概要
ネイティブアメリカン諸部族の多くに伝わる巨大な鳥の姿をした雷の精霊にして神鳥。
日本では雷鳥と訳されることもあるが、雷鳥は英語で【Ptarmigan】(ターミガン)と呼ばれるため、これに当てはまらない。
ラコタ族(「スー族」の呼称で知られるアメリカ先住民のグループ)はワキンヤン・タンカ、またはワウケオン等と言う。
部族の村が見下ろせる山の頂や山頂の洞窟に棲んでいるとされ、その全長は5m以上もあり、突然の雨雲や雷雨はサンダーバードが雲を追いかける為に引き起こされるとされているほか、自在に雷を操り、これを用いて獲物を仕留めるとされる。
その翼を羽ばたき打つと雷が発生し、両目には稲光が宿る勇ましさを持ち、双頭の蛇や鯨を食料としているともいわれている。
またクイルラユー族に伝わる伝承では1枚の羽の大きさはカヌーの二倍以上あり、巨大な抉れたような形状の嘴に火が滾っている様な目を持つとされ、チヌーク族の伝承では全ての人間はサンダーバードの卵から生まれたといわれている。
なお部族間の間で微妙にその容姿や伝承は異なってはいるものの、いくつかの共通項はあり、
- 巨大である(場合によっては鯨さえ捕食する)
- 雷を生み出し雷雲や雷電を操る
- 人語を理解し、それに反応できる
- 神やそれに近しい精霊(神獣/霊獣)の一種である
- 水中の生き物を食料としていること。
- 水の精霊(ホーンド・サーペント)と激しく対立していること。
が掲げられる。また、部族によっては人を襲い食い殺す怪物として伝わっているものもあるという。
ときに困った人間を救う神であり、ときに人に試練を与える怪物であり、先住民たちにとってサンダーバードは大自然の意思その物の体現化といえる存在なのであろう。
飛鳥昭雄はオカルト雑誌「ムー」にて、その正体は絶滅を免れたプテラノドンとする説を唱えた。
関連タグ
※映画内で登場する。関連イラスト↓
各言語での呼び名
言語 | カナ表記 | 綴り |
---|---|---|
英語 | サンダーバード | Thunderbird |
ドイツ語 | ドンナーフォーゲル | Donnervogel |
スペイン語 | パッハロ・デル・トゥルエノ | Pajaro del Trueno, Pájaro del Trueno |
イタリア語 | ウッチェッロ・デル・トゥオノ | Uccello del Tuono |
フランス語 | オワゾー・トネーフ / オワゾー・トネール | Oiseau-tonnerre |
フィンランド語 | ウッコスリントゥ | Ukkoslintu |
ハンガリー語 | メンニュデルゲーシュマダール | Mennydörgésmadár |
タイ語 | ノックファーローン | Nok Farong |
ベトナム語 | チム・サム | Chim Sam, Chim Sấm |
インドネシア語 | ブルン・グル | Burung Guruh |
韓国語 | チョンドゥンセ | Cheondungsae |
中国語 | 雷鳥(レイニャオ) | Leiniao |