概要
当初はプログレッシブ・ロックのバンドだったが商業的成功を求めてポップな路線へ移行し、1979年に「ブレックファスト・イン・アメリカ」が大ヒットした。
バンド名の「supertramp」は「漂流者」。
来歴
- 1968年、リック・デイヴィスがメンバー募集の広告を出し、ロジャー・ホジソン、リチャード・バーマー、キース・ベイカーと「ダディ」を結成。オランダ人の富豪スタンレー・オーガスト・ミエセガエスがパトロンとして資金援助した。
- 1970年、ベイカーが脱退し、舞台俳優だったロバート・ミラーが加入。ダディ・ロング・レッグス(足ながおじさん)との混同を避けるため、バンド名を「スーパートランプ」に変更した。A&Mレコードと契約し、アルバム「スーパートランプ」でデビューするがセールスは芳しくなかった。年末にパーマーが脱退(後にリチャード・バーマー・ジェイムスとしてキング・クリムゾンの作詞家となる)。
- 1971年、ミラーが脱退。デヴィッド・オリスト、ディッキー・トーマス、ケヴィン・カリー、フランク・ファレルが加入し、アルバム「消えない封印」をリリース。全く売れず、ディヴィスとホジソン以外のメンバーは辞めた。
- 1972年、ミエセガエスが援助を打ち切った。ニック・サウス、ダギー・トムソン、ボブ・シーベンバーグ、ジョン・ヘリウェルが加入し、その後10年メンバーが固定された。ポップな路線へ移行。
- 1974年、アルバム「クライム・オブ・センチュリー」がヒット。
- 1975年、アルバム「危機への招待」をリリース。
- 1976年、唯一となる日本公演を行った。
- 1977年、アルバム「蒼い序曲」をリリース。シングル「少しは愛を下さい」がヒットした。バンドは活動の拠点をロサンゼルス(アメリカ)に移す。
- 1979年、アルバム「ブレックファスト・イン・アメリカ」をリリース。全英3位、全米1位、日本でもオリコン2位の大ヒットとなる。シングル・カットされた「ロジカル・ソング」「ロング・ウェイ・ホーム」「ブレックファスト・イン・アメリカ」「グッドバイ・ストレンジャー」もヒット。
- 1980年、ライブ・アルバム「ライヴ・イン・パリ」をリリース。シングル・カットされた「ドリーマー」「ブレックファスト・イン・アメリカ(ライブ)」がヒット。ホジソンはカリフォルニア州の山奥に移住して自宅とスタジオを建て、他のメンバーと溝が深まり、脱退を望むようになった。
- 1982年、アルバム「フェイマス・ラスト・ワーズ」をリリース。シングル・カットされた「イッツ・レイニング・アゲイン」「変わらぬ愛を」がヒット。
- 1983年、フレッド・マンデル、スコット・ペイジが加入。世界ツアーが行われ、ホジソンがツアー後に脱退する事を発表。
- 1985年、アルバム「フロンティアへの旅立ち」をリリース。マーティ・ウォルシュ、カール・ヴァーヘイエン、マーク・ハートが加入し、ツアーを行った。
- 1987年、アルバム「フリー・アズ・ア・バード」をリリース。シンセサイザーを多用したディスコ・サウンドとなり、これまでのファンには受け入れられなかった。
- 1988年、ツアー後、バンドは解散。
- 1996年、デイヴィス、ヘリウェル、シーベンバーグ、ハートが「スーパートランプ」を再結成。ヴァーヘイエン、クリフ・ヒューゴ、リー・ソーンバーグ、トム・ウォルシュも加わり8人編成となる。
- 1997年、アルバム「永遠への贈り物」をリリース。初期のスーパートランプを彷彿とさせる内容だった。
- 2002年、アルバム「スローモーション」をリリースするが、再び活動休止。
- 2005年、ベスト・アルバム「レトロスペクタクル – ザ・スーパートランプ・アンソロジー」がヒット。
- 2010年、再々結成。現在も10人編成の大所帯で活動している。