概要
てんとう虫コミックス第37巻及び、藤子・F・不二雄大全集15巻に収録。
この餌を猫に食べさせれば、その猫にカムカムキャットと同様の能力が身に付き、人間を引き寄せることが出来るようになるが、3人を引き寄せた時点で効果が消失してしまう。ただし1985年版と2007年版では4人までという設定になっている。
ストーリー
ドラえもんは空地で箱の中に捨てられた子猫を発見し、帰宅後勉強中ののび太に声をかけ庭でこの猫について相談。「うちじゃ飼えないの分かってるくせに」と言われたが、あまりにも自分に似ていたため他人とは思えなかったことを言われ、一緒に飼い主探しを開始。
だが、訪ねた先々で「アパートではペットは飼えない」、「血統書付きヒマラヤンとアビシニアンがいる」、「猫が嫌い」、「犬ならよかったに」と言われ、公園で休憩した際のび太はもう諦めようと言い出しが、ドラえもんは「また捨てるなんて絶対やだ!」と譲らず、のび太からあと一軒だけと言われ、それがダメなら諦めることにした。
しかしその後訪れた家は、立派な家故に野良猫を断られそうという理由で止めることにし、それでものび太は聞いてみることを勧めたが、その時出て来た泥棒猫に怒る声が聞こえたためやはり断念。この後訪ねたつぶれそうなラーメン屋でも、自分一人でも食えない有様だからと言われ店内を見まわした2人もこれに納得。
「よっぽどラーメンが不味いんだね」というドラえもんに店主の男性は「何言うか、日本一うまいぞ」と反論するが、表通りに大きなラーメン屋ができたから流行らなくなってしまったことを説明。のび太は店を綺麗にすることを提案したが、客がないから金がないと言われ結局断念することになり、ドラえもんは仕方なく「カムカムキャットフード」を使うことを決め、これをこねに食べさせた。
そして効果を確かめた後、再びさっきのラーメン屋を訪れこの猫が招き猫になると説明。するとさっそく一人の男性が招かれラーメンを一つ注文してきたので、さっそく店主はラーメンを振舞い男性もその味に美味いと驚いていた。これでこの猫を飼ってもらえることになったが、ドラえもんは何だか浮かない表情で、帰宅後上記の訳をのび太に説明。
あの猫が捨てられていないか心配しながらも、2人は10日後再びラーメン屋を訪れ猫がいることを確認すると、店主に謝罪。だが店を出ると週刊誌を見て大勢の客がラーメンを食べにやって来ていて、こないだの来客の男性が有名なラーメン評論家だったことを知り2人は安心した。
アニメにおける原作との主な相違点
大山版は1985年3月1日に、水田版は2007年6月8日及び、2022年9月10日にそれぞれ放送している。
1985年版
- ドラえもんが空地に通りかかったのはどら焼きを買った帰りで、子猫は土管の中から出て来た。そしてドラえもんは子猫を見た時「僕が捨てられている!」と驚いていて、どら焼きをこれに分け与えてから「親切な人に拾われるんだよ」と言って去っている。
- 勉強中ののび太はドラえもんから「珍しいこともあるもんだ」と言われ「珍しいとはなんだ!」と言い返したが、この時子猫の件を相談され「それこそ珍しいことだ」言っている。またドラえもんは子猫をポケットから出していて、これにのび太は「子供がいなの!」と驚いていた。
- 血統書付きのネコを飼っていた男性はスネ夫に変更され、この後しずかにも飼ってくれないか相談したが、カナリアがいるためダメだったが、一緒に飼い主探しを手伝ってもらえることになった。
- 公園で休憩した時、ドラえもんは子猫と砂場で遊んでいた。
- 「いまにもつぶれそうな店だ」と言ったのはのび太になっている
- カムカムキャットフードは瓶を逆さにして、落ちて来た中身をアーンした子猫の口に落としている。
- のび太は布団を敷きながらドラえもんからカムカムキャットフードの効果を説明された。またしずかも加わっていた関係から、キャットフードは招けるのは4人までとなっていた。
- ラストではしずか、ジャイアン、スネ夫もラーメンを食べに来ていて、彼らから雑誌を見せられあの男性が有名なラーメン評論家だったことが分かった。そして皆が美味しそうにラーメンを食べているので、ドラえもんとのび太もラーメンを注文した。
2007年版
- サブタイトルが「ドラえもん飼いませんか?」に変更
- 子猫は拾われた際ドラえもんの顔をペロペロ舐めていて、この後ドラえもんがのび太の部屋で相談を持ちかける下りはカットされ、いきなり庭で話を切りだしている。またのび太はあまりのそっくりさに「可愛くないな」と笑っていたが、ドラえもんは「失礼だぞ!」と怒って魅力を言っていて、飼い主を探そうと言ったのはのび太だった。
- ドラえもんとのび太は最初に、しずか、スネ夫、ジャイアンの家で飼ってくれないか訪ねていてどれもダメだったが、ジャイアンからネコ好きな女性の家を紹介され行ってみるも、子猫を狸と笑われてしまった。そしてその後訪ねた家々でも、ハムスターを飼っているからと言われたり、ネコ科動物が好きな男性の家ではライオンが顔を出していたりと同じくダメだった。
- のび太は帰りが遅くなるとママに怒られるからと言って一人帰ろうとしたが、子猫が手を舐めてきたので少しとどまっていて、あと一軒だけと言い出したのはドラえもんだった。
- ラーメン屋が流行っていないのは店が分かりにくい場所にあったからで、のび太は店主に広告を出すことを提案していた。
- ドラえもん達が再び店を訪れたのは翌日で、子猫はカムカムと名付けられ煮干しをもらっていた。
- ラストではスネ夫も店にラーメンを食べに来ていて、この時ドラえもん達は店のことが書かれたネットニュースの印刷を見せられ先日の男性客がラーメン評論家であることに気付いた。
2022年版
- 原作の扉絵をオマージュしたサブタイトルでは、ドラえもんは目を開けていた。
- ドラえもんが空地で子猫を見つける場面はカットされている。また庭で話していた時ママに見つかりそうになったので、タンマウォッチで時間を止め飼い主探しに出た。
- 子猫は名前があった方が呼びやすいということから、のび太が勝手に「ドラ次郎」と名付けた。
- 2006年版と同じくドラえもん達は、しずかとスネ夫の家に子猫を飼ってくれないか訪ねていて、この後ジャイアンから、むしゃくしゃしているかという理由で殴られそうになったが猫を飼ってもいいと言ってくれ付いて行くも、直前で母ちゃんが泥棒猫の被害にあって気が立っていたため断念した。
- 公園で休憩をしている最中に子猫は蝶を追いかけて遠くに行ってしまい、その先で犬の尻尾を噛み襲われそうになったが、直前でドラえもんが身代わりになったことで助かった。
- ドラえもん達が訪ねた家の女性は借家暮らしで、この後訪ねた男性は猫アレルギーを理由に断っていて、犬ならと言っていた男性は私服姿の青年だった。
- ラーメンが不味いと言ったのはのび太だった。
- 男性客は表通りのラーメン店に入って食べるつもりだった。
- ジャイアンとスネ夫もラーメンを食べにやって来ていて、ドラえもん達は列に並んでいた男性が持っていたタブレットに表示されていた記事を見て、先日の男性客がラーメン評論家であることに気付いた。
- ラストではドラえもん達もラーメンを食べたくなったため、帰ったらママにラーメンを作ってもらおうと上機嫌で帰って行った。