概要
フォドラ南部から西部にかけて統治しているフォドラ最大の国家にして、1200年近い歴史のある大国。フォドラで使われる暦は、帝国の建国年を元年とする帝国暦である。建国記念日は4月1日。
元々は、後の英雄戦争でネメシスとフォドラの覇を競うことになる初代皇帝ヴィルヘルム1世が、聖者セイロスの援助で建国した。セイロスの血を受けたヴィルヘルム1世の子孫であるフレスベルグ家がセイロスの紋章を世襲で受け継ぎ、皇室として代々治めている。皇帝位はセイロスの紋章を持つ者が継いでいたが、作中の時代では必ずしもそうではないことが書庫の本で仄めかされている。
現在は南部と西部を領土としているが、現在のファーガス神聖王国やレスター諸侯同盟領もかつては帝国領であった。
本来は皇帝の権限が強い中央集権国家だが、1部開始の9年前の1171年に「七貴族の変」が起きて皇帝イオニアス9世は実権を奪われてしまっており、加えて彼の皇子・皇女たちが闇に蠢く者によって紋章実験を受けて、結果的に第9子である第4皇女エーデルガルトだけが残ってしまった。皇帝不在及び腐敗貴族による悪政で治安の悪化が発生してしまっている。
このためエーデルガルトは元の中央集権的な国に戻す準備をしており、1部の終盤に当たる2月にイオニアス9世が退位してエーデルガルトが即位すると、すぐさま七貴族の変に関わった貴族たちは粛清された。そしてエーデルガルトが紋章重視による不平等な社会の要因として見ていたセイロス聖教会に対して宣戦布告し、全軍を投入したガルグ=マクの戦いを契機に、5年半に渡る戦乱が始まる。
イメージカラーは赤で、双頭鷲を象った紋章。
赤はFEシリーズでは敵軍を表す色であり、国自体が過去作における敵対国家をイメージしている。
公式インタビューによると国のモデルはイタリア。
ただし初代皇帝の「ヴィルヘルム」という名前はドイツ語圏地域に多い名であり、例えばドイツ帝国の初代皇帝もヴィルヘルム1世である。イタリア「だけ」がモデルと決めつけるのは早計と言えよう。
主な地域
- アンヴァル
帝国最南端にあるフォドラ最大の都市で、皇帝の住まう宮城がある帝国の首都。1400年もの歴史を持ち、セイロス教発祥の地として「セイロスの街」の異名を取る。セイロスの主導で築かれた運河によって発展してきた街であり、城壁に囲まれた城塞都市でもある。帝国だけでなくフォドラ全土で人気のあるミッテルフランク歌劇団もここが拠点。
3ルートでアンヴァルは市街戦→宮城戦の2連戦となり、蒼月の章では最終決戦の場となる。
- グロンダーズ平原
ベルグリーズ伯領にあるフォドラ最大の平原。多くは穀倉地帯である。英雄戦争の時代にはネメシスに味方する氏族と帝国との戦いがあった(ネメシスが落命したのは45年後のタルティーンの会戦なので混同せぬよう注意)。学級対抗戦「鷲獅子戦」もここで行われる。紅花ルート以外の2部では3勢力が各勢力のトップに率いられて一堂に会し、三つ巴の大激戦となった「グロンダーズの会戦」の舞台ともなる。
ちなみに、無双にはグロスタール平原という地名が登場する。公式のアナウンスはないが、バグ修正の折にこちらもグロンダーズ平原に変更されたため、誤植だった模様。
- メリセウス要塞
アンヴァル北東にある要塞都市であり、東方からのアンヴァルの防衛拠点。長い歴史を持ち「頑固な老将軍」の異名をとる。
- 旧フリュム家領
かつてエーギル公が統治していた帝国東部の地域。紅花ルート以外で発生する2部外伝では、一部の民が暴動を起こしてエーギル公を殺害する事件が起こり、フェルディナントとリシテアが解決に向かう事となる。この事件には過去にフリュム家が帝国からの独立および同盟への編入を企てた「フリュムの乱」が関係しており、同盟貴族コーデリア伯家はフリュム家を援助していたため闇に蠢く者の介入を受けることとなった。
主要貴族
貴族名 | 階級 | 紋章 | 概説 |
---|---|---|---|
フレスベルグ | 皇帝 | セイロス | 帝国の皇室 |
エーギル | 公爵 | キッホル | 帝国宰相。帝国貴族の筆頭格 |
アランデル | 公爵 | 帝国摂政のフォルクハルトの実家 | |
ゲルズ | 公爵 | 帝国外務卿。外交を担う | |
ベストラ | 侯爵 | 帝国宮内卿。帝国の暗部を担う領地を持たない貴族 | |
ヴァーリ | 伯爵 | インデッハ | 帝国教務卿。中央教会との渉外役 |
ベルグリーズ | 伯爵 | キッホル | 帝国軍務卿。軍事を司る |
ヘヴリング | 伯爵 | セスリーン | 帝国内務卿 |
エッサー | 子爵 | インデッハ? | ハンネマンの実家 |
フェニヤ※ | 子爵 | ||
メニヤ※ | 子爵 | ||
ロッキン※ | 子爵 | セスリーン | |
ヒュミル※ | 子爵 | ||
旧フリュム | 子爵 | ||
旧ヌーヴェル | 子爵 | ノア | ダグザ・ブリギット戦役で衰退。四使徒の血筋で魔道に優れていた |
オックス | 男爵 | マクイル | モニカの実家 |
マルティン※ | 男爵 | ||
ギリング※ | 男爵 | キッホル | |
