『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON』の登場人物は豊富である。
ストーリーで緊密に関わるハンドラー・ウォルターや企業所属の部隊、解放戦線の戦士たちやならず者たち、さらには脳内彼女など、様々な人物が織りなす物語は過去作プレイヤーも新規プレイヤーも十分に楽しめることだろう。
STVのような情報ログにしかいない人物からの情報も、多くの想像を掻き立てるだろう。
ストーリーを1周したプレイヤーは、情報ログやアリーナの人物リストを眺めて確認するだろう。
そして、この人物名を見つけた画面の向こうの621たちはこう思うだろう。
「誰?」と…
この先、ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICONの深刻なネタバレがあります!未プレイ、もしくは1周目までのプレイヤーはブラウザバック推奨です!!
前置き(ネタバレ注意!!)
まず最初に、このゲームは「周回前提のゲーム」である。
1周目をクリアすると、途中から「ALT MISSION」という初見時からは展開が異なる同じ依頼が届くようになる。
このALT MISSIONや、前回選ばなかったミッションをクリアしてもう一度、このゲームを別のEDでクリアする。
すると、3周目以降にしか現れないミッションが更に出現する。
そのうちの一つが「強制監査妨害」。
1、2周目では「BAWS第2工廠調査」であった部分がこの「強制監査妨害」という依頼に変わっている。
ちなみにこの依頼、選択制でなく出現前のあるミッションをクリアした後、「壁超え」を経て完全に「~調査」の方から置換されているため絶対に受けることになる。
この依頼を受けるとウォルターから連絡が。
「ケイトと名乗る独立傭兵から依頼が来ている」
「初めまして 独立傭兵レイヴン」
「私の名は ケイト・マークソン 貴方に折り入って頼みたいことがあります」
概要
コーラルがキマった二次創作の集団幻覚でも没データでもなく、実際にゲーム『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON』に登場するキャラクターである。
しかし、ゲーム中で確認してもわかるように、ケイトという傭兵は「情報ログ」にも「アリーナ(本作で登場するAC乗りが全員登録されている、一部普通に進めただけでは会えない者もいるが、必ず基二つの分岐と真エンディングのストーリー内の何処かに一度は登場しているので会えなかった者を探してみると良い)」にも2周目以降解禁される「アナライシス(ランキングに登録されていないが特筆事項がある人物、メタ的に言うなら本物レイヴンやラスボス達の様な存在自体がネタバレになる機体のデータや、オールマインドが開発した仮設ACの情報収集のための非公開アリーナ)」にもどこにも情報が無い。
このことはウォルターからも言及されている。
3周目から出現する依頼「強制監査妨害」にて初手「独立傭兵が直接依頼を投げかける」という今までにない行為をしてくる。
その内容は「惑星封鎖機構がBAWS第二工廠を監査に来るので彼女が予定している迎撃作戦に協力して欲しい」というもの。
この時に聞こえる彼女の喋りは同じ声優が担当しているオールマインドのような自動音声アナウンスのような淡々とした喋りではなく、人当たりの良くやわらかな喋り方をしている。
この依頼を受けるとケイトからの連絡と共に惑星封鎖機構のSG機体やLC機体を相手にしつつ、「BAWS第2工廠調査」の逆のルートを進むように攻めていくことになる。
途中、封鎖機構の通信から「621ではない別の襲撃を受けている(から救援に向かえない)」という旨の連絡が入るため、どうやら彼女もしっかり仕事をしている模様。
そうして第2工廠を出て海岸線に立つと、ようやく彼女が姿を現す。ここで騙して悪いがを期待・・・危惧する人もいるがこの時は終始味方であった。
「・・・貴方が 独立傭兵レイヴン 壁越えの傭兵と親睦を深めたいところですが その時間はないようです」
こうしてさらなる戦力を投入した封鎖機構を二人で退けると、「貴方と共に戦えて良かった」という言葉を残し、どこかへ去っていく。
その後はしばらく彼女との交流が無くなるが、チャプターを進めていくと「コーラル輸送阻止」というまたしても3周目から現れるミッションにて、ゲーム中には登場しない僚機として彼女がアサインされているという旨が語られる。
この依頼のクライアントは、何とオールマインドからである。
なんでもコーラル輸送ヘリを621が打ち漏らした時の控えとして待機しているとのことであり、実際に輸送ヘリを逃すと彼女の手によって領域を離脱したコーラル輸送ヘリが大爆発する。
