ザラスの禁呪
ざらすのきんじゅ
「案ずるな、クロニエ。お前は獣の蔓延る世を救済する、その礎となるのだ。時は来た……。ザラスの禁呪よ、その顎を開くが良い!」
「許してくれ、ソロン。君の犠牲なくして、この世界は救えないんだ。……ザラスよ、深淵を揺蕩う闇の帷よ。我が鍵と、天地の理において、焦位の門を開け!」
ファイアーエムブレム風花雪月とファイアーエムブレム無双風花雪月に登場する闇魔道。
作中で暗躍している集団“闇に蠢く者”の有する魔道の一つであり、使用には生贄を要する模様。
主人公の意識の中に存在し、時間を巻き戻す力をも持っているソティスでさえも狼狽し、「この闇は恐ろしいものなんじゃぞ!」と憤ったことから非常に危険なものであるらしく、彼女いわく「女神でもなければ出られぬ」とのこと。
さらに術者の一人の言葉を要約すると、「術は一方通行で、何人たりとも出ることは叶わない」とされている。
効果が及ぶ範囲は術者によるが比較的広めとなっている。本編では対象の近くであったが、無双では遠距離にも効果が及んだ。
無双で再現されたステージでは、自分の居場所も定からぬほど空間がねじれており、その最深部には闇に蠢く者の本拠地シャンバラを彷彿とさせる構造物が広がっている描写がされている。
魂の形を捕らえる牢獄とも言われ、無双では青燐の章で覇骸化し、姿が元に戻ってからはタレスの意のままに操られる傀儡となっていたエーデルガルトが、ザラスの闇の中でだけ一時的に元の意識や記憶を取り戻し言葉を交わせるようになっていたが、ザラスの闇から脱出した後は再びタレスの傀儡に戻ってしまった。
ソロン
無双での生贄。こちらもクロニエ同様、自軍に追い詰められ瀕死のところをエピメニデスが乗っ取ったシェズに貫かれてしまい、そのまま生贄になった。
ソロン
本編での術者。瀕死のクロニエを生贄にし主人公をザラスの闇に幽閉するが、ソティスが主人公と融合した事により脱出。そのまま討伐された。
光の杭
魔道ミサイルの戦略兵器。本編では甚大な被害をもたらしているが、翠風の章と銀雪の章ではヒューベルトによってその魔力を逆探知され、これをきっかけにシャンバラに攻め込まれてしまうことになった。
被害一覧
- アリル
本編開始前には、ガルグ=マク大修道院に光の杭が落とされたが、直撃するところで軌道が僅かにずれてアリル渓谷の方へ落下し、そこが溶岩地帯になるという惨事が発生した。
これ以降、アリルは“煉獄の谷”という異名の危険地帯と化した。
- アリアンロッド
ファーガス神聖王国にある“白銀の乙女”の異名を持つ難攻不落の要塞。紅花の章において、主人公たち帝国軍が闇に蠢く者の一人であるコルネリアを謀殺したことによって、その同胞であるアランデル公が報復と脅迫の目的で破壊した。これによって紅花の章でもエピローグにあるとおり、シャンバラを特定することが出来たと思われる。
- メリセウス要塞
アドラステア帝国にあるアリアンロッドに並ぶ難攻不落の要塞。翠風の章と銀雪の章において、新生軍の制圧後に光の杭が放たれたが、死神騎士が脱出するよう唆したため新生軍はことなきを得た。さらにこの出来ごとから、ヒューベルトがシャンバラの位置を逆探知することに成功した。
- シャンバラ
闇に蠢く者の本拠地で、フリュム領やゴネリル領のすぐ近くに位置する。翠風の章と銀雪の章では、タレスが劣勢となった際に主人公たちとレアを道連れにしようとする。
レアが身を挺したことで脱出に成功するが、これによりレアは危篤化し、銀雪の章では紋章の力を制御できずに暴走してしまい、さらにはそれに呼応した枢機卿たち(レアにより血と紋章石を取り込んでいた者たち)も暴走してしまう。
翠風の章ではレアたちの暴走がないものの、光の杭に呼応して封印されていた解放王ネメシスとフォドラ十傑が復活することになる。
タイタニス
巨大警備兵。ゲーム中では魔獣としての扱いである。大盾と聖盾が頻繁に発動し、必殺率も高いので苦戦するプレイヤーも多い。
武器の「ジャマダハル」は北インドに実在する武器の名前。
無双では殆どの出番が王国領内なので、コルネリアの管轄であると考えられる。
上述したとおりスマブラSPに主人公が参戦する際のムービーは、本編でソロンが主人公をザラスの闇に幽閉するシーンの公式パロディである。
また、英語版無双のシーンで「great Zahras(偉大なるザラス)」とエピメニデスが言っていたことから、ザラスはもしかすると人名であり、闇に蠢く者ことアガルタの民たちに関係している人物とする説がある。