サンリオの創立20周年記念として公開された。
物語
序章
水の神グラウコスと火の女神テミスは仲睦まじい姉弟で一つの塊となり混じり合っていたが、それに嫉妬した風の神アルゴンが憎しみ合うような噂を流した。
それを真に受けた二人は憎しみ合い、水と火は分かれてしまった。
罰としてアルゴンは魔力を秘めた目玉を抜き取られ、海の底へ幽閉された。
そして時は流れ……
本編
下項目の
登場キャラクターとその配役
と
を
参照されたし。
結末
シリウスの舎弟・チークやマルタの親友・ピアレといった心ある理解者達の命を捨てた自己犠牲的な協力や、シリウスの政敵・マブゼとその一味や風の神アルゴンといった心ない諸悪の因果応報な破滅も虚しく、シリウスがたどり着く前に胞子はすべて飛び去ってしまった。しかも道中での転落事故で失明したシリウスはマルタの涙ながらの気遣いが逆効果となる形でコレに歩み寄った結果、日食の完全終了と共に太陽の光を浴びて亡くなってしまう。そしてマルタもシリウスの死に泣き崩れながらも、そんな彼の死に様に勇気づけられ、シリウスと運命を共にするべく彼の亡骸を抱えて共に海に身を投げて自害。
シリウスとマルタ、愛し合う二人の死をきっかけに火の一族と水の一族は長きに渡る争いに終止符を打つのだった。
かくしてグラウコス神の計らいにより、2人で共に寄り添い合って其々の親友であるチークとピアレ両名の待つ天国へと召されたシリウスとマルタは、一つの光り輝く星へと生まれ変わった。その星『シリウス』は更なる悠久の時を経た現在も優しくも力強く輝きながら火の一族と水の一族の共存を見守り続けている・・・。
関連動画
登場キャラクターとその配役
主人公
シリウス:古谷徹
水の一族の一員。かねてより仕えていた水の神・グラウコスから子飼いの忠臣として、水の一族の記念すべき最初の王に指名された少年。好奇心旺盛で、いつも一角鮫の少年チークと共に海の中で遊んでいる。その好奇心から、水の一族 が近づいてはならないリリカの岬へ行くが、火の一族の王女マルタに出会って、恋に落ちる。 しかし、互いの一族の掟を破る行為であり、その障害を乗り越えるため、海の長老である大海亀モワルから、九十年に一度の日食の日にメビウスの丘に咲く巨大な花クライン草の胞子に乗って、火と水がともに生きられる星へ行けると教えられた。 そして、五日後にマルタとメビウスの丘で会おうと誓い合う。
シリウス達水の一族は太陽の光を浴びると死んでしまうので、夜間か日食の間しか陸上で活動する事ができない。
イラストの左側にいる少年がシリウスである(向かって右側にいる少女がマルタ)。
シリウス、その愛と死
政敵・マブゼの通報によってグラウコス神にマルタとの関係を知られて投獄されてしまい、前述のマルタとの約束の成就を憂慮したチークの献身的な奔走が結果的に風の神アルゴンの復活を招いてしまう。その混乱に乗じて何とか牢から脱出できたシリウスだが、その際に起こった災害でチークが事故死。更に不幸は続き、愛するマルタの待つメビウスの丘を目指した彼は道中で転落事故に遭い失明。やっとの思いでたどり着いたメビウスの丘では既にクラインの胞子が飛び去ってしまっており、その事実を認識出来ない彼はマルタの涙ながらの忠告が逆効果となる形でコレに歩み寄った結果、日食の終了に伴って太陽の光を浴びて亡くなってしまうのだった。
シリウスの死は当然マルタを号泣させたが、同時に彼女の心に生命と引き換えに愛を貫く勇気をもたらし、その結果、マルタはシリウスと運命を共にすべく彼の亡骸を抱えて海に身を投げて自害。そんな2人の生命すら顧みない真実の愛が、水の一族と火の一族の長きに渡る対立に終焉をもたらすに至ったのである。
もう1人の主人公
マルタ:小山茉美
火の女神・テミスの娘で、火の一族の王女。母や自分が暮らす火の宮殿に水の一族を近づけないようにするため、その近くにあるリリカの岬にかがり火を絶やさずに灯す役目を負っている。 偶然、リリカの岬に現れたシリウスに出会い、恋に落ちた。しかし、それは一族の掟を破る行為であり、うっかりかがり火を消したことでその関係を母テミスに知られてしまい、シリウスと引き離される。
マルタ達火の一族は水の中に入ると死んでしまうので、シリウスとマルタは夜間か日食の間しか活動を共にできない定めにあった。
マルタ
女王マルタの誕生
母テミスによって火の宮殿に強制送還・監禁されてしまったマルタだが、仲間達の協力で何とか脱走に成功。親友・ピアレの死を無駄にしまいと何とかメビウスの丘を探し当てるが、肝心のシリウスがたどり着く前にクラインの胞子が全て飛び去ってしまい、万策尽きたマルタは日食のエネルギーで火の女王へと変身。
