シシウトル
2
ししうとる
カナダの北西海岸インディアンの伝承に登場する双頭蛇。
シシウトル/シシチュアル/シシュル(sisiutl)とは、北米全土で伝承される角のある水蛇ホーンド・サーペントの一種である、カナダの北西海岸インディアンの伝承に登場する双頭蛇で、歌やダンスのテーマや、様々なものの装飾に用いられている。
シャーマンによって自然界と超自然界を媒介するため呼び出され、双頭である理由として人々に太陽、月、戦士の魂、カヌー、朽ちない空き家、鮭、テッポウムシなどの富を与えるとともに、病気や死、場合によっては石化などの恐怖も与える二面性を象徴しているためであるといわれる。
装飾としては双頭ではない場合もあるが、頭部には角や羽毛を持ち(超自然的な存在である証)、舌を突き出して(稲妻や超自然的な力の象徴)らせん状または上向きの鼻(空腹の象徴)が特徴であり、身体は三日月(鱗や毛の象徴)のように反らしている蛇の姿が一般的である。
クワクワカワク族(クワキウトル族)は人頭の両脇から蛇が生えた姿の仮面を造っており、中央の頭は海底の銅の家に住む富を持つ者コモクア(Qomoqua)であるとされる場合もあるが、一般的に食人鬼バクスバクワラヌクシワエ(Baxbakwalanuxsiwae)であるとされる。(ハマツァ:人食いの結社とも関連付けられる)
仮面は開閉するギミックを持ち、ワタリガラスの顔が半分に割れてこの姿になったり、蛇の動きを再現するものがある。
北部のトリンギット族は、貪欲な毛虫や芋虫、甲虫の幼虫として描写し、中央の頭はそれらの虫を吸う女王であると伝承されている。
そのため儀式においては、女性のダンサーがこの神格の役割を引き受ける。
コメント
コメントが未記入です