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クロム・ディザスター

くろむでぃざすたー

クロム・ディザスターとは、川原礫によるライトノベル『アクセル・ワールド』に登場する人物の通称。
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概要

かつてブレイン・バースト黎明期に活躍したバーストリンカーの1人「クロム・ファルコン」が残した呪われし強化外装『災禍の鎧(ザ・ディザスター)』を装着し、残虐な狂戦士へと変貌したバーストリンカーの通称。クロム・ファルコン当人を初め、鎧に憑依されたバーストリンカーは例外なく実力者達の「討伐」によって加速世界を去っている(過去に災禍の鎧と最も闘っているのは、緑の王グリーン・グランデ)。


本来は、後述するある事件によって破壊者と化したクロム・ファルコンの通称だったが、「災禍の鎧」が装着者の精神を乗っ取ることが明らかになって以後、乗っ取られたリンカーへの通称として定着した。その姿や能力は装着者により様々だが、身体を覆うクロムの鎧と、全身から立ち上る漆黒の過剰光は全員に共通する特徴である。歴代のクロム・ディザスターは、初代のファルコンを含めて~代目と呼称される。


歴代『クロム・ディザスター』

歴代の装着者の外見・能力は以下の通り。


初代(クロム・ファルコン):自身の装甲色と同じ黒銀のプレートアーマーを身に着けた騎士型アバター。ディザスター化以前からの必殺技『フラッシュ・ブリンク』の無声発動による瞬間移動を行う。

二代目(マグネシウム・ドレイク):ドラゴンの頭部を持つ竜戦士型アバター。口から巨大な火焔を吹く『焔色吐息(フレイム・ブリーズ)』アビリティを持つ。

三代目(セントレア・セントリー):兜から覗いた足まで届く長い銀髪が特徴的な騎士型アバター。『青の王』ブルー・ナイトに比肩するほどの剣技を誇ったが、最後は彼の手によって加速世界を去った。だが・・・

四代目:蚯蚓を思わせる円筒状の頭部と細長い手足が特徴。剣の代わりに両手持ちの大斧を携えている。ブラック・ロータスを初めとした王達の共同戦線により加速世界から退場。鎧は『黄の王』イエロー・レディオの手へ渡った。

五代目(チェリー・ルーク):大柄な騎士型アバター。兜のバイザー部に『ドレイン』に使用する牙が生えているのが特徴。四代目から二年半の間を空けて出現した。手首から巻き取り式の鉤付き鋼線を射出する『鋼線鉤(ワイヤー・フック)』アビリティを持ち、標的やオブジェクトを引き寄せるのに使う他、建造物に打ち込んで長距離ジャンプを行う。

六代目(ネタバレ防止のため名は伏せる:各部にエッジの効いた蛇装甲、巨大な鉤爪、背中から尾(この部分に五代目のフックが撃ち込まれた)を生やしている。初代除く歴代クロム・ディザスターのなかでもっとも適合率が初代に近く、歴代クロム・ディザスターのアビリティを再現でき、元から持つアビリティや反射神経も相まって隔絶した戦闘能力を誇った。最終的に『災禍の鎧』の浄化に成功し、7000年にも渡る呪いを打ち破った。



『災禍の鎧(ザ・ディザスター)』

クロム・ディザスターの「本体」である全身鎧+大剣、2つセットの強化外装。着装時の段階から破壊不能の地面に亀裂を付ける黒い稲妻が発生する。また本来システム上に無いアイテムであるからか、装着時のメッセージが不安定である(6代目はそれを「BBシステムが名を示すのを拒んでいるよう」と評した)。

その秘めた能力は以下の通り。

・着装時にそれまでの損傷やHPが全快する。手足の欠損があろうが鎧の構築と同時に再生される。

・圧倒的に硬い装甲。ブラック・ロータスの斬撃やスカーレット・レインの主砲といった加速世界でも最強クラスの攻撃すら難なく弾いてしまう。おまけにクロムの属性を持つが故にほとんどの金属装甲に有効な酸化腐食系の攻撃が一切効かない。

・アビリティ「体力吸収(ドレイン)」。相手を文字通り喰らうことでHPを奪い自身を回復する。

・アビリティ「未来予測演算」。膨大な戦闘経験の蓄積から攻撃の種類(必殺技か心意技かまで示す)・軌道・脅威度(100~0の範囲)を装着者に示す。その精度は正に未来予知かつ初見の攻撃にも予測がなされるが、技の繰り出しが速すぎたり(例としては技名無しで瞬時に発動される心意技)、全く未知の種類の技だと対応しきれない場合もしばしば起こりうる。