女王マルタ
マルタ、その愛と死
ところが、女王マルタの誕生の直後、何とか脱獄を果たしていたシリウスがようやくやって来てくれた。シリウスとの合流を喜ぶ女王マルタだったが、すぐ我に帰って全てが手遅れになってしまった事をシリウスに伝えた。だが道中の転落事故で失明しているシリウスはその事実を飲み込めず、女王マルタの忠告が逆効果になる形で彼女に歩み寄り、その結果、日食の終わりと共に太陽の光を浴びて亡くなってしまった。愛するシリウスの死に泣き崩れる女王マルタだったが、シリウスの死に様に勇気づけられた女王マルタはすぐさま彼と運命を共にするべく、シリウスの亡骸を抱えてともに海に身を投げて自害。その直後、叔父であるグラウコス神によってシリウスの亡骸共々海中から引き揚げられたマルタの亡骸は元の少女の姿に戻っていた。
主人公の2人を取り巻くキーパーソン達
チーク:榊原郁恵
海の世界に住む一角鮫の少年。シリウスを兄貴分と慕い、いつも共に行動する。元気で明るい性格だが、一族の掟を破ってマルタと恋に落ちたシリウスがグラウコスの怒りを買い投獄された際に、彼を脱獄させようと奔走したのが仇となってアルゴンの復活を招いてしまう。そしてアルゴンによって生じた二次災害で深手を負った彼は、その二次災害の混乱に乗じて牢獄から出られたシリウスに見守られながら亡くなった。マルタがピアレの死を知って泣き崩れたように、シリウスもチークとの突然の死別に際して号泣するが、シリウスの身に降りかかった不幸はソレだけでは終わらなかったのである。
ピアレ:潘恵子
陸の世界に住む火の一族の少女。マルタを強く慕っており、シリウスに激しい嫉妬の念を抱く。絶やしてはならないかがり火をうっかり消してしまったマルタを救うため、自らの体を燃やして火を灯す形でその命を散らしてしまった。ピアレの死後、シリウスと引き離され火の宮殿に強制送還されたマルタは、母・テミスに仕える近衛兵の証言から初めてピアレの死を知る事となり、その場で泣き崩れた。
モワル:宇野重吉
海の世界の長老である大海亀。世界のあらゆる事に通じた賢者でもあり、一族の掟を破って、マルタと恋に落ちたシリウスに、九十年に一度の日食の日にメビウスの丘に咲く、クライン草の胞子に乗って、火と水がともに生きられる星へ行けると教えた。
シリウスとマルタの死後、彼ら2人の悲恋の顛末を、後世に生きる水の一族と火の一族双方に語り継いでいる。
グラウコス:内海賢二
海を支配する水の神。水の城に住む、巨大な竜人の姿をしている。火の女神テミスの弟で、仲の良い姉弟だったが、その仲に嫉妬した風の神アルゴンの讒言で仲違いし、憎み合うようになった。 水の一族の記念すべき最初の王として子飼いの忠臣であるシリウスを指名する。物語終盤で、チークの不手際で復活してしまった風の神アルゴンと交戦しコレを撃破する。
(結果的に)忠臣であるシリウスと、姪にあたるマルタの両名を死に追いやってしまった事で、
「誰が誰を愛そうとその愛に罪はない」と悟り、それまで憎しみ合っていた姉・テミスとの関係修復も果たし、亡くなったシリウスとマルタを(本人達の亡骸ごと)チークとピアレの待つ天国へと送り出した。
テミス:武藤礼子
陸を支配する火の女神。火の宮殿に住む、赤い髪を持つ巨大な女性の姿をしている。 水の神グラウコスの姉であり、仲の良い姉弟だったが、その仲に嫉妬した風の神アルゴンの讒言で仲違いし、憎み合うようになった。 娘である火の王女マルタを初代女王として育て、愛している。
愛娘・マルタがシリウスの死に絶望して自害してしまった悲劇に伴い、それまで憎しみ合っていた弟・グラウコスとの関係修復を果たす。
マブゼ:鈴木ヒロミツ
海の世界に住むウツボ。子分達を引き連れて、海の世界を荒らすならず者で他の魚達に嫌われており、当然シリウスとも犬猿の仲。シリウスとマルタが密かに会っているのを見つけ、海の王グラウコスに報告。やがてシリウス脱獄の為に奔走するチークの行動が仇となったアルゴン復活によって子分達共々、二次災害に巻き込まれて生死不明に追い込まれるという因果応報の破滅を迎えた。
その他
リー:松島みのり
ルー:野村道子
主題歌
オープニングテーマ
「愛のカンタータ」
歌唱:サーカス
作詞:山上路夫
作編曲:すぎやまこういち
エンディングテーマ
「時よゆるやかに」
歌唱:サーカス
作詞:山上路夫
作編曲:すぎやまこういち