概要
本来の初登場は1993年からアメリカで放送されたTVアニメ『Sonic the Hedgehog』(通称『Sonic SatAM』。土曜日の朝に放送されていたことに因む)。
エイコーン王国のお姫様で、ノットホール村に拠点を持つ「Freedom Fighters(フリーダムファイターズ・自由のために戦う者達)」の軍師かつ隊長。ソニックとは正反対に真面目で論理的。個性豊かな仲間をまとめ、テイルスにとっては姉のような存在、ソニックとは恋仲である。
TVアニメがベースながら、1年も先に連載がスタートしたArchie社のコミックでも登場。
設定は大体同じで、フリーダムファイターズのリーダーでエイコーン王国の姫君。フルネームは『サリー・アリシア・エイコーン』。リスとシマリスのハーフでソニックの幼馴染かつガールフレンド。ソニックと結婚し、2人で国を治める事が夢なのだが、エッグマンとの戦争や政治的な争い、恋のライバル出現等が原因で中々実現できず、最終的に戦士と戦い続けるソニックと別れることになる。別れて以降もソニックの事を愛し続けており、正義感はとても強く、リーダーシップを誇り、国の住民や仲間を大事に思うほどの優しい性格の持ち主で「おてんば姫」とも呼ばれている。25年後の未来では無事ソニックと結婚し、双子に恵まれた。
リブート後は姫君・リーダーの設定はそのままに、ソニックとの恋愛設定は完璧に消滅された。頑固で完璧主義者な一面も見せるようになり、手首のリングから強力なホログラム・ブレードで戦闘に参加できるようになった。
IDW社の新しいコミックには残念ながら登場していない。ただし彼女のファンである作画スタッフにより、こっそりイースター・エッグとして登場している。
イギリスのコミック版『Sonic the Comic』でもメインヒロインとして活躍していたがエミーが登場したのを境に徐々に出番が減り、ヒロインの座を彼女に譲ることになる。
容姿
初登場時は金髪のポニーテールで赤い毛皮をしていたが、次の回以降で黒髪に桃色の毛皮、最終的に赤毛に茶色の毛皮へと変更されている。当初は全裸だったが、途中で青いジャケットを着るようになる。リブート後は、更に黒いハーフトップとショートパンツを着るようになった。
エミーとの関係
サリーはスピンオフ作品の、エミーは本家ゲームのメインヒロイン。
1992年に連載開始したコミックのサリーの方が1993年発売『ソニック・ザ・ヘッジホッグCD』のエミーより先に登場しているという意見もあるが、実は1992年に掲載された寺田憲史氏原案の漫画や小説に同名のキャラクターが登場している(ニッキのガールフレンドという設定で、『ソニックCD』のエミーのベースだと思われる)。
ゲームのスタッフにより作成されたエミー。SEGA公認でTVスタッフにデザインされたサリー。恋に恋する普通(?)の女の子エミーと、幼馴染・姫君・軍師・既に恋仲なサリーで設定が大いに違いすぎるのはそのせいかもしれない。
エミーのアメコミ登場は遅く、すでにメインヒロインのサリーはソニックと結ばれる運命のため、戦闘以外で目立った活躍はなかった。
逆にサリーのゲーム作品での登場は、アメリカで作られた『ソニック・スピンボール』のボーナスステージにて他のチームメンバーと共にほんの少しだけ出ている程度である(『スピンボール』はエッグマンのデザインなど、アメコミ版の世界観を基にした要素が多く見受けられる)。
国内での扱い
国外では熱狂的なファンが多いが、残念ながらアメコミ版の情報が乏しいこともあり国内における彼女の認知度はほぼ皆無に等しい(まあ、OVAでしか登場しないセーラに比べればマシかもしれないが)。
国内で彼女の存在を認知されるようになったのは、二次創作ゲーム『sonic.exe』の続編である『Sally.exe』での登場が大きいと思われる。
サリー初登場の前述したアニメについてだが、こちらはDr.エッグマン(Dr.ロボトニック)のデザインが初期の海外準拠、ただのリスにしか見えないテイルスなどゲーム版とあまりにもかけ離れた内容のせいか、日本国内では放送されていない。
そもそも当初ソニックは設定やキャラクターが少なく、アメリカでは数少ない情報でオリジナルなコンテンツを作らなければならなかった(あったとしても国外向けに変更されるだろうが)。そのため原作との関連性が非常に低く、現在のゲームとは全く違う設定・世界観なため現代のファンが見たら「こんなのソニックじゃない!」と思うかもしれない。
上記のこともあり、SEGAの手が加わった『ソニックトゥーン』に登場するスティックス・ザ・バジャーのように、いつか本家に逆輸入されるかどうかは不明。「サリー姫はエイコーン王国や他のフリーダムファイターズがいてこそ」という意見もあり、難しいところではある。ただし設定に共通点のある『ソニックフォース』、それを基準にしたIDW社コミックのスタッフも諦めていないようなので、まだ可能性はある。
余談
- 元ネタはゲームで救出される小動物(リス)の「リッキー(Ricky)」。ローカライズで女の子の「サリー・エイコーン(Sally Acorn)」に名前が変更されていた。
- TVアニメの製作段階では人間や、赤いドレスの黄色い動物「エイコーン姫」も検討されていた。
- エミーの初登場作品である『ソニックCD』が北米で発売された際は辻褄合わせのためか、エミーの名前が彼女の名前に変更されている。
- かのホラーゲームでは冒頭に彼女とソニックがキスをしようとするシーンが存在するが実はアメコミにおいて本当にキスをしている。しかも何度も。
- アメコミは脚本・作画担当が変わるため、容姿や性格・行動にブレがある。それでも殆どの担当からは愛されており、もとの設定もあってメアリー・スーとして嫌う人も少なくない。
- 元々リブート時に諸事情によりサリー及びフリーダムファイターズは登場しない予定であったが、当時の担当達の必死の説得・ゲームに沿った設定やデザイン変更により継続が許された。
関連イラスト
関連タグ
マイティー・ザ・アルマジロ:彼女とは別の意味で不遇のキャラ。こちらは『ソニックマニア』で20年以上の時を経て再登場している。
レイ・ザ・フライングスクイレル:マイティと同じく、『マニア』で再登場を果たしたキャラ。
エミー・ローズ:本家のメインヒロイン。
スティックス・ザ・バジャー:『ソニックトゥーン』から登場したキャラでこちらは本家に逆輸入された。