・その他素のスペック、攻撃力、移動能力の劇的な向上。剣の一振りで多数のデュエルアバターを瞬殺したり、飛行と見紛う程の長距離ジャンプを繰り出せる。


前述された精神支配も極めて強力であり、半ば強制的に闇落ち状態に置かれる。しかもこれはゲーム内だけに留まらず、まだ鎧を装着していない段階から現実世界で聴覚はおろか視覚、痛覚まで刺激される。





この先、ネタバレ注意














































誕生に纏わる悲劇

この鎧、実は当初から呪われていたわけではなく、元は2つの高位強化外装であった。

自身がまだ手に入れて間もない『フラッシュ・ブリンク』を使った裏技的手法によって、当時侵入不可能とされていた帝城内に入ることができたクロム・ファルコンは、「フラン」「ファル」と呼び合い相思相愛のパートナーであったサフラン・ブロッサムへの想いから、深奧部に安置されていた二つの七の神器のうち全身鎧「ザ・ディスティニー」を選び取って彼女に渡した。この当時はまだ殆どのダンジョンが攻略されていなかったため、加速世界において最初に公となった神器であった。二人はこの鎧を糧に、とある夢の実現を目指して活動を開始した。


しかし、人々は残酷であった。


二人は他のバーストリンカー達によって罠にかけられ、ファルコンは目の前でサフランが無限EKされ続けるのを延々と見せられ続ける。最終的にエネミーに全損されるくらいなら、と彼女に促されたファルコンは、自らの手で止めを刺した。

愛する者を失った絶望と自分達を裏切った者達への憤怒。それは凄まじい負の心意として彼の力となり、サフランを殺し続けた巨大ワーム型神獣級エネミー「ヨルムンガンド」を素手で真っ二つに引き裂き屠る。そのままファルコンは暴走を続け、彼女から受け継いだ「ザ・ディスティニー」とヨルムンガンドがドロップした「スター・キャスター」を心意によって融合させ、遂に災禍の鎧「ザ・ディザスター」を生み出した。このため、名前も2つの強化外装のそれが組み合わさったものである(THE DESTINY+STAR CASTER=THE DISASTER)。

6代目は後になって、何事も隠さず受け入れ、映してしまう鏡のような鎧であったために、負の心意も拒むことなく受け入れてしまったのでは、と考察している。


「僕が変わってしまったら、きっとフランは悲しむだろう…でも、もう彼女はこの世界にはいないんだ」


これと同時に加速世界の本質を「闘争と憎み合い」と結論付け、その全てを破壊することを誓い、その場にいた30人以上のバーストリンカーの殆どを全損へ追い込んだ。その後も全バーストリンカーを葬り去るべくその力を振るい続けるが、そうするうちにいつしか彼の本来の名前と姿は忘れ去られ、『クロム・ディザスター』という名と、その所業のみが半ば伝説と化して語り継がれることとなる。事実、(降参する相手の首を刎ね、手足を捥ぐ)といった嗜虐的な戦い方をしていたとされていたが、実際に劇中描写のなされた1、5、6代目は、(如何に相手を効率よく倒すか)に重きを置いた、さながら戦闘マシーンのような洗練された立ち回りを取っていた(ただし、初代のトラウマを刺激するようなものを見せつけられると、この限りではないようだが)。


鎧に隠された更なる機能

・獣

鎧が取り込んできた数多くのネガティブな感情や記憶が、ファルコンの残留心意と結合して擬似的な知性として機能するようになった存在(ややこしいが、獣の意識とファルコンの意識は別である)。鎧の精神空間の最奥部にて最後の装着者は、「漆黒の炎を身に纏い、血色の双眸と長い牙を持つ巨大な何か」と認識した。鎧の精神支配の元凶で、全てのバーストリンカーを敵と見做し、戦い、倒して、喰らうことが目的。支配が進行すると装着者は現実世界でも正常な判断が不可能になるほどに異常を来す(例として、通常は危険とされる電車内での無制限フィールドへのダイブを敢行するなど)。しかし、戦闘で一定以上消耗すると眠りにつくため、この間は装着者も一時的に負の心意から解放される。完全に鎧と一体化していると声を聴くことはできず、会話するためには支配に抗って、精神的な融合率が低下した状態になる必要がある。ファルコンから生まれたがゆえに(特に罠にかけたリンカー達への)怒りと破壊衝動の塊ではあるが、同時にブロッサムへの愛情も有している。最終的に2人の意識が再会したことで鎮められ、最後の共闘者を歴代の「誰よりも強かった」と認め、「世界の禍根」である加速研究会の撃破を託し、鎧と共に消え去っていった。