しかし墜とせるのは4機まで。5機逃がすとミッション失敗。
ミッション終了時、打ち漏らした輸送機の数でリアクションが違っており、全機撃破すると「素晴らしい手腕です」と評価する伝言を送る一方、4機も逃していた場合は「退屈しない作戦でした」と、間違いなく青筋を立ててそうなルビコニアンジョークたっぷりの伝言をオールマインド越しに送ってくれる愛嬌もある。(「こちとら数十機落としてんだからたかが4機で文句言うなよ」とは言わないように)
これ以降、彼女の出番は無くなる…
疑問
彼女にまつわる謎は非常に多い。
そもそも出逢いの場となったBAWS第2工廠についても
- 情報ログにて記録を抜き取られて破損した映像データの写真で「ACが映っている」
※惑星封鎖機構はACを「寄せ集め」(全パーツが好きに組み換えできる互換性を持っていることから、封鎖機構のHC、LC等は全て機体単位で独自開発されているため、サイズも規格もワンオフで組み替えできない機体である。他作品で例えるなら封鎖機構HCLCは「ガンダム」だが、ACは「ザクの頭にアッガイの腕にドムの脚にヅダの胴でギャンの盾とゲルググのナギナタを構えている」様なもの)と称して忌避しており、1機も所持していない。(ついでに言うならAC自体、互換性こそ高いが世界観的には大して強い兵器規格ではない、MTよりはマシな程度で、四脚MTの様なそれなりに重武装な機体には性能上負ける。それで世界を揺るがすからイレギュラーなのである)
- 3周目の終盤でわかるが、「調査」の際に襲撃をかけてきたステルス迷彩を持つ丸いロボットは「ゴースト」と呼ばれる”オールマインド”の刺客である。
- 「コーラル輸送阻止」を含め、コーラルの湧出した場所をピンポイントに狙った依頼でのみ登場する。
- そもそも「監査妨害」において一切BAWS製の機体(解放戦線の主力、というかそもそも「ここはそのBAWSの工場のはず」である)が一切出てこない、「ここの警備はどこに行ったのか?」。
以上の事から、封鎖機構による襲撃が原因と思われていた第2工廠の無力化は実際は1、2周目の時点からオールマインドによるものだと判明する。
コーラル輸送阻止でも僚機として登場しているが
- KRSVや背部装備のレーザーオービットを飛ばした描写もなく突然自爆したかの様に輸送機を破壊する。
- 僚機の機影が一切見当たらない。
- 最後の伝言も、同じ場所にいるなら直接通信すればいいものの、何故かオールマインドを通して発信する。
- 更にケイトの状態は常にオールマインドからの伝達となっている
と積極的に話しかけてくれていた「監査妨害」の頃とは打って変わってコミュニケーションを取ってくれなくなる。
更に更に
- 後述する搭乗機『TRANSCRIBER(トランスクライバー)』はフレーム及び武装がオールマインド製…というか2周目から挑戦可能なアナライシスのβ-1「解析対象:51-002 K」の搭乗機「MIND BETA(マインドβ)」と完全に同一
※このアナライシスは「オールマインドがこれまでの戦闘データを統合して考案した新造機体や独特のアセンブルを相手にする」というオールマインド内で完結しているものであり、マインドβはそういう意味ではゲームの世界観上、仮設段階であり今のところペーパープランなので「(まだ)実在していない」
- そのマインドβの説明には「マインドβはそのまま実戦に投入しても優れた傭兵と見紛うほどの働きを見せるでしょう」という解説が存在する。
- ログハント報酬でも終盤の方になる「44-142 KRSV」といったオールマインドに緊密でないとまず所持してないような武装を持つ
- この人物に関する情報が一切存在しない
…と、ただの独立傭兵ではなくオールマインドの関係者なのではと思わせる情報が大量に現れる。
しかし、この異様なまでの情報の無さが非常に慎重なウォルターの関心を引いてしまい、後にシンダー・カーラに「ケイトという独立傭兵を調べてほしい」と調査されてしまい…
乗機
『TRANSCRIBER』
機体名のトランスクライバーというのは「転写機」「書記」という意味。
これらは「音声を文字に変換し、他人に伝える人・物」であり、つまるところ「声だけの存在の代弁者」といったところか。
EN負荷が総じて高い機体だが、その分の高い耐久性と基本性能を持ち、パルスシールドも相まって非常に頑丈な機体。そして目を引くのが今作のKARASAWA枠である44-142 KRSVの大火力がだいたいのACを消し炭にする。良くも悪くも火力はこの武器に依存しているため長期戦や対多数戦には向いていない。
中距離からシールドとオービットを展開しつつKRSVの連射弾幕ないしチャージを構え、それらの弾幕に警戒して突っ込んできた相手は隙が少ないダガーで迎撃、ノックバックなどの硬直やスタッガーを狙ってKRSVチャージショットの大火力攻撃を叩き込む…と、対人戦機体としてはかなり鬱陶しい。
