概要
『週刊ヤングマガジン』に1991年9月から11月にかけて連載されていたしげの秀一原作の恋愛漫画。全1巻。
バリバリ伝説完結後に連載スタートした。
新潟県・南魚沼郡 湯沢町を舞台に、高校三年生の主人公「石坂俊彦」の夏の青春を描く。
単行本に巻数を表す『1』と表記されページの最後に『夏・出会い編 完』とあるが続編は描かれておらず事実上の打ち切り作品かつ未完作品となっている(後年に重版された単行本は巻数の数字は削除されているが、電子書籍版では再び巻数数字が復活している)。
だが、主人公の愛車※がハチロクトレノであったり、そのハチロクで大パワーの車を相手に峠でバトルする描写がある等、本作から数年後に連載開始し先生の代表作の一つとなった『頭文字D』に活かされた設定も幾つかあり、頭文字Dの連載中に重版された本作の単行本に付けられた帯には「頭文字Dの原点」と書かれていた。
※この車は本来は主人公の友達の兄の愛車である。
主な登場人物
- 石坂俊彦
| 年齢 | 18歳 |
|---|---|
| 搭乗車両 | トヨタ・スプリンタートレノGT-APEX(AE86前期) |
| ボディカラー | ハイテックツートン |
| 主な外装パーツ | 純正サンルーフ※、フジツボ製マフラー、トムス製ホイール、AE86/AE85スプリンタートレノ後期型用純正テールランプ※ |
※前半のみ。後半からテールランプは前期型純正、ルーフはノーマルで描写されている。
本作の主人公。
湯沢町の学校に通う高校三年生で野球部に所属していた。
「夏見」という妹がいる。
現在はスキー場の近くリゾートホテルのレストランでボーイのバイトをしている。
搭乗するハチロクトレノは友人の「武一」の兄の愛車だったが、現在兄は乗っておらず彼らがバイト代からやりくりして維持している。
愛車として乗っているトレノは見た目はホイールとマフラーは変えただけでメーターも前期型GT-APEX標準装備のデジタルメーターであり地味な印象だが、ブレーキやサスペンションといった足回りもチューニングしており、しっかり峠の走りに順応するようになっている。
走り屋としての実力もなかなかのもので、コースの熟練度の差もあったとはいえZ32相手に互角のバトルを繰り広げた。
顔は整っており学校の女子やホテルの女性客からモテており、後述する「関谷ちはる」から告白される所から物語が始まる。
彼女から告白の手紙を貰い、俊彦は動揺しながらも付き合う方向に向いていたが、ある日のバイト中に客として現れた「高樹真亜理」と出会い…
- 羽沢達也
本作に於ける恋のライバルであり、真亜理の恋人。
東京都から恋人や友人を連れてバカンスに来た大学生で、作中で誕生日を迎えパーティーを開いている。
真亜理とは父親同士が仲が良くそこから知り合い、後に恋人となる。
顔も頭も良く親が金持ちな点など、後の「頭文字D」の高橋涼介を彷彿とさせる。
運動神経も抜群で、特にゴルフが得意でプロ並の実力だと周りから太鼓判を押されている。
他には水泳やテニスも得意であり、テニスに関しては自身が高校生の頃に真亜理の父親から彼女にテニスの指導を頼まれ、それが彼女と繋がるキッカケとなった。
真亜理の事で俊彦と対立する立場にいるが、彼の事は半ばライバルとして認めている節がある。
彼の乗るZ32型フェアレディZは後の「頭文字D」に登場する事は無かったが、次期型のZ33型は「頭文字D」後半に池田竜次の愛車として登場する。
- 高樹真亜理
年齢：18歳
本作のヒロイン。
周りから女優と間違えられる程の美人で、達也の恋人。
元は身体が弱かったが、父親の勧めで達也を紹介され彼にテニスを教わる事になりそこから達也との関係が始まった。
達也の事は好きであったが、夏にリゾートホテルへ来た際にレストランのボーイをしていた俊彦と出会った事で徐々に彼へ心が揺らいでいく。
それを達也は気付きつつも、真亜理を愛しており別でホテルを取り彼女の初体験を奪おうとするが途中で拒絶した為中断。
その後俊彦と会うが…
- 関谷ちはる
本作のもう一人のヒロイン。
物語開始すぐに俊彦にアタックし良い感じになるが、本気で彼女の事が好きか分からなかった俊彦は心の中で揺らいでおり、更に彼がバイト先で真亜理と出会った事で心がそちらに移っていく。
そして後に俊彦から正直な気持ちを伝えられフラれてしまう。
だが、気持ちの収まらない彼女は大胆な行動を取ろうとし…
- 武一
年齢：17歳
俊彦の友人。
普段俊彦が運転するハチロクは元は武一の兄のものであった。
2月生まれな故にまだ免許が取得出来ていないが、峠で無免許運転する描写がある。
後の「頭文字D」の武内樹とは名字が似ていたり人物像自体も近いものがある。
関連タグ
バリバリ伝説…本作連載前に週刊少年マガジンで描いていた先生の代表作。
頭文字D…本作の連載終了から約4年後に描かれた先生の代表作。本作との共通点が一部あり。
