はじめに
戸塚慶文の漫画『アンデッドアンラック』に登場する主人物の1人、トップ=ブル=スパークスの名義揺れ。中間名(ミドルネーム)を一文字変換「B(ブル)」にした表記。
ここでは便宜に、本名称「トップ=B=スパークス」が用いられた登場時期も後述する。
【機密事項】
⚠以下、漫画『アンデッドアンラック』の重大なネタバレを含みます⚠
本作『アンデッドアンラック』では、特異な理「ループ」によって人知れず、幾度も世界規模な「破壊と創造の循環(ループ)」が繰り返される不条理な真実があった。
なお本編第一話時点の世界は99回目の周廻(ループ)、100回目の世界が舞台である。
やがて物語は加速し、全ての悲劇を否定するため主人公達は次の世界へ渡る。
101回目の世界(ループ)、これを最後に神との決着、最高の物語を迎えるために。
新世界におけるトップの件は不幸な悪運へ遭い、当代UNIONボス(主人公)が接触する時期には不健全な小悪者となっていた...。
それでも違うけど変わらない巡り会いから、徐々に本来の優しさ、逞しさを取り戻す人生も走り始める。
人物ビフォアフ
- 前世界(ループ99)
- 今世界(ループ100)
回想にて、今世界でも巡り会った十三代目 山岡一心(山岡春歌)の介入によりトップの悲劇は死傷者を出さず阻止された。しかし、これが転機であったかのように、彼の私生活や人生観は歪んでいってしまう...。
今世界の経歴・関連背景
先ずは、トップと当代UNIONボス(主人公)が接触する前後の関連背景を整理していく(一部に考察を含む事へ留意)。
トップと干渉前
当代UNIONボス(主人公)が仲間集めの前準備には、数学や化学ではない神秘学の情報源により、今世界でも嘗ての仲間・トップと出会える確信を得ていた。そして特異な理「ループ」によって自分達は赤の他人として、多少の変化もある人生を辿っている別人でもある事情。唯一無二の生き方・人生観を尊重し、極力は接触できる目途が立っても過干渉せずの配慮を持って動いてきた当代UNIONボス。
そして今世界にて選抜してきた仲間たちを信用し、当時の主人物たちと裏技工程「円卓 / 課題にある機能一環を利用した時間移動で不要な障害を強制突破」から、ボス達は2000年代から一気に2015年代の時代へ降り立つ。そうして残る前世界での有縁者に起きる悲劇を否定や対象者の捜索などを行ってきた。
当代UNIONボス(主人公)は用意周到に仲間集め・悲劇の阻止へ動き、不幸な運命に遭わせない努力をしてきたが…。
ボス不在時の動向
上記のような経緯があって、作中時系列における組織(ユニオン)では統率者(ボス)が不在の時期が数年あった事になる。そして今回の時間移動(うらわざ)では、不壊の業が代代伝わる一心家の面々は不参加であった。その為、2000年代~2015年代に起きてしまったトップの悲劇は、その時の一心/春歌が不壊の鎧を纏い否定/阻止するのだった。
だが不穏。
これが転機となってか、はたまたトップの生まれる年代が前世界とズレた影響か、徐々にトップ一家へ人社会の理(ルール)にある影が堕ちてくる。
トップが情熱を注いできた陸上(夢)は否定者(ひていしゃ:世界の理を否定する業の器になった者)になってしまった事で途絶え、
(彼の生活模様から推定して)貧困層の母子家庭で働き手だった母親は重い感染症(やまい)を患い、貧困街で暮らしていた故の冷徹な迫害を受けてしまうトップ一家…。
この時、味方勢力である組織(ユニオン)は直接な支援が不可能であったと考察される。
- 先ず組織を統率する立場かつ、真の世界事情に通ずる当代ボスが、上記の予定(出張)と重なり連絡・相談が不可能だった。
