関係に嫉妬しているかもしれないという複雑な状況にある。
- カイオンとジャスィリの関係は、コパとアサンテの関係に似ている部分が多くある。アサンテは、スカーの死後に最初にプライドランドに戻ったハイエナである。
- 原語版では、カイオンとジャスィリは度々「アサンテ」という言葉を使う。「アサンテ」とはスワヒリ語で「ありがとう」を意味する。
- なお、コパやアサンテが登場する絵本は一応ディズニーが監修している為、広義の意味の公式作品ではあるものの、狭義の意味の公式作品ではなく、狭義の意味では非公式作品である。
- カイオンとジャスィリの原語版のCV達は誕生日が同じ8月18日であり、カイオンとジャスィリの日本語版のCV達も二名の関係を気に入っている事を明かしている。
- ついでにいうと、カイオンに命と引き換えに呪いをかけたコブラのウシャリの原語版のCVも同じ誕生日である。
カップリング
上記の通り、これまではジャスィリと恋仲を思わせる描写が何度か重ねられてきた。
短編コミックでは、とあるエピソードで、ズーリに好意を持たれるか、冷たい反応をされるかの分岐ルートがあるが、どちらにしろカイオンは気にしていない。
最終シーズンにて、監督がフーリとの恋仲を否定して(姉弟のような仲であり恋愛感情はないとコメントした)アジアチーターのアザードが登場し、突如インドライオンの王女・ラニなども登場し、結構な数のファンを置いてきぼりにするバウムクーヘンエンドとなってしまった。これにより数多くのファンが激怒し、監督のSNSのアカウントが炎上し更新停止する事態となった。
そんな状況ではあるが、
- 最終回、ラニが登場してカイオンとの恋愛描写があった後にも敢えてカイオンとジャスィリの友達以上恋人未満な描写が挿入されている (この様な表現が用いられたのは初)。
- 最終シーズンにていきなりカイオン、バンガ、フーリのカップリングが用意されたが、他の動物達の殆どが明確にカップリングが示唆されたにもかかわらず、ジャスィリとジャンジャに関しては明確な描写は一切避けられていた。
- ジャンジャがスカーを裏切ってからはかなり仲良くなっており、最終回のラストシーンでは親密であるような様子が確認できる。
- カイオンとフーリの恋仲を監督がSNSで明確に否定して質問にも何回も答えていながら、カイオンとジャスィリに関しては言葉を濁す、というか質問にも敢えて答えなかった。
- カイオンとジャスィリに関するエピソードは監督が直に脚本を書いていたり、二名の出会った話は個別に書籍化されていたり、監督がそれまでSNSに一切キャラクターに関する内容を投稿しなかったのが、カイオンとジャスィリの組み合わせの内容を投稿している。
などの要素から、何らかの大人の事情に逆らえなかっただけで、監督自身はカイオンとジャスィリのカップリングを望んでいたのではないかと海外で推測されている。
- ライオンとハイエナのような異種族間のカップリングは生物学上、遺伝上の問題があり、ディズニーの世界とはいえ普通に考えて無理があるように感じられる。
余談
- ジラ達を厳密にアウトランドに追放した(物理的に吹き飛ばした)のはカイオンの「ロアー」であった。それ以前にシンバによってアウトランドに追放されていたものの、カイオンによって更なる奥地へと完全に追放された。その際に、コブだけは事前に察知し、横へ離れ、伏せていた為に吹き飛ばさなかった。
- なお、カイオンは雄叫びによってジラ達を吹き飛ばした際に、「プライドランドからも、アウトランドからも、出て行け!」と言っていた為、ジラ達が追放された場所は、最早アウトランドですらもない可能性が高い。
- 実は、コブとヌカ(コブの異父兄)との初対面時、アウトランドのライオン達を昔の出来事を知らなかったため、プライドランドに住める様にシンバに掛け合う事を提案した。その際のヌカとコブの反応を見ると、そのまま仲良くなれた未来もあったかもしれない。しかし、本気でカイオンと仲良くなろうとしたのはコブだけだったが。特にコブは仲良くなったキアラに会えると思って目を輝かせていた。そんな未来が来たならば、その後の悲劇の連続は起こらず、更なるハッピーエンドとなり、物語は、未来は大きく変わっていたかもしれない。