・消滅耐性

通常、全損した際はバーストリンカーと共に所持していたアイテムや強化外装も消失する。しかしごく稀に、倒したバーストリンカーに強化外装の所有権が移動する場合がある。

災禍の鎧はこの確率が極めて高く、更にアイテムとして残れなかった場合でも、討伐したバーストリンカーに寄生し(明言されていないがサフランの能力と思われる)、時を置いて復活してしまう。後になり3代目の装着者によってこの辺りのロジックが語られ、曰く「自分を倒した者の心に暗い闇があればアイテム欄に直接ドロップし(2代目、やや事情が特殊だが5代目が該当)、闇がない場合は欠片を寄生させて融合の時を待つ(3代目と6代目が該当、4代目は不明)」。

ちなみに寄生は心意強化が入っているとはいえシステム上に存在しているため、特殊な技を使って解呪し、アイテムとして分離することは可能。しかしそうした場合ですら、「アイテムカードを海底に投棄したところで、鎧は必ず新たな装着者を呼ぶ」と言われたため、大元の呪いそのものを解くことは必須であったのだろう。


スター・キャスター

クロム・ディザスターのメインウェポン。本来は美しい聖剣であったが、ファルコンの負の心意に晒されたことで禍々しい暗黒の大剣へと変貌してしまう。

ファルコンの残留意識がザ・ディザスターに宿っていたように、サフランの残留意識も本来のザ・ディスティニーに宿っていると考えられていたが、劇中にて実はこちらに宿っていたことが発覚する(なぜ直接の繋がりのないこちらに残っていたのかは不明だが、長い年月の間に鎧から剣へ移った可能性がある。さらにサフラン本人も気付いていないことが示唆されている)。このことが、鎧の呪縛を完全に解く鍵となった。


神器級の強化外装と膨大な、もしくは強力な負の心意が融合すれば新たな『災禍の鎧』が生み出される可能性が劇中で懸念されていた。しかし神器やそれに準ずるほどの外装は、殆ど王などのハイランカーが保持しているため、事実上不可能とされていた。ところが…



そして…


ここから先はAWvsSAOのネタバレを含んでいます!

























七代目《カラミティ・ヴァベル》(ユイ

ソードアート・オンライン、そしてアクセル・ワールドの時代から数百年以上が経過した遥かな未来。何らかの形で存続を続けていたブレイン・バーストへザ・シード連結体を伝い、《感情退避計画》の失敗により生まれた負の感情(≒負の心意)の集合体が現れる。仮想世界へと廃棄された悪意や失意。ファルコンとサフランの意志は行き場のない膨大な哀しみと苦しみの受け皿となるべく敢えて災禍の鎧として復活する道を選び、その宿主を引き受けたのが当時のユイであった。

数百年の時を越えて仮想世界の母と呼ばれるほどの進化を遂げたユイの能力(そしておそらくは鎧自身の意志)によって完全に彼女の制御下に置かれている他、五代目の姿で鎧単独での行動も可能となっている。

負の心意の影響なのかユイとともに巨大な醜い姿へと変貌。高重力の発生やスターバースト・ストリーム(心意技ではなくソードスキルの方)の使用が可能となっている。鎧とは言うもののパーツのは本体であるユイの周囲を浮遊・追従しており、ユイ本人は一糸纏わぬ姿である。

ユイを宿主としてから更に時は流れ、自らの消滅を願うようになった彼女の意志に従い行動する。しかし最期はユイの意志に反して彼女の命を救い、自身は量子データの塵となって完全に仮想世界から消滅していった。


ただし、これはあくまでコンシューマー版SAO、更にその番外編から続く未来でしかないことに注意されたい。

AW原作やSAO原作はもちろんのこと「コンシューマー版SAOの正史」においてもクロム・ディザスターがこのような結末を辿るとは限らないし、そもそもAWvsSAO以外の作品で2作が同じ世界線の上にあるかも不明である。

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