- 悲劇を阻止した後、ある種の歴史干渉を決断する立場でもある当代ボスが不在から、最低限の接触と要観察の判断ぐらいしか行えなかった。
言い方を変えれば、組織に資金面や技術面の不足はないが、方針や心配による問題が大きかった故に、要対象者であるトップ一家を救済する手出しが立てれなかったと思われる(※先にも述べたが、一部考察も含んだ整合のため、半公式な参考事と留意)。
当代UNIONボスと接触
そんなトップ一家の貧窮した事情を当代UNIONボス(主人公)が知る事になる2015年代。彼女の仲間・一心/春歌から報告を受ける時期、街中を能力悪用で跳躍疾走(パルクール)しながら盗みを行う不届き者・トップを目の当たりにする当代ボス。
因みに、これより3年前の2012年代。一心/春歌は少しでもトップを否定能力から守る手助けになればの献身もあってか、彼の住む地域(ブラジル某所)へ靴屋を開店していた。そこへトップが、悲劇から救ってくれた恩人でもある日本人女性の店舗へ足繁く通う回想・一幕や、窃盗(スリ)を働くトップを捕まえようとする際に「今日こそは」という発言から、不即不離な関係を彼女と築いていたと察せられる。
閑話休題。不幸な現状を見聞きした当代UNIONボス(主人公)は静かな面持ちであった。思考不足だったり、もっと何かしてあげれたのではといった焦りのない様子。
用意周到に事を進めても、現実は厳しく取り溢しが出てしまうように、きっと彼女もトップのような悲劇の二次被害がある問題を覚悟していたのかもしれない。後にトップと直接接触する際には、他の仲間集めみたいに無理強いはせず、相手の土俵「人社会の理(ルール)から外れた弱肉強食の生き方」へ則り、真正面から不幸なトップの心情・実力を受け止めている。
速さと篤さのある疾走者
病床の母から「人社会の理(ルール)に生きる事」を諭されるトップは、頭で理解出来ても心は許さない面持ちで、人のルールに従わず、獣となって弱者ではなく強者として生きたい主張をした。
だが青い
野生動物を今宵の食糧(メシ)として狩っていたトップに直接接触した当代UNIONボス(主人公)は、彼の土俵へ入り激戦をしつつ「まだ理解が浅い」ことを告げた。まだ「狩られる側」になった事がないからの青さがあると。
さらに悪運にも今次の課題で討伐対象だあり、上位十理(じょういじゅうり:絶対的な実現力を有した10体の高位UMA)の一角・UMAビーストにも急襲されてしまうトップ。そこで更に「獣」の化身であるUMAビーストから、真の理による野生の本性に恐怖する。一時は心から負けを認めて逃げようとまでしたが、知己の恩人・一心/春歌は当代UNIONボス(主人公)と共にUMAビーストへ立ち向かう姿勢に感化され参戦。
大切な人を守るため、世界の理を停止(と)まらない速さで蹴り飛ばす篤さを湧かせるのだった。
能力ビフォアフ
自己の停止が強制否定され、超スピードで走ってしまう能力。
前世界との顕著差異は能力解除条件。
前世界:自己の破壊、腕や脚などが骨折するまで解除されない
↓
今世界:何かの破壊、障害物を蹴り壊すや自己の体が骨折するまで解除されない
この変化は、当代不停止の否定者(ひていしゃ:世界の理を否定する業の器になった者)であるトップの現人物像「他を排除する姿勢に迷い無し」な心情から能力制約が変化したと推測される。
前世界では能力戦闘の度に負傷を伴っていたが、今世界では他の破壊も含まれるため負傷を殆ど伴わず、効率的な能力戦闘を発揮している。
余談
本名称「トップ=B=スパークス」が用いられた作中時期は、トップの(再)登場前に中間名(ミドルネーム)へ変換性「U(ユー)」がある少女も登場する。その為、彼の名義揺れは彼女へ準え、かつ章節の区切りでもあって演出を引き立てれる趣向の一環・余地といった制作背景があったと思われる。