ガブリエラ(もんむす・くえすと!)
もんくえのがぶりえら
天界が聖魔大戦に勝利した並行世界における女神イリアスが創り出した「七大天使」の一人にして、「慈愛の聖百合」の異名を持つ天使。
最高峰の癒しの技能を持ち、支援・強化魔法にも秀でている。
また、あらゆる植物を自在に操る植物の支配者でもある。
天界では大規模な農業が行われているサバサ地方を統治・管理をしており、癒しの力を備えた天使らしくその性格も慈愛に満ちていると言われている。
本性
天界の最高戦力の一人でありながら、実は邪神アリスフィーズ側に通じていた裏切り者。
正史世界におけるイリアスから名付けられたあだ名は「ウラギリエラ」。
異名とは裏腹にその本性は強欲かつ徹底して自己保身に固執し、そのためならば他者を利用して切り捨てることもいとわない野心家。
慈愛の聖百合という異名もあくまで自称だったらしく、平時でさえ自分勝手で目下の者への思いやりに欠ける性格から、元から部下の天使たちからの人望は皆無だった。
しかし、七大天使としての強大な力もあるため誰も逆らえず、「慈愛」など名ばかりの恐怖政治を敷いていた(一応、一等市民達はガブリエラのおかげで障害から回復した者もいるのだが…)。
また、彼女の担当する天界サバサはサブイリアスからは絶賛されており、天界の食糧生産を担う重要拠点なのだが……裏ではあまりにも恐ろしい実態が隠されていた。
尚、天界側に味方するルート(「魔界の審判」編)のエピローグでも「問題があった」ことから閉鎖されている。
プロメスティン(もんぱら)「警告します。ここから先は、「天界の破壊者」のネタバレがあります」
プロメスティン(もんぱら)「最後に確認します。本当に良いんですね?」
天界サバサの真実
天界サバサでは「サム」という農業好きの青年を基にした大勢のクローン人間が農業に従事していた。
しかし、サムは普段から大根飯などの粗食しか与えられず、農業以外の娯楽もなく、ある程度の年月が経過したり怪我をするなどの作業効率が落ちた状態になった場合は「次のステージ」に送られる。
その次のステージでは「サム」は検体解剖され、臓器から血の一滴に至るまで全て一等市民の治療のために無駄なく「有効活用」される。
サムの血液型すらも、元からなのかクローン生産の過程で変えられたのかは不明だが、O型のRH-(全ての血液型に輸血できる万能供血者と呼ばれる)という徹底ぶり。
あまりの手管にプロメスティンも「クローンの人権を無視しなければ」という前提で称賛したほどである。
天使兵の中にはこの実態を知った上でガブリエラへの恐怖もしくは人間に対する差別意識もあって平然とする者もいれば、サムに「自分以外に怪我の申告は絶対にするな」と懲罰覚悟で口止めして庇う者、サムを樽に詰めて川に流して脱走させる者もいた。
実態を知らずにいた者もルカ達を追う過程で夥しい「サム」の遺体を見て戦意喪失してしまっている。
天界サバサの悍ましい実態を直視したルカは、
ルカ「…何が楽園だ」
と一言吐き捨てた。
その後、邪神アリスフィーズが聖魔大戦に勝利した並行世界の玉藻の協力もあってリリス三姉妹を救出したルカ達との戦いに、ガブリエラは敗れる。
往生際が悪いガブリエラは自身の最大の攻撃でルカ達を消滅させようとするが……背後に現れた玉藻の尾で胸を貫かれ、更には業火に焼かれて消滅するという因果応報の末路を迎えた。
一応ガブリエラのフォロー(?)をすると、裏切っていたのは開戦の遥か前であり、その理由も「(天界側に)勝ち目が無いから」というもの。
ルカ達が天界側に加わって以降も内通し続けていたのも、ルカという不確定要素に頼る現状に幻滅していたこともあり、また裏切ったタイミングに関しても最高と言っていいはずだった。
このため、「魔界の審判」編の裏切りに関してはまだ分があるものではあった。
一方、「天界の破壊者」編ではルカたちに気を取られていた隙を突かれて玉藻に殺された際に「話が違う…!」と漏らしており、さらに日記には「ルカ達は絶対に殺さずに痛めつける程度にしろ」と何者かから指示を受けていたことが書かれている。
第3の道ルート(「混沌を晴らす者」編)に至っては支配地域が被る蛭蠱と戦わず部下を見捨てて逃走、華音に話を持ちかけてまたもや裏切る。
そのため信頼が底辺に堕ち、文字通り踏んだり蹴ったりな目に遭うが誰にも同情されない。
ガブリエラ撃破後、しばらくはグランゴルドに収監されるが食事もまともに支給されていなかったようで、どんぐりですら喜んで食べるほどに困窮していた。
その後グラップラー刃牙のワンシーンを再現されるレベルでフルボッコにされてもルカが見捨てるほど。
このこともあってか、七大天使の証(装備)も七大天使で唯一装備していない。
ついでに最終決戦前の野営でもルカから、
ルカ「今度裏切ったら合法的に殺せるって母さんが言ってた」
と物騒なことを忠告されてしまっている。
そのくせ、実はメンタルが弱い上に裏切りが失敗した場合の想定や覚悟が決まっていたわけでもなく、追い詰められるとみっともなく焦り倒して命乞いや逃亡も躊躇わない。
「混沌を晴らす者」編で仲間になって以降は信頼を取り戻すのとこれ以上の不義理は本当に命の危険があることから精力的に協力するものの……ところどころで逆恨みの言葉を吐いているなど、本人の振る舞いを見るに待遇が改善されることは今後も無さそうである…。
「こんなザマで本当にどうして裏切りなんて大それたこと考えたの?」と言わんばかりの浅はかさに、天界イリアスを見限る際に味方になり得ると互いに踏んでいたラファエラからも呆れ果てられる始末。
彼女も「魔界の審判」編での裏切りに関しては理解を示しているが、「混沌を晴らす者」編における裏切りは「考えが足りない」「あなたの知能を高く見積りすぎていた」と淡々とダメ出ししている。
一番優しく対応してくれるのがあまりの落ちぶれぶりに貶す気も無くしたモリガンという有様であった。
ガブリエラの裏切りには天界イリアスも激怒しており、ポケット魔城の中で本気で処断しようとしている。
なお、ガブリエラの言動や本性は、七大天使の中では創造主である天界イリアスに最もよく似ているとしか言いようがない。