概要
歴代の中国王朝が支配してきた地域を指す。どこまでをシナとするかは曖昧であり、狭い意味では清朝以前から漢民族が多数派であった中国本土のみを指す。
古代中国の秦が語源とされ、英語のChinaやフランス語のChineと語源は似ている。韓国語にも지나(チナ)という言葉がある。
また、日中戦争前には中華民国のことをシナ共和国と呼んでいた時期があった。
本来は差別的な語ではなく、清朝末期には一部の中国人が自称することもあったのだが、歴史的経緯から中国人は日本人から「シナ人」と呼ばれることを嫌うようになり、現在では嫌中・反中の人々によって中華人民共和国を指す侮蔑的な呼称として使われるのがもっぱらである。
このため、近代以降の中国を指す呼称としては使うべきではないとされ、「シナ」の語は仏教研究、中国史といった歴史的な文脈において使われる。また現代においても「インドシナ」や「東シナ海」のような地名の一部としては差別的とみなされない。
日本語においてシナを冠する単語には「シナチク」「支那そば」などがあるが、いずれも今ではあまり使われない古風な言い方である。