概要
正式名称は『ストレンヂア 無皇刃譚』
松竹より2007年9月29日に公開された安藤真裕監督の時代劇オリジナルアニメ映画。
制作はBONESが担当している
PG-12指定。
戦闘描写が剣・鞭・弓・槍と多種多様で、緊迫感があり剣戟の魅力に徹底的にこだわっており、
物語
天下を統べる者を失い、度重なる合戦の果てに下克上がまかり通り、力ある者も野盗に堕して無法が横行する戦乱の時代――。
中国大陸から身よりを亡くした一人の少年が、禅僧“祥庵”に連れられて海を渡り、日本へと辿り着いた。
その名は“仔太郎”。
だが、仔太郎の身体の“秘密”を求め、明国の武装集団もまた、追撃の上陸を果たしていた。
祥庵の庇護も失い、天涯孤独となって愛犬・飛丸と赤池の国・白土の万覚寺を目指す仔太郎は、
とある荒寺で自らの名を捨てて刀を封印した奇妙な剣士“名無し”と巡り逢った。
大陸の刺客に襲われ、危ういところを名無しに救われた仔太郎。
不敵な笑みを浮かべる浪人と他人を拒む少年は、最初こそ互いに反目を覚えたものの
やがて道中をともにすることになっていく。
一方、追っ手の大陸勢で頭目を務める老人白鸞は、赤池国の領主と追撃の連携を取りながらも、
仔太郎を捕らえた後に行う怪しい儀式の準備を始めていた。
その一味の中でも異彩を放つ金髪碧眼の剣士“羅狼”だけは、一味の最終目的を意に介せず、命令に従いつつも、ひたすら強い相手を求めて己の刃をふるい続けていた。
やがて仔太郎の“秘密”は、あまたの野心を触発し始め、数々の思惑が激流となって人々を巻きこんでいく。
旅の中で互いを認めあい、絆を深めていく名無しと仔太郎。
互いの実力に引き寄せられていく羅狼と名無し。
宿命の縁に結ばれた二人の漢〈おとこ〉の、刃を交えるときが迫っていた……。
登場人物
主要人物
CV:長瀬智也
<自ら剣を封じた虚無の士>
出自、年齢など素性の子細は一切不明。侍らしき風体で全身には合戦の傷あとをもっている浪人。
優れた剣士だが、なぜか自分の剣を簡単に抜けないように細工をしている。
仔太郎と出逢い、用心棒として雇われて旅をともにする。
声を担当したTOKIOの長瀬は声優初挑戦でありながら、主人公・名無しの役柄にハマった高い演技力を見せた。
CV:知念侑李
<謎を背負い、心を開かぬ孤児>
明国から来た武装集団に追われ、名無しと出逢う天涯孤独の少年。
身を寄せていた寺の僧、祥庵の言葉を頼りに、愛犬・飛丸とともに万覚寺を目指して流浪の旅を続けている。
その身体に秘められた謎とは・・・。
仔太郎の連れている犬で、唯一信頼できる相手。
柴犬系の雑種で、主人への忠誠心は厚い。
明国の武装集団
皇帝の密命を受け明国からやってきた。とある目的のため、仔太郎を狙う。
皆武術の達人であり、羅浪以外はある薬を服用している。
CV:山寺宏一
<より強き技を求める孤高の剣士>
白鸞の率いる武装集団で最強の剣士。西方出身らしく、金髪碧眼の男。
日本刀を模した倭刀を持ち、剣法を使える。
白鸞に仕える一方で、今回の日本遠征を不毛と考え、剣を交える相手を求めている。
白鸞
CV: 伊井篤史(日本語)、王国慶(中国語)
皇帝の命を受け、中国から日本に武装集団を率い上陸して来た白髪の老人。
CV:野島裕史(日本語)、張沫(中国語)
武装集団の一人。鷹使い少年。腕の立つ羅狼のこと心から尊敬している。武器は双振りの剣。
月申
CV:相沢正輝(日本語)、薄宏(中国語)
武装集団の一人。武器は両端に鎌が付いている三節棍。
火丑
CV:宝亀克寿
武装集団の一人。七尺近い巨漢で拳法の使い手。
CV:福原耕平
武装集団の一人。薙刀を使う細身の男。
木酉
CV:皆川純子(日本語)、宋湘平(中国語)
武装集団の一人。縄付きの手斧を使う女性。
CV:水沢史絵(日本語)、王春(中国語)
武装集団の一人。木酉の妹で弓矢の名手。
金亥
CV:石塚運昇
武装集団の一人。赤池城の武士達と共に、名無しと荒寺で戦う事になる。武器は分銅のついた鉄鞭。
土巳
CV:陶力
武装集団の一人。細身の鉄面皮の男。
その他の人物
虎杖将監
CV:大塚明夫
赤池国の重臣にして、領内一の手練れ。剣を成り上がる手段と考え、やがて一国一城の主となることを望む野心の男。
かつて大渡の国に仕え、名無しとも因縁があったようだ……。
領主
CV:石塚運昇
戦国時代の貧しい小国、赤池国の領主。金を貰って明国から来訪者を領地に招き入れて手を組むが・・・。
戌 重郎太
CV:宮野真守
赤池国の武士で将藍の忠実なる部下。弓の名手。萩姫へ淡い想いを抱いている。
萩姫
CV:坂本真綾
領主の娘。器量よく優しい気立ての女性。将監を信頼している。
祥庵
CV:竹中直人
修行のために明国へ渡り、孤児となった仔太郎の身の上に同情して日本に連れ帰った禅宗の僧。
仔太郎に慕われている。
絶界
CV:筈見純
祥庵の所属する万覚寺の住職。
関連イラスト
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外部リンク
余談
タイトルの『ストレンヂア』には、戦国時代に刀を封印している「奇妙な男」と、「異邦人」という二つの意味がこめられており、立身出世、大きな野望、そして家族という枠組みから外れてしまった者たちの生き様を題名に託しているという。