アナライシスで同一アセンの機体である「マインドβ」と戦えるが、ステージの構造と一騎打ちに強い機体構成も相まって難敵となっている。
また、ミッションではあまり目立たないがこの機体が強みを特に活かせるのはチーム戦。後衛に控えながら弾幕を張ってよし、KRSVのチャージショットで一気にスタッガーに追い込んで畳みかけるなり味方がとった硬直に一発を叩き込むもよし、面倒だからと先に狙われたならシールドと素の耐久力にで耐えつつ硬直をチマチマ削るのが得意な武器で牽制、対応に手間取っている敵を僚機に横からぶん殴ってもらう…という支援機体としては馬鹿にならないアセンブルとなっている。
頭 | 20-081 MIND ALPHA | 重量・EN負荷相応の能力を持つバランス型の中量級頭部パーツで、特にEN防御が高い。スキャン距離と持続時間が短い代わりにスキャン待機時間が短い。「表皮のように馴染むAC」がコンセプトらしい。 |
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コア | 07-061 MIND ALPHA | 高い負荷を帳消しにする高い内部性能と装甲性能を誇る、欠点らしい欠点の無い優秀なコアパーツ。「人体感覚の拡張」をテーマに設計されている。 |
腕 | 04-101 MIND ALPHA | 反動制御が高く射撃武器適性もあるため、一気に打ち続けるマシンガンのような武器との相性が良い。反面、近接武器適性は高くない。これも「各種最適化が行われている」故か。 |
脚 | 06-041 MIND ALPHA | 防御と耐久が高く、中量二脚としても高い積載量を持つ代りに重量とEN負荷が高い、重量級寄りの性格を持つ二脚パーツ。これらMIND ALPHAシリーズは全てオールマインド製の素体パーツである。 |
右腕武器 | 44-142 KRSV | シリーズ恒例のKARASAWAにして「マルチENライフル」という唯一の武器カテゴリであり、プラズマライフルとレーザーライフルを”並列で接続した”というトンチキ兵器。高い攻撃力を持ち、2段チャージ時のプラズマ爆発は普通に当たれば大ダメージかつACはほぼ確定でスタッガーする。装弾数が少なすぎるというのが最大の欠点であり、コーラル輸送ヘリを4機しか落とせないのは装弾数のせい(特に8発しか撃てないフルチャージのせい)とネタにされていたが、アップデートで装弾数が大幅増加したため、それでもアプデ前同様8発しか撃てないままのフルチャージを2回に1回外して4機しか落とせない説がさらに有力視される羽目に。 |
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左腕武器 | VP-67LD | アーキバスの開発したレーザーダガー。非常に軽量で、手数を以て相手を押す優秀な近接武器だが、腕部の近接武器適正が低いため相性が良くない。KRSVを撃ち尽くした時の保険なのだろうか。 |
右肩武器 | 45-091 ORBT | オールマインドの開発したレーザーオービット。過去作で登場したイクシードオービットと同じ使い勝手の装備。肩武器としては最軽量クラスの軽さ故にKRSVの重すぎる負担の上でもしっかり装備できる優秀な武器。 |
左肩武器 | VP-61PS | アーキバスの開発したパルスシールド。イニシャルガード性能も時間も通常ガード性能も高い優等生。 |
ブースター | BST-G2/P06SPD | ファーロン・ダイナミクスの開発した第2世代ブースタ。通常推力に特化した代償にQBの性能は高くないが、EN負荷の高さからQBを頻繁に使えず、パルスシールドを持っている本機との相性は充分。 |
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FCS | FCS-G2/P05 | ファーロン・ダイナミクスの開発した第2世代FCS。他の装備がEN負荷が高すぎるためかこちらのEN負荷は低め。中距離適性が特に高く、KRSVとレーザーオービットを使ったガン盾戦法にマッチしたFCSとなっている。 |
ジェネレーター | VP-20C | 汎用的なジェネレータに定評があるアーキバス謹製「短所が無い」環流型ジェネレーター。高負荷フレームパーツに最大高負荷武器のKRSVを担いでも尚EN出力が足りるうえEN射撃武器適性も及第点と、非常に優秀な傑作パーツである。 |
関連イラスト
※これらは他のキャラクター記事にも洩れずプレイヤーがイメージした二次創作のデザインである。オールマインドとの関連性が強いためか、彼女がコスプレしたような姿が多いのが実に不思議である。