逃げられると思うてか、このキャボット隊は同盟軍随一の快速を誇るのだ!
概要
『銀河英雄伝説』に登場する自由惑星同盟側の軍事キャラクター。階級は少将。第6次イゼルローン要塞攻略戦の前哨戦に登場した。小説では名前だけの紹介で、高速機動集団と称される分艦隊指揮官であったことが説明されている。活躍は殆どなく、ラインハルト少将の分艦隊によって、巧緻を極めた側背攻撃の餌食となって全滅している。
藤崎竜氏の漫画版では、容姿が設定されて実際に登場している。薄い顎鬚が特徴の容姿で、かなり好戦的な性格をしている事が窺える。因みに小説・OVAではラムゼイ・ワーツ少将率いる分艦隊が全滅した後に、彼の分艦隊も全滅の道を辿っているが、漫画版では順序が逆になっている。
手腕
原作・OVAでは明記されておらず、単なる高速機動集団としか説明が無かったが、漫画版ではその説明に肉付けを行っている。キャボット少将指揮する分艦隊は、足の速い艦艇で纏められていた模様で、恐らくは旗艦を除く他の艦艇はほぼ巡航艦や駆逐艦3000隻で構成されていると推測される。
それ故に分艦隊としての足の速さは同盟軍で随一とされ、さらに高速性を重視した単縦陣という縦長の陣形を多用している。艦隊前衛以外の後衛の艦艇は発砲できない発揮できない代わりに、圧倒的な足の速さで突撃して一点に火力を集中することで、敵艦隊を粉砕するのが彼のドクトリンである。
経歴
第6次イゼルローン要塞攻防戦の緒戦に登場。前線指揮官として分艦隊を指揮していた模様。回廊出入口での宙域確保に専念していた中でワーツ分艦隊が中央突破戦術で全滅し、続いてキャボット少将率いる集団が側背攻撃を受けて全滅している。
漫画版では、ワーツ少将共々に前哨戦の先陣として任命される。回廊出入口で帝国軍の分艦隊と戦闘を繰り広げている最中、50隻の小艦隊を追い回していた矢先にラインハルト艦隊と遭遇。この時、ラインハルトは単横陣と取って単縦陣のキャボット隊を迎え撃った。
戦力はほぼ互角であり、後は戦術で決すると思われた。キャボットは高速性による機動戦術を自負する指揮官であり、火力を前面に押してくるラインハルト艦隊に対して受けて立つと宣言する。しかし結果は惨敗を喫した。
ラインハルト艦隊は中央部隊を後退させて、両翼を展開させての包囲殲滅戦を行い、もののみごとに全滅させてしまった。キャボット少将はラインハルト艦隊の中央部を食い破ることは叶わずに側面と後背からの集中砲火で散ったのである。