シャドーファルコン
しゃどーふぁるこん
謎に包まれた忍術流派「甲賀デスシャドー流」を修めた筋骨隆々の白人男性。
作中ではレヴィやシェンホアといった強豪すら退けるほどの実力を持ち、シェンホアからは「恐るべき武術の達人(意訳)」という高い評価を得ている。
レヴィ曰く「本物のニンジャ」。
その姿はいわゆるアメコミニンジャそのもので、筋兜鉢、面頬、手甲脚絆、ノースリーブという日本人から見ると疑問符が大量発生する忍び装束を纏っている。
経歴
刀、手裏剣、マキビシなどの武具を使いこなし催眠術も操るばかりか、茶道の道にも通じ変装の技も体得している。使う得物はどれも模造品なのだが、何故か普通に切れる。使う催眠術も滅茶苦茶な日本語の詠唱なのに効く。
アメリカで三合会が販売していた詐欺商品の忍術指南書を元に(*後述)、狂気的な執念で鍛錬を繰り返した結果模造刀で、人体をすら両断する技を身につけるに至った、いろいろと凄い人物。その過程で本当に狂ってしまったのか独自の基準で行動を始め、様々な組織と衝突する統制の効かない危険人物となってしまった。
自身の暗殺に向け動いていることを察知した張は一計を案じるのだが…
狂気の鍛錬
彼が忍者になるにあたり手引きとしたのは、三合会が売っていた嘘っぱちのニンジャマニュアルである。
というとギャングの悪徳商法の被害者にも聞こえるが、中身はよくある「君もこれでニンジャになれる!」的なムック本と、あからさまにオモチャな各種忍者グッズの通販、つまりは「子供向けジョークアイテム」の類である。
三合会も、そんなモノを子供は兎も角、いい大人になってもなお、人生をかけてまで真に受けるヤツがいるなど予想だにしなかったに違いない。
本件に限り、彼らに非は無い。 ……恐らく。
それはともかく「実際に取り組むことなど想定してない荒唐無稽なニンジャ訓練」に真摯に取り組み、本当に完遂してしまったシャドーファルコンは、常人の限界を突破して超常の力を手に入れてしまったのである。
その鍛錬内容たるや、単なるオモチャのジュラルミン刀(当たり前だが、刃はついてない)を「切れないのは、ただ自分の修行が足りないから」と信じて振り続け、百本以上をヘシ折る荒行の果てに「命中した箇所が無惨に爆ぜわれる」という恐るべき魔剣技として完成させてしまうほどである。
技の概要を聞いたロックは内心「それって撲殺では」と評したが、果たして撲殺と呼んでよいのかも謎である。
もっとも原作にも刀で銃弾を切れる超人が出てくることを考えると、ブラクラ世界の武術の達人は皆そういうレベルである可能性も捨てきれないが…
戦闘スタイル
彼についてもう一つ特筆すべきは、その戦闘スタイルである。
創作に出てくる忍者と言えば「全然忍んでない」が珍しくなく、
アメコミニンジャともなればなおの事…なのだが。
実はその奇矯な出自とは裏腹に、彼の行動様式は極めて正統派(?)な忍者スタイルだったりする。
作中、自ら攻撃を仕掛けて相手を殺害するのは全て「隠密からの不意打ち」限定であり、
正面切っての戦闘になりそうなときには、忍者アイテムの数々を駆使して迅速に撤退してしまう。
その手際の良さたるや、ダッチ、シェンホア、レヴィといった強豪キャラ達から、ことごとく無傷での撤退を成功させているほどである。
また、初登場が輸送中のラグーン商会の船内であったために忍者姿が非常に浮いており(古風な海賊姿の連中も居たので目立っていたかは微妙ではあるが)、その後の登場場面でもほぼ忍者姿であったことから非常に目立つ忍んでいないというイメージが強く出ているが、探されているロアナプラの市内で噂にならずに潜んでいた事からきちんと目立たないよう隠れていたことがわかる。
ただその状況判断の冷静さ、的確さはあくまで戦闘時限定のようで、それ以外の時は信じがたいほどのポンコツでもある。
もっとも、常に冷静だったらインチキニンジャマニュアルで忍者になったりはしないだろうが……
張維新が引き込んだ後に香港に向かわせるが、張は香港への報告の際に騙されやすい事と変装が下手なので注意するように伝えている。