概要
てんとう虫コミックス15巻及び、藤子・F・不二雄大全集7巻に収録「ネコが会社を作ったよ」に登場。
あらかじめ行動する内容と時刻を設定して身につけておくと、その時刻になるとひとりでに体が動いて眠りながらでもその行動をすることができる。
ストーリー
のび太が布団の中でよく眠っている一方ドラえもんは「そろそろだな」と言っていると、のび太は眠りながらひとりでに沖、朝食を食べ登校して行き、これにはママも感心していた。その後のび太はようやく目を覚まし「寝すぎた」「早く顔を洗って飯食って、学校へ行かなくちゃ」と慌て出したが、ドラえもんからそれらは全て済ませ学校へ行くところだと説明され昨夜「タイマー」を付けていたことを思い出した。
おかげで遅刻しないで済むと、のび太は改めて登校していき、その先でしずかと会ったので声をかけたが、彼女は元気がない様子だった。そして授業中も元気がない様子だったので、下校時に「何か心配ごと?」と尋ねたが、「話したって仕方がない」と言われてしまった。これにのび太は「そんなことあるもんか」と強気な態度をとり「しずちゃんのためならどんなことでも」と言うと、しずかも涙ながらに手を取って感謝してくれた。
だがその内容はうちの前に子猫たちが捨てられていて、うちには犬やカナリヤが既にいるのでどうしても買えないと母親から言われてしまったことだった。その後これを見たドラえもんは「ママに見つかったら大変だぞ」と慌て出し、のび太もそのことは分かってはいるが仕方なかったことを言い、引き受けた以上、責任をとらなきゃと子猫たちを押し入れに隠した後、こっそりと冷蔵庫から食べ物を盗み出し始めた。
何とか上手くいき部屋に帰るも、ママには既にバレていて、のび太はどこかへ捨てるまで家に帰るなと言われてしまった。そこで始めに兄妹に誰か飼ってくれないか訪ねた後、ネズミ顔の男性にも尋ねたが「ネコが大嫌い」と言われてしまい、その後のアパート暮らしの長髪の女性もダメで、しまいにはネコを食べようとする男性に追いかけられてしまった。
仕方なく子猫たちを道端に捨てることにしたが、その時犬に吠えられてしまったためもうどすれば分からなくなってしまい、初めに捨てた無責任な人間が憎らしくなってきた。だがその時、勉強の時間を知らせるタイマーが鳴り出したことでのび太は、子猫たちを持ったまま家に帰ることになってしまい、ママに叱られると焦り出し案の定気付かれたので、デンデンハウスの中に逃げ込むことにした。
これにママは「隠れたってだめよ」とハウスを叩き出し、のび太は中で震えていたが、ダメだと分かると「後で覚えてらっしゃい」と言って出て行った。そしてハウスから出て来たのび太は困ってしまいドラえもんに相談すると、ドラえもんは子猫たちにタイマーを取り付け始め、これが鳴り出すと子猫たちは押し入れから天井裏に行き始めた。
すると何やら音が聞こえ始め、これはドラえもんが、タイマーのコンピューターに時間がきたら天井裏をパトロールするようセットしていたたためだった。そして猫に追われてネズミが逃げ出していくと、これにママもびっくりし、のび太は子猫たちのおかげだと説明したが、それでも飼うことは許してもらえなかった。
しかしドラえもんは飼ってもらわなくてもいいと言い出し、それは猫たちに自分の家に住んで自分の働きで暮らすということだった。つまりは何軒かの家と契約を結んで毎日決められた時間に猫が天井とか押し入れのパトロールにでかけてもらうというものだった。そして月給はペット屋へ払い込んでもらって、ペット屋は猫の家にキャットフードを毎日届けるという、猫たちにネズミ退治の会社を作らせる仕組みだった。
そこで早速2人は客集めにかかることにし、その結果猫たちは空地に置いたデンデンハウスから出勤していくことになり、この様子にドラえもん、のび太、しずかは安心していた。
アニメにおける原作との主な相違点
大山版は1979年8月13日に、水田版は2007年7月20日及び、2021年8月14日にそれぞれ放送している。
