曖昧さ回避
- 若木民喜による漫画『なのは洋菓子店のいい仕事』の登場人物。⇒言葉・S・サリンジャー
- 細音啓によるライトノベル『キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦』の登場人物。 ⇒サリンジャー(キミ戦)
概要
本名:ジェローム・デイヴィッド・サリンジャー
1919年、ニューヨークのマンハッタンにある実業家の家に生まれる。
1939年、21歳の時にコロンビア大学の聴講生になり、同大学の創作講座に参加したことがきっかけで処女作である短編『若者たち』を発表。以後、小説が他の文芸紙にも掲載されるようになる。
第2次世界大戦時に徴集されて情報部隊隊員としてフランスに派遣され、アーネスト・ヘミングウェイを訪問。ヘミングウェイは彼の才能を賞賛したが、彼の性格とは相いれなかった模様。
1951年に代表作『ライ麦畑でつかまえて』を発表。
本作は主人公と同年代の若者の支持を受け、相当数の売り上げを記録したが、一方で主人公の言葉遣いや態度をはじめとする内容に教育委員会が問題に挙げ、学校や図書室から追放される目にあった。
(ジョン・レノン射殺事件の犯人であるマーク・チャップマンや、ロナルド・レーガン暗殺を企てたジョン・ヒンクリーも本作を所持していたことから、本作が悪影響ある作品として現在も不当な扱いをされているという)
作品のヒットにより本人が望む静かな生活ができなくなり、ニューハンプシャー州で隠遁生活を送りながら地元の高校生達と交流を深めていたが、高校生の一人が学生新聞の記事として受けたインタビューの内容をスクープとして地元新聞に売り込んだことに激怒し、より社会から孤立した生活を送るようになった。
作家としての活動は続けていたが次第に発表作は少なくなり、晩年は地域に溶け込んで暮らしており、地域住人も彼の私生活については触れないことが暗黙の了解となっていた。
2009年にスウェーデンの出版社が続編と称した小説『60年後:ライ麦畑をやってきて』を出版したため、当作の作者と出版社を著作権侵害で訴えた。
2010年1月27日にニューハンプシャー州にある自宅にて、老衰により死去。享年92歳。
代表作
- 『ライ麦畑でつかまえて』(キャッチャー・イン・ザ・ライ)
- 『フラニーとゾーイー』
- 『ナイン・ストーリーズ』(九つの物語)
『ナイン・ストーリーズ』中の『コネチカットのひょこひょこおじさん』は『愚かなり我が心』として映画化されたが内容に激怒し、以後自作の映像化に一切許可を出さなくなった。
未発表の原稿が相当数あり、遺族は現在も出版のため力を注いでいるという。
関連映画
- ライ麦畑で出会ったら (2015年)…『ライ麦畑でつかまえて』の舞台化を望む高校生が、その許可を得るためにサリンジャーに会いに行こうとする話。サリンジャー役はクリス・クーパー。
- ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー (2017年)…サリンジャーの生涯を描いた映画。サリンジャー役はニコラス・ホルト。
- フィールド・オブ・ドリームス (1988年)…作中主人公と行動を共にする黒人作家は、原作ではサリンジャー。