概要
てんとう虫コミックス8巻及び、藤子・F・不二雄大全集6巻に収録「わらってくらそう」に登場。
このイヤホンを耳にはめると、相手が言っている言葉が全て笑い話に聞こえて笑いが止まらなくなる。
ストーリー
のび太は「つまんない」と言いながらあくびをすると、世の中が楽しくなるような何か面白い話はないかドラえもんに尋ねた。「ない」と即答してものび太は「げらげら笑いたいんだよ。面白い話聞かせてよ」と執拗に迫ったため、ドラえもんは笑うための道具として「ゲラゲライヤホン」を取りだした。
ドラえもんに言われるまま試しにこれを耳に入れると、「どう？具合は」という言葉だけで爆笑し始め、続けて「そんなにおかしいかな」という言葉にも反応して爆笑。これで気分が晴れやかになると笑うことの大切さを実感したが、すぐにママに呼び止められて今日の授業参観ほど恥ずかしい思いをしたことがないと説教を受けることになってしまった。
この間のび太は必死に笑い個堪えようとしたが結局笑い出してしまい、「叱られながら笑うとはなにごとですっ」と更にママに怒られてもやはり堪えることはできず、このことで頭にたんこぶができる羽目になってしまった。
それでも笑いが止まらず外へ出て行くとカナリアが死んで悲しみに暮れているしずかを笑ってしまい、「冷たい人」と嫌われた上、その後もバナナの皮で滑ったジャイアンを笑ったことで殴られてしまった。ズタボロになりながら帰宅すると、のび太はイヤホンを床へと投げ捨て、やってきたドラえもんから「面白い話、聞いてきたよ」と言われても「面白い話は、もうたくさんだ」と言い返すのだた。
アニメにおける原作との主な相違点
大山版は1979年8月30日に、水田版は2012年3月23日及び、2025年1月11日にそれぞれ放送している。
1979年版
- のび太はドラえもんから面白い話はないと言われた後、鼻くそを丸めて飛ばしたりしてしばらく寝そべっていたが、ついに我慢ができなくなり頭を掻きむしった後ドラえもんに再び尋ねた。そしてドラえもんは「人がせっかく漫画を読んでるのに、うるさいな！」と言い出したが、のび太も「そんな友達がいのないこと言いなよ。僕は退屈なの楽しみたいの」と駄々をこねためこのイヤホンを取りだした。
- のび太が爆傷している間ドラえもんは、「このイヤホンの欠点は楽しいのは本人だけで、周りの人はばからしくなるところ」と言っていた。
- ママは説教の際に「日ごろから勉強してないから」と言いかけていて、この直後のび太が爆笑し出した。そしてこの後の原作の台詞は言っていなかった。
- のび太は外出した先で、ブルドックに吠えられるも笑って済ませたこと調子を狂わせたり、洋服店でドレスを着ていたスネ夫のママを笑ったことで怒らせてしまい、これにスネ夫があたふたするというオリジナルの下りが追加された。
- しずかは追いかけて来たのび太に「あなたなんて大っ嫌い！もう絶好よ！」とも言っていた。
- ドラえもんが聞いてきた面白い話は、あるところにいた尻の赤い猿がなぜそれが赤いのかというものだった。
- 本編終了後のショートアニメは、歩いていたドラえもんが落ちていた紙を踏んで転倒し、それに描かれていたバナナをこちら側に見せるというものだった。
2012年版
- 冒頭ドラえもんは窓から空を見ながらあくびをしていて、漫画は読んでおらずのび太もあくびをしていなかった。ちなみにこの時のび太は登校しようとしていたため、ママは今日の授業参観をしっかりやるようにと呼び止めていた。
- 家を出て初めて会ったのはジャイ子で、飼っていた金魚が死んでしまい悲しんでいた。そしてこの直後やって来たジャイアンは普通に転んだだけだった。ちなみにこの当時、ジャイ子の声は山田ふしぎが代役を務めていた。
- イヤホンが取れなくなったのび太が授業参観中に必死に笑いをこらえる下りが追加されていて、出席の確認や分数の問題などを聞いて笑いを我慢しようとしたが結局笑ってしまい、ママと先生の両方から叱られることになってしまった。
- ドラえもんがのび太からイヤホンを取りだそうとしたところ、飛んで行ったこれが通りかかったしずかの耳の中に入ってしまい、更に彼女が父親とクラシックコンサートに行く予定だったので、ドラえもんとのび太は慌てて止めに行ったが、それはモーツアルトとベートーヴェンの恰好をした漫才師によるコントだったため皆がしらけている中しずかだけが大爆笑していた。
2025年版
- 原作の扉絵をオマージュしたサブタイトルでは、ジャイアンに怯えて尻もちをつくスネ夫と安雄、心配そうにするしずかも奥の方に描かれていた。
- 冒頭のび太は、居間でテレビを見る、ミニカーで遊ぶ、袋に入っていたポテトチップスの枚数を数える、漫画を読んで昼寝をすると言った行為で退屈を紛らわそうとしていた。そして階段から降りて来たドラえもんを通せんぼし、面白い話はないか尋ねた。そしてドラえもんは部屋へと逃げたがのび太に捕まってしまったので、漫画は読んでいなかった。
- のび太は屋根に寝転がりながらイヤホンの効果を実感して、この時ドラえもんは「笑う門には福来るって言うからね」と言っていた。そしてもっと面白い話を探しに行き、石焼き芋売りの屋台、夫婦喧嘩に爆笑し、玄関前で掃き掃除をしている強面のお爺さんの前でも爆笑したので怒られるかと思われたが「寒いのに元気でよろしい」と褒められ干し柿をもらうことができたので、ドラえもんはことわざが本当になったと踊りていた。
- 干し柿を食べていると虫歯に悩むスネ夫と会い、この状態で食べられる柔らかい物がフォアグラや極上のウニ、高級ステーキと自慢もされる、通りかかった先生から早く宿題をやるように叱られる、このイヤホンを借りたスネ夫が笑いながら歯医者で治療を受ける、ジャイアンから腹踊りを見せられ笑わなかったスネ夫だけが殴られると言った下りも追加されていた。
- 始めしずかは、笑い泣きしているのび太を共感してくれていてると思っていた。