バルナバシュ※ | 男爵 | ||
バルテルス | 男爵 | イエリッツァことエミールの本来の実家 |
※:無双が初出の家
- ベストラ侯爵家
代々帝国の宮内卿を務めている。主に帝国の後ろ暗い面を担い、領地を持たない。1部時点でのベストラ侯は七貴族の変に加担したため、息子のヒューベルトが粛清し後を継いでいる。
- エーギル公爵家
キッホルの紋章の家系で、代々帝国の宰相を務めている名門。1部時点で帝国の実権を握っている有力貴族。領地はベルグリーズ領の南。現当主ルートヴィヒは後にエーデルガルトによって更迭された。
- ヴァーリ伯爵家
ガルグ=マクからもほど近い、帝国北部のオグマ山脈南麓に領地を持つ貴族で、インデッハの紋章の家系。現当主グレーゴーアは教務卿で、エーデルガルト即位後は失脚させられている。
- ベルグリーズ伯爵家
グロンダーズ平原・メリセウス要塞周辺に領地を持つ貴族。カスパルの父である現伯爵レオポルトは軍務卿。次期当主であり紋章を持つカスパルの兄、カスパル本人の他に、先代当主の後妻の連れ子であるランドルフ・フレーチェ兄妹もこの家の出身。なお無双ではレオポルトがキッホルの大紋章を宿しており、世間にも知られているが、原作の支援会話では紋章学の権威であるハンネマンが「キッホルの大紋章はセテス以外に現在確認されていない」と発言している。
- ヘヴリング伯爵家
「フォドラの牙」東方に領地を持つ貴族。セスリーンの紋章の家系で、リンハルトの父である現伯爵ヴァルデマーは内務卿で、軍務卿とは仲が悪いとされている。優秀な白魔道士を多く擁する。
- ゲルズ公爵家
外務卿を務める現公爵の家。家柄としては歴史が浅く、紋章を持つ家系と言う訳でもない為、公爵であるにもかかわらず現在実権を握っている六大貴族の中では地位は一番低い。かつてダグザ=ブリギット戦役の講和を主導したことがあり、ダグザで保管されていた"あるもの"を管理している。
- 旧マルトリッツ男爵家
メルセデスの出身家。メルセデスが生まれる前に政争に敗れて廃れ、メルセデスの母はバルテルス男爵家に嫁いだ。
- バルテルス男爵家
エミールの出身家。異父姉のメルセデスは一時期この家の継子となっており、エミールはこの時に生まれた。ラミーヌなど紋章の家系を集めていたらしい。家庭環境が劣悪だったため、後にエミールが虐殺を起こして出奔している。
- 旧ヌーヴェル子爵家
かつてダグザ=ブリギット戦役で領地に連合軍の上陸を許したことでとり潰された貴族。ノアの紋章の家系だがその情報は秘匿されており、帝国や教会にはマクイルの紋章の家系であると虚偽の報告をしていた。フォドラでは珍しい魔道ペガサス部隊や、優秀な従者たちを擁していた。領地は北西部の海沿い。
- 旧フリュム子爵家
かつて帝国東部に領土を持っていた家系。イエリッツァはここの家の養子だった。
- オックス男爵家
モニカの出身家。マクイルの紋章の家系。
- エッサー子爵家
ハンネマンの出身家。ヴァーリ家同様にインデッハの紋章の家系である。
- アランデル公爵家
エーデルガルトの母方の実家。エーデルガルトの伯父でディミトリの義理の伯父にあたる現当主フォルクハルトは帝国摂政で内政・外交両面に秀でる「辣腕摂政」として知られる。領地はブリナック台地東側。
人物
黒鷲の学級
- エーデルガルト=フォン=フレスベルグ…皇帝
- ヒューベルト=フォン=ベストラ…宮内卿
- ドロテア=アールノルト
- フェルディナント=フォン=エーギル
- ベルナデッタ=フォン=ヴァーリ
- カスパル=フォン=ベルグリーズ
- ペトラ=マクネアリー…ブリギット諸島出身
- リンハルト=フォン=ヘヴリング
その他
- イエリッツァ=フォン=フリュム
- 死神騎士
- コンスタンツェ=フォン=ヌーヴェル
- モニカ=フォン=オックス
- ランドルフ=フォン=ベルグリーズ
- フレーチェ=フォン=ベルグリーズ
- ラディスラヴァ
- フォルクハルト=フォン=アランデル…摂政
- ルートヴィヒ=フォン=エーギル…宰相(後に失脚)
- グレーゴーア=フォン=ヴァーリ…教務卿(後に失脚)
- レオポルト=フォン=ベルグリーズ…軍務卿
- ヴァルデマー=フォン=ヘヴリング…内務卿
- メトジェイ
エンディング後
再びフォドラ全土を統一する紅花ルートのみ存続し、他のルートでは1186年の歴史に終止符が打たれる。紅花ルートでも、帝国の存続が確認できるのは最長でエーデルガルトが譲位した時点までである。皇位は世襲制を撤廃し、皇帝が見込んだ人物に受け継がれることになった。
なおエーデルガルトはコンスタンツェとの支援会話で、ゆくゆくは貴族(領主)の存在そのものを無くそうとしていることが窺え、実際にフェルディナントとのペアエンドでは、ふたりが「身分階級を破壊し、世襲制度を廃した」と明言されている。一方、ベルナデッタの単独エンドでは自領を治める代々の領主という記述がある。
銀雪ルートのうち1つ(翠風ルートではさらに3つ)の後日談では、帝国軍の生き残りが統一王国に反乱を起こしている。
ヌーヴェル家やマルトリッツ家は、一部の後日談で再興を果たす。