ソロキャンプとは、キャンプ(野外活動)のスタイルの一つである。
概説
「ソロキャン」とも略称される。
古来より一人旅の場合、宿の不足、行程の不備その他の理由で自然とソロキャンになるケースも少なくなかった。
しかし旅が安全で宿の確保が用となった現在、特に日本では「キャンプ=グループ活動」「夏の風物詩」という観念が根付いていき、やがてアメリカからのボーイスカウトや野外活動文化の輸入によって、その観念はより強く補強されていくことになる。
一時期は「一人でキャンプ=友達のいない空しい奴」という憐みの視線が当たり前だったほどである。
変化が起こったのは2010年代頃だろうか。
2000年以降、いわゆる「お一人様ブーム」が加速していき、「一人で何かを楽しむこと」に対する忌避感が薄らぎ、また「個人の自由」が重視される風潮が強まったことで、ソロキャンへの抵抗値は徐々に下がっていった。
さらにお笑い芸人のヒロシを筆頭に、「ぼっちキャンプ」と称してソロキャンに興じる芸能人が次々と登場し、その自由度の高さ、社会生活のしがらみから解き放たれる解放感、自然と一対一で対話できることへの崇高感からハマるキャンパーが続出し、2019年頃には新たな社会現象として注目を集めるまでになった。
2020年のコロナ禍になってもその火は衰えず、むしろ「一人で過ごせるレジャー活動としてうってつけ」として益々もって人気を博するようになった。
レジャー業界もキャンプ用品の売れ行きの低迷に頭を抱えていたところに、ソロキャンブームが到来したことで活気を取り戻し、今ではソロキャン向けの商品の開発にも精力的に取り組んでいる。
昨今はキャンプ場の施設整備や機材の充実(レンタルあり)など1人で行いやすい環境になり、ユーザーは増加傾向にある。
さらには「グループソロキャン」という形態もあり、SNS等で同志を募ってキャンプ場を借り、現地集合・現地解散を旨に一つのテント設営地でそれぞれがソロキャンに興じるというスタイルである(集まる時間を決めているケースと、決めてないケースがある)。
一見するとソロキャンとは相反するように思えるが、基本ルールはソロキャンそのもので個人ごとに思い思いのキャンプを過ごすことが目的となる。さらにソロキャン初心者は熟練者からアドバイスを貰うことが出来、反対に熟練者はソロキャン愛好者を増やして楽しみを伝導する喜びが味わえるとあって、双方にwin-winな関係が築けるとグループソロキャンの輪は広がり続けている。
注意事項
1.家族に行き先を言っておくこと。
2.電波が通じるキャンプ場を選ぶこと。
3.じっくり下調べをすること。
4.天気予報を確認しておくこと。
5.キャンプ場でやることを決めておくこと。
なおソロキャンの場合、複数人のキャンプに比べて治安、野生動物、疾患その他非常事態の対応が求められるので注意。
救急箱などの応急処置セットや、いざという時の連絡先の確認、携帯電話やWi-fiの電波状況の確認など、安全にかかわる緊急手段は常に意識しておいてほしい。
またキャンプは必ず自身の私有地内、もしくはテント設営が可能な公共のキャンプ場や野外活動施設でおこなうこと。
どんな山であろうと所有者は必ず存在するので、どうしても山の中でソロキャンに興じたい場合は土地の持ち主にしっかりと許可を取り、ゴミや焚き火の後始末を徹底して撤収することを自らに厳命してほしい。
危険地域であることもあり、何より決して立ち入り禁止区域には侵入しないこと。「君子危うきに近寄らず」を肝に銘じて欲しい。
自由とは、失敗や責任の在りかを【「自」分に「由」る】と定めることである。
くれぐれも他所様に迷惑をかけないよう、楽しく責任あるソロキャンを楽しんでいただきたい。
当たり前だが、新型コロナウイルスのパンデミックにも留意する必要があり、感染拡大が進んでいる場合は中止も含めて再検討を行うべき。勿論、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の発令区域を出発地もしくは目的地とするキャンプなど、言語道断である。
関連イラスト
関連項目
ヒロシ(芸人):日本にソロキャンを広めた立役者の一人。本人は極度の人見知りだったことから始めた趣味だったが、現在ではYouTubeチャンネルでの配信に加え、BS放送でのレギュラー枠も獲得している。
テントグルマー:スーパー戦隊シリーズに登場する戦隊怪人。思わぬ所でソロキャンに言及されることに…。(詳細はリンク参照。ただし、ネタバレ注意)