1979年版
- のび太は「行ってまいります」と言って登校している。
- のび太が責任をとろうとしたのは男故のプライドだった。
- 先にドラえもんが猫たちに慌てる場面が描かれ、その後しずかの言い分が回想シーンで描かれた。
- のび太が兄妹にネコを飼ってくれないか頼む場面や、ネコを食べようとする男性から追われる場面はカットされ、猫を置いた場所は墓場だった。またのび太は土足のまま家に入っている。
- ネコに追いかけられたネズミを見てドラえもんは震え上がってカーテンにしがみついていていた。
- 猫たちの働きぶりに人々が感謝する描写が追加されている。
- 本編終了後のショートアニメは、子猫をおんぶしたドラえもんが片手にカザグルマを持って歩いているというものだった。
2007年版
- サブタイトルが「ネコが会社を作ったニャ」に変更。
- 途中で目を覚ましたのび太は慌てるあまり、ズボンを脱ぎ始めたり、ランドセルを探し出したりしている。そして通りすがった女子2人はこの様子をクスクス笑っていた。
- スネ夫がジャイアンに新しい腕時計を自慢するも、横取りされてしまう下りが追加され、この後のび太を見た2人は遅刻だと思い急いで先を急いでいった。一方のび太はこれに対し不満そうだったが、そこにしずかが通りかかった。またしずかの台詞は「どうにもならない」に変更されている。
- ドラえもんが子猫たちに慌てる一連の下りは1979年版と同じ仕様になっている。
- 部屋に戻って来たのび太にママは立ながら怒鳴っていて、どこかへ捨てるまで帰って来るなと言う場面はカットされている。
- 兄妹がネコを買えなかったのは母親がネコアレルギーだったからで、猫を食べようと男性が追いかける場面は、6月に放送した「ドラえもん飼いませんか?」に登場した店の主人で、もうこの猫がいるからということだった。
- 子猫たちを置いたのは公園のベンチの下で、吠えて来た犬にはちゃんと飼い主の男性がいて、ドラえもん達はタケコプターで空へと逃げている。
- 天井裏にネズミがいると分かった際、ドラえもんは慌てたあまり走り回った結果壁に衝突し、心配しなめてきてくれた子猫たちを見てネズミ退治を閃いた。ちなみに子猫たちにタイマーを取り付けた際には「のび太君みたいに世話が焼けないといんだけど」と言っていて、のび太は少しムスッとし、ネズミが逃げ出してきた時ドラえもんも同じく外に逃げ出している。
- ドラえもん達が子猫たちを売り込む場面が追加され、その後子猫からタイマーを奪ったジャイアンは子猫たちと共に野比家でネズミ退治をするハメになり、顔や体を噛まれたり引っかかれたりして散々な目に会い、ドラえもんとのび太はこの光景を笑っていた。ちなみにタイマーを取られたネコはデンデンハウスの上でくつろいでいた。
2021年版
- のび太の手を取った際、しずかは泣いていなかった。
- のび太は冷蔵庫から食べ物を盗むのではなく、お小遣いで食べ物を買いに行っていた。
- ママはのび太の動向を見抜いて怒鳴った際、2007年版と同じく立っていて、預かったからには責任を持ってもらってくれる人を探すよう言っている。
- しずか、ジャイアン、スネ夫も飼い主探しに協力していて、スネ夫は子猫たちの写真を取り、それを編集して飼い主募集のポスターを作製した。またアパート暮らしの女性は普通の見た目になっていて、ドラえもんはネズミ似の男性に怯えており、猫を食べようとする男性は重度の猫オタクの女性に変更され、「モフモフした!ペロペロしたい!」などと言って追いかけて来た。そして皆の方も飼い主を見つけられなかったが、その後も懸命に探し続けている。
- ママの台詞のうち「覚えてらっしゃい」は「話し合いましょう」に変更されている。
- ネズミたちは今の窓から逃げ出している。
- ラストの場面にはジャイアンとスネ夫もいて、子猫たちが出勤していく様子